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2026年五輪に向けた勝負のシーズンを迎える各チームの補強や移籍情報。逆輸入選手が赤黒ユニ着用!?

竹田聡一郎スポーツライター
佐藤剣仁(さとうはやと)2000年8月29日生まれ (C)北海道カーリングツアー

 スウェーデン・エステルスンドで行われているミックスダブルスの世界選手権ラウンドロビン(グループリーグ)を、日本代表の上野美優・山口剛史ペアは6勝3敗の5位で終えた。

 並行して開催している世界シニア選手権、今日26日から北海道北見市のアルゴグラフィックスカーリングホールで開幕するナブテスコ日本車いすカーリング選手権が終われば、カーリングの2023/24シーズンも終了となる。

 2026年のミラノ・コルティナダンペッツォオリンピック出場のかかったシーズンだったが、上野美優を筆頭とした若手の躍進が目立ったシーズンでもあり、同時に世界での戦い方を再考させられる1年でもあった。

 そんな中、国内外で五輪レースがクライマックスに向かう勝負の2024/25シーズンに向けて、複数チームから選手離脱や新戦力の加入などの情報が相次いだ。

 まずは4月8日、ロコ・ステラから青木愛優凪と斉藤茉由美が競技から離れる旨の発表があった。2選手とも結成当初からチームを支え、同チームの日本選手権連続出場などの原動力になった。青木はスタッフとしてチームに残るが、斉藤はチームを離れる。そして翌9日には荻原詠理の加入が発表された。

 軽井沢出身の荻原は、2014年に小学生ながら現在中部電力に所属する北澤育恵らと日本選手権に出場した経験や、2022年の世界ジュニア優勝という経歴を持つカーラーだ。リードやサードでプレーしておりハック側、ハウス側の意見に加え、スイーパーとして氷の変化に聡い多角的な選手でもあり、彼女をどう活かすかが注目される。

 4月16日にはKiT CURLING CLUBから相田晃輔の退団および現役引退が発表された。相田は2016年のリレハンメルユース五輪に日本代表として活躍したのち、北見工大に進学。2017年にコンサドーレの前身である4REALに加入し、その後もコンサドーレの一員として日本選手権3連覇やパシフィック・アジア選手権優勝などに貢献した。2022年にKiT CURLING CLUBに加わり、器用なショットで複数ポジションをこなしたほか、アイス外では“ぴーちゃん”の愛称で男女や世代を問わず親しまれるマスコット兼ムードメーカー的存在でもあった。なお、KiT CURLING CLUBは相田に代わるフィフス入団の予定はない。

 そして25日には、カナダ・ブリティッシュコロンビア州生まれの“逆輸入カーラー”として札幌国際大学氷上部入部で話題になった、佐藤剣仁がチームのSNSで大学卒業と退部を発表。翌26日にコンサドーレから「新加入選手・所属先決定のお知らせ」というリリースが出された。佐藤は札幌市内の企業、日進工業株式会社に勤務しながらコンサドーレの一員として競技を継続していく。ハウスマネジメントもできる佐藤を敦賀爽太、大内遥斗ら若手フロントエンドとポジション争いをさせ、チームのベースアップをする狙いだ。

 一方で、札幌国際大学の来季の布陣にも注目が集まる。この2023/24シーズン、阿部悠希や小林駿汰といった実力のある若手が期待どおりのパフォーマンスを見せ、青木豪や佐々木彩斗はミックスダブルスで上位に食い込んだ。青木らは来季、ミックスダブルス主体でプレーするのか。4人制も継続してチームを運用するのか。シーズン序盤で明らかになりそうだ。

 いずれにしても束の間のオフを挟んで、勝負の来季は8月8日の稚内みどりCHALLENGE CUPで開幕する。群雄割拠の国内カーリングだが、新戦力の躍動で大化けするチームが出てくるのか、新シーズンの注目ポイントのひとつだ。

スポーツライター

1979年神奈川県出身。2004年にフリーランスのライターとなりサッカーを中心にスポーツ全般の取材と執筆を重ね、著書には『BBB ビーサン!! 15万円ぽっちワールドフットボール観戦旅』『日々是蹴球』(講談社)がある。 カーリングは2010年バンクーバー五輪に挑む「チーム青森」をきっかけに、歴代の日本代表チームを追い、取材歴も10年を超えた。

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