Yahoo!ニュース

カーリング男女、予選リーグがいよいよ初戦! メダル獲得の可能性を識者や関係者がガチ予想!

竹田聡一郎スポーツライター
前哨戦の軽井沢国際ではアベック優勝を果たしたが、本番は!?(著者撮影)

 いよいよ今日、バレンタインデーからカーリング男女の予選リーグが始まる。参加10カ国と総当たりで8日間をかけて9試合を戦い、白星の多い上位4チームが決勝トーナメントに進出。ゴールドメダルゲームは男子が24日、女子が25日で、最長12日間の長丁場となる。

 史上初のメダル獲得を目指す男子代表のSC軽井沢クラブと女子のロコ・ソラーレ北見は、13日までに会場となる江陵カーリングセンターで2日間の公式練習を終えた。多少、曲がり幅などにアジャストメントが必要だが、過去の五輪や世界選手権と同じくよく曲がるアイスに仕上がっている模様だ。

 また、選手のSNSなどをチェックする限り、今のところメンバーに怪我や風邪などもなくリラックスして選手村生活を楽しんでいる様子で、心身共に健やかな状態で初戦を迎えることができそうだ。

 さて、13日までに高木美帆や高梨沙羅らがメダルを獲得したことで、「過去最強チーム」と謳われるカーリングニッポンにも期待が高まっている。しかし、記事を読むと「チャンスはある」「まずは初戦」など、どこか玉虫色で根拠に乏しいものが多い。かくいう僕も集英社「スポルティーバ」の展望記事

「粘り強い戦いが求められる」

「メダル獲得への道は険しいが、決して不可能ではない」

 とか、慎重に言葉を選んで書いたのだが、もっとズバリと明言する記事があってもいいと思う。

 ということで、実際のところメダル獲得の可能性はどの程度、現実的なのだろうか。匿名を条件に担当記者や関係者、選手にガチ予想をしてもらったので紹介したい。

■全国紙スポーツ部男性記者

男子メダル→カナダ、スウェーデン、スイス

女子メダル→カナダ、スウェーデン、イギリス

男女ともカナダはショットの安定感で一歩リードか。決勝は男子が、昨年4月の世界選手権と同じカードのカナダvs.スウェーデン。女子も世界ツアーのランキングでカナダ2チームに続く3位で力はある。準決勝進出争いは混戦と予想し、日本にもチャンスはありそう。日本男子は初戦のノルウェー戦の比重が大きいとみる。14年世界選手権金のメンバーを相手に白星スタートで波に乗れば。日本女子は国別世界ランクで下の相手が続くため4戦目まで全勝でいってほしい。難敵が続く後半も心身で好調を持続できれば準決勝以降の勝機も広がるはず。

■カーリング特番の制作経験がある男性テレビディレクター

男子メダル→カナダ、スウェーデン、韓国

女子メダル→カナダ、中国、スイス

ここ数年、カーリング界ではアジアの躍進が目覚ましく、開催地の利もあって男女共にアジア旋風が吹き荒れるでしょう。特に男子の韓国(Kim Chang-min)はブーストナショナル準優勝、カナディアン・オープン3位と、今季はビッグタイトルで表彰台に乗りまくっています。女子はバンクーバー五輪で銅メダルを獲得した中国(Wang Bingyu)に注目です。国別ランキングこそ中国は10位ですが、チームのツアーランクは13位。カナダのチームを抜くと5位です。実力は十分。名は体を表すと言いますが、このワンさん王氷玉という表記なのでやっぱり手強そうです。

■全国紙冬季競技担当女性記者

男子メダル→カナダ、スウェーデン、日本

女子メダル→スウェーデン、カナダ、日本

男子はカナダの4連覇はゆるがず、追うのはWCT(ワールドカーリングツアー)ランキング1位のスウェーデン(Niklas Edin)か。女子はスウェーデン(Anna Hasselborg)が、カナダの同い年スキップ(Rachel Homan)対決を制す可能性あり。期待とエールを込めて、日本がアベックメダル獲得と大胆予想!

■カーリング取材歴9年のフリーライター

男子メダル→カナダ、スウェーデン、スイス

女子メダル→カナダ、スイス、イギリス

もちろん、カーリングファンとして日本の覚醒と連勝を願っていますが、本当にガチ予想すると、こんな面白みもない並びになってしまいます。男子カナダ代表のスキップであるケヴィン・クイ(Kevin Koe)は、カナダ選手権3回、世界選手権も2回獲っているトップカーラーですが、意外なことに五輪は初出場。本気で金を狙っているでしょう。カナダ国民は「五輪? カナダ選手権を獲るほうが難しい」と勝って当然と思っているはずです。女子カナダ代表(Rachel Homan)も同じく五輪初出場ですが、参加チーム中ランキング最上位なのでこれも本命でしょう。ただ、先月のコンチネンタルカップで彼女らに勝ったチームがあるのが気になっています。それはロコ・ソラーレ北見(Satsuki Fujisawa)というチームなんですよねえ。

■日本選手権出場経験を持つ男子選手

男子メダル→カナダ、スウェーデン、デンマーク

女子メダル→カナダ、スイス、OAR

男子のファイナリストは奇をてらった予想はしにくいですが、デンマークに注目しています。おそらく初戦のスウェーデン、2戦目のスイスで連敗するのですが、一度、死んだチームほど怖いものはない。逆襲のバイキングです。女子はこれまでロシアの絶対女王として君臨してきたシドロワを直前のトライアルで破った若いチーム(Victoria Moisseva)が、今、国もあれですし、ノープレッシャーでぐんぐんくるのでは、という気がします。

 やはり王国カナダは盤石の大本命であり、それを追うのがスウェーデンやスイスの欧州勢というのが大方の予想で、そこに日本を含めアジアがどう絡んでいけるのか。まずは序盤の星取り合戦に注目したい。

 日本の初戦は女子が14日14:05にvs.アメリカ(NHK総合)、男子が20:05にvs.ノルウェー(NHK-BS)だ。今回は全試合、テレビ全国放送が実現したのでぜひ応援してほしい。

スポーツライター

1979年神奈川県出身。2004年にフリーランスのライターとなりサッカーを中心にスポーツ全般の取材と執筆を重ね、著書には『BBB ビーサン!! 15万円ぽっちワールドフットボール観戦旅』『日々是蹴球』(講談社)がある。 カーリングは2010年バンクーバー五輪に挑む「チーム青森」をきっかけに、歴代の日本代表チームを追い、取材歴も10年を超えた。

竹田聡一郎の最近の記事