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ビジネスパーソンが健康投資を始めたきっかけランキング3位に「心身の不調」がランクイン

水野雅浩/健康マネジメント健康マネジメント専門家

こんにちは、健康マネジメントスクール水野雅浩です。仕事のパフォーマンスを上げる健康習慣をご紹介していきます。ぜひライフスタイルづくりにお役立てください。

さて、今回のテーマは、メンタルヘルスについて。

大和ネクストのビジネスパーソンの「健康づくりを始めたきっかけ」に関するランキング調査を見ると、興味深い順位が見えてきます。

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1位: 見た目・体型の変化

2位: 健康診断の結果

3位: 心身の不調を自覚した

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おそらく、いつの時代でも変わらないのは、

1位: 見た目・体型の変化

2位: 健康診断の結果

でしょう。

興味深いのは、「心身の不調を自覚した」が3位に来ていること。

おそらく数年前は、「自分が病気・ケガをした」が3位だったと思うのですが、

コロナを経て、メンタルヘルスへの関心が高まったのでしょう。

コロナ禍で、急に在宅ワークになったときに、特にIT企業で多くのメンタル不調者がでて人事担当者から多くの相談が来ました。

コロナ禍でメンタル不調がでた原因はいくつかありますが、主なもとしては

●外出をしないので、太陽の光を浴びないことで、メンタルを整えるホルモンの分泌が低下した。●オフィスに移動する通勤のプロセスがなくなったことで、運動不足になり血液やリンパの巡りが悪くなった。●仕事の管理が、自己管理になったため、昼夜逆転で生活リズムが乱れた。●ランチタイムが自己管理になったことで、1日3食のリズムが崩れた。●人と話す量が減り、その中でもコーヒーブレイクのような雑談が減ったため、こまめにストレスリセットができなくなった。など様々な要因が挙げられます。

さまざまな要因が雪崩のように折り重なりメンタルを整えるセロトニンの分泌が滞り体内時計も乱れ、アタマとカラダがバラバラな感覚に陥り結果として、メンタル不調に陥る人が続出しました。

すでに体感されている方もいるかも知れませんが、メンタル不調は、ダメージが蓄積してうつ状態になってしまうと、リカバリーするのに、お金と時間がかかります。

うつ病を「心の風邪」と表現する人がいますが、大きな違いは、風邪とは異なり、なかななか、以前と同じメンタル状態に戻りづらいという特徴があります。

すべての病気は予防が大切ですが、その中でもメンタルヘルスは予防が重要。

今はコロナは落ち着いていますが、何がきっかけでメンタル不調になるか、これは誰も予想ができません。だからこそ、コツコツと日々のメンタルケアへの投資が必要なのです。

特に、気をつけたいのが、アドレナリンを分泌して頑張りすぎてしまう人ほど多少の不調があっても、見て見ぬふりをしてしまいがち。

メンタル不調の症状として、敏感になっておくべき点を上げておきます。

・焦燥感や不安感に駆られる

夜眠れなくなった、寝てもすぐ目が覚めてしまう

表情が乏しくなる

遅刻や欠勤が増えた

憂鬱な気持ちが続く

家事や仕事など、今まで当たり前にできていたことができなくなっ

仕事のミスが増える

身だしなみに無頓着になる

などなど。

何だこんなこと、と思わず、自分自身が発している小さなSOSのサインを見逃さないようにしていきましょう。

■ライフスタイルでメンタルケア、5選

では、メンタルケアには何をすればよいのでしょうか。「ポジティブ思考」などのアプローチもありますが、まずは、ライフスタイルを整えることが何よりの投資になります。下記、参考にしてください。

(1)朝、まず、セロトニンを分泌させる

メンタルケアに欠かせないのが、脳内神経物質のセロトニンの効果的な分泌です。

セロトニンには、脳の大脳皮質という部分に働き、起きている時にスッキリした意識にさせる・朝起きる時、体を活動する状態にさせる・痛みの感覚を抑制させる、など様々な働きがあります。 セロトニンが少なくなるとこれらの働きがうまくいかなくなり、寝起きが悪くなったり、些細なことで痛みを感じやすくなります。

このセロトニンを増やす上で、絶対に欠かせないのが、朝起きたら、太陽の光を浴びること。朝起きたら、まずは、すべての窓のカーテンを全開にあけて、太陽の光を取り込みましょう。

(2)朝食にセロトニンを増やす食べ物を取り入れる

次に、セロトニンを効果的に分泌するうえで欠かせないのが、朝食。

しかも朝食を食べるうえで、外してはいけないのは、セロトニンに材料となる、肉や魚のたんぱく質を取り入れること。

メンタルを安定させる神経物質の材料を朝から取り込むことで、日中のメンタルケアにもつながるだけでなく、朝のたんぱく質は、夜ぐっすり眠るための睡眠ホルモン・メラトニンの材料にもなるのです。

たんぱく質は、たまご、お魚、大豆製品などに含まれることを考えると、日本人だったら、納豆のたまごかけご飯にしらすをスプーン一杯。さらに余裕があったら、豆腐たっぷりの味噌汁などがあれば完璧ですね。

(3)速歩きで、歩く。

最後に、セロトニンを効果的に分泌するうえで欠かせないのが、運動。

運動といっても、筋トレのような激しい運動ではなく、ウォーキングやランニングのようなリズム運動が効果的。

オフィスに出社する方は、通勤時間、そのものがリズム運動になるでしょうし、在宅ワークの方は、家の周りを散歩するのでもよいでしょう。

私の場合は、シェア自転車のチャリチャリを利用して、30分ほど自転車に乗ってオフィスまで向かっています。リズム運動ができる上、血流も巡り、体温も巡り、気分よく仕事に向かうことができています。

何だこんなことか、と思われた方もいるかも知れません。しかし、基礎となるライフスタイルこそが、メンタルケアの第一歩です。人生100年時代、一番、やってはいけないことは、心を壊すこと。ぜひ日々の生活を健康投資にしていきましょう。

健康マネジメントスクール

水野雅浩

健康マネジメント専門家

健康マネジメントスクール代表。作家・講師。予防医学の専門家。健康経営アドバイザ-。『グローバルで勝つ!30代の太らない疲れない7つの習慣』はアマゾン総合1位。企業・行政・大学で「仕事のパフォーマンスを上げる健康マネジメント」、学習塾で「子供の成績を上げる食事・睡眠習慣」をテーマに講師。著書に『親子で作る健康習慣「本番力」で受験に勝つ』がある。中央大学法学部卒業後、介護サービスに携わり10年間、人の老化と向き合う。その後の香港勤務では海外のビジネスパーソンらが実践する健康投資を目の当たりにする。日本に帰国後、12年、外資系ヘルスケア企業で商品開発の責任者を担う。1975年生まれ。福岡在住。

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