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夕食後30分のウォーキングを3ヶ月続けてみた。その結果、私に起こったこととは

水野雅浩/健康マネジメント健康マネジメント専門家

こんにちは、健康マネジメントスクール、水野雅浩です。

『ビジネスパーソンの健康マネジメント』を中心に本の執筆、企業、行政、大学などで講師をしています。特にアラフィフは、ストレスも増え、年齢差が大きくなるステージ。ぜひフォローして、「攻めの健康マネジメント」にお役立てください。

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■このままでは、マズイ…。

「これが、男性の更年期か」

20代の頃は「24時間働けますか?」を地で行く強烈なベンチャー企業(ブラック企業)で働いていた。いつも終電に駆け込むのは当たり前だったし、週に1回はサウナに泊まるのが当たり前だった。しかし、それでも、疲れる感覚はなかった。体力と気力のエネルギーが満ち満ちていたのだ。

しかし、アラフィフになると、今までには感じたことのない、「こびりつくような疲れ」を自覚するようになる。

  • 肩のコリは表面から深部に移行し、痛みに変わりつつある。
  • 座りっぱなしの仕事をしているためか腰痛も始まった。
  • 夜、寝ようと思っても、寝付きが悪い。
  • 深夜に、途中で起きてしまう。
  • 一度起きると、なかなか寝付けない。
  • 朝起きても、疲れが残っている。
  • 顔を洗って、ふと鏡を見ると疲れたおっさんが目の前にいる。

人生の折り返し地点で、心も体も、もう満身創痍だ。女性の更年期は、閉経前後約10年。一方、男性の更年期は、終わりがないと言われている。俺は、このまま、下り坂を転げ落ち続けていくのか。体力が下がれば、気力も下がる。認知力も下がるだろう。

このままではまずい。本当の俺は、こんなはずじゃないはずだ。

■朝と夜のランニングするも、挫折

気力を上げるには、まず、体力だ。そう考え、気持ちを奮い立たせ、朝、オフィスに行く前にランニングをすることにした。

しかし、そもそも、私は朝が弱い。アラームをかけて、目が覚めたとしても、横では毛布に包まれ、妻が幸せそうな顔で、ぬくぬくと、気持ちよく寝ている。引力が強すぎる。結局、2日で挫折した。

次にチャレンジしたのは、夜だ。食後にランニングを試みた。夜風が気持ちいい。これは行けるかもしれない。しかし、すぐに困ったことが起こった。

食後すぐということもあり、脇腹が痛くなるのだ。自律神経は、食事の消化には副交感神経が優位になる。一方、ランニングのような活動には、交感神経が優位になる。体はパニックになったのだろう。すぐにアラートを発した。しかも対して走っていないのに、翌朝は、筋肉痛。

もう俺は、何をやってもダメなのか・・・。

■夕食後のウォーキング

自尊心は、ずだずだになった。しかし、それでも何もしないよりはよいと思い、結局、夕食後のウォーキングに落ち着いた。

個人的な思い込みだが、ウォーキングは、散歩の延長でなんとなく中高年層がするものという固定概念があった(自分も立派な中年オブ中年なのに、気持ちではそれを受け入れられていない)。

そこで、歩くにしても、胸を張り、腕を振り、大股歩き。スピードは分からないが、前を歩いている人を抜いていくことを目安にした。実際にやってみると、これがよい。ウォーキングであれば、お腹が痛くならない。疲れないから、どこまでも歩いていける。余裕があれば、スピードを上げることも可能。息が弾むぐらいのスピードにすると、しっとり汗をかく。しかも、翌朝、筋肉痛にならない。

結果、

  •  心地よい疲労感で、寝付きが良くなる。
  •  途中で起きることはない。
  •  朝スッキリ起きられる。
  •  朝ごはんがうまい。

めぐりが良くなっているからか

  •  オフィスでも集中力が続く。
  •  女性社員から、最近、やせましたよね??と声をかけられる

これが、ウォーキングか。散歩とランニングの中庸の世界。それが、ウォーキング。私は「悟り」を開いたブッダのようだった。これなら続けられる。しかも、リターンがデカい。マイナスのスパイラルに陥っていたのが嘘のようだ。このままプラスの上昇気流に乗れば、第二の青春が待っているかもしれない。私は勢いづいた。

■ウォーキング+ジョギング

2ヶ月ほどウォーキングの世界に開眼した私は、3ヶ月目に、次のステージに移行した。

ほんの少し、ギアをあげたのだ。つまり、前半はウォーキング、後半はジョギングの組み合わせだ。これが、いい。ウォーキングで30分ほどすると、体が温まる。同時に腹もこなれてくる。次に、ランニングとウォーキングの間ジョギング。これも中庸だ。体が温まっていることもあり、楽に走ることができる。心地よい疲労で、筋肉痛にもならない。

今では、平日の夜のウォーキング3キロ、ジョギング3キロが定着した。週末は、ウォーキング3キロ、ジョギング10~15キロをしてる。3ヶ月前の私では考えられない成果だ。

■私に起こった変化

ウォーキングをしていただけでも十分リターンはあったが、ウォーキング+ジョギングのセットにしたことで、リターンは、さらに増えた。

脂肪が筋肉に置き換わっているのだろう。体が引き締まり、姿勢がよくなった。有酸素運動により脳に血流が流れ、酸素や栄養が流れ込んでいるのだろう。日中の集中力の持続時間が増えた。全身の血流がよくなり、老廃物も回収されたのだろう。顔色が良くなった。何より、睡眠の量も質も高まった。

個人的な、実感だけなのか、調べてみると、多数の研究結果が見つかった。

筑波大学の研究で、ウォーキングなど、最酸素摂取の60%程度の強度の運動を1時間うことで、夜は質のよい睡眠をとれ、デルタ波が睡眠の前半に集中して幅に増えるという結果が報告されていた。また、ブリティッシュ コロンビア大学の研究では、ウォーキングなどの有酸素運動を続ける事で、脳の記憶や学習を司る海馬の神経が増え、思考力や学習力などに関わる前頭葉や、記憶力などに関わる側頭葉のボリュームが増すことが報告されている。さらに、米国のハーバード公衆衛生大学院の研究では、1日35分のウォーキングがうつ病の予防に効果的と報告されていた。

たかが、ウォーキング。されど、ウォーキングだ。有酸素運動が体やメンタルにもたらす利益は想像を上回っていた。

■まとめ

いくつもの挫折を乗り越え、トライ・アンド・エラーを繰り返し、たどり着いたのは、夕食後のウォーキング&ジョギングだ。距離や時間は個人差があるだろうが、平日の健康投資としては、最適な気がする。

フルマラソンやトライアスロンに人から見れば、鼻で笑われてしまう取り組みかも知れない。しかし、比べるのは昨日までの自分だ。体も精神もたるみきったメタボな自分を超えていけばそれでいいのだ。

作家であり、ランナーでもあった、ジョン・ビンガム氏は次のような言葉を残している。「ゴールしたことが奇跡なのではない。走り始めたことが、奇跡の始まりだったのだ」

ウォーキング&ジョギングは、体力、気力、認知力を回復させる、ボーリングのセンターピンのようなものだ。

何もしなければ、下りのエスカレーターに乗っているのと同じだ。ナチュラルエイジングと言えば聞こえがいいが、人生100年時代において、老いに任せることはリスクになる。まずは夕食後のウォーキングから始めてみよう。そのあと、自分のライフスタイルに合わせて、微調整していけばよい。この小さな一歩が、上りのエスカレーターに乗るきっかけになるはずだ。

さあ、奇跡を始めよう。

健康マネジメントスクール

水野雅浩

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https://healthylifepj.com/

■プロフィール
健康マネジメントスクール 水野雅浩
1975年生まれ 福岡県在住 予防医学の専門家。健康経営アドバイザー。講師・作家。『グローバルで勝つ!太らない疲れない7つの習慣』はAmazon総合ランキング1位。香港の勤務時代に、食事・睡眠・運動・ストレスケア・サプリメントに気を使い仕事のパフォーマンスを上げるビジネスパーソンを目の当たりにして、日本のメタボサラリーマンとの差に愕然とする。その後、某大手外資系企業のサプリメント商品開発責任者として10年歴任。しかし、サプリメント以前に、日本では健康習慣の基礎の啓蒙が必要と痛感。健康マネジメントの専門家として、企業・大学・行政で講師として啓蒙に力を入れている。

■講演実績
【企業】富士通株式会社、東レ株式会社、株式会社麻生グループ、株式会社中外製薬、アクサ生命保険株式会社、三菱商事株式会社、JR西日本グループ、株式会社大日本印刷、コカ・コーラボトリング株式会社、大塚製薬株式会社、ネスレ日本株式会社、Huawei Technologies Co., Ltd.北日本銀行、鳥取銀行、日本海新聞社、岩手日日新聞社、京都ホテルオークラ、とりねつ株式会社、ソルネット経営コンサルティング、税理士法人中央総合会計事務所、北斗工業エンジニアリング、一般社団法人日本パーソナルブランド協会、株式会社ホーマス・キリンヤ【労働組合】全トヨタ労働組合連合会(119社)、豊田自動織機労働組合 【行政】鳥取県、宮崎県、福岡県、岩手県など 【大学】台湾大学 【塾】公文など多数

■保有資格
日本成人予防協会一級健康管理指導員(認定番号H35366)/健康経営アドバイザー 認定番号3000092)東京商工会議所/健康マスター検定エキスパート・普及認定講師 認定番号E1400471/健康美容情報認定協議会 健康美容アドバイザー認定講師/日本ダイエット協会 ダイエットプロフェッショナルアドバイザー/JADP認定 生活習慣病予防アドバイザー/サプリメントアドバイザー(認定番号H35366)/米国NLPコーチング研究所 NLPプロフェッショナルコーチ

健康マネジメント専門家

健康マネジメントスクール代表。作家・講師。予防医学の専門家。健康経営アドバイザ-。『グローバルで勝つ!30代の太らない疲れない7つの習慣』はアマゾン総合1位。企業・行政・大学で「仕事のパフォーマンスを上げる健康マネジメント」、学習塾で「子供の成績を上げる食事・睡眠習慣」をテーマに講師。著書に『親子で作る健康習慣「本番力」で受験に勝つ』がある。中央大学法学部卒業後、介護サービスに携わり10年間、人の老化と向き合う。その後の香港勤務では海外のビジネスパーソンらが実践する健康投資を目の当たりにする。日本に帰国後、12年、外資系ヘルスケア企業で商品開発の責任者を担う。1975年生まれ。福岡在住。

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