俳優の吉沢亮さん、隣室に無断で侵入 「トイレに行きたくて」 #専門家のまとめ
先月30日、俳優の吉沢亮さんが酒に酔った状態で、自宅マンションの隣室に無断で侵入する事件が発生した。隣室の住人が吉沢さんの侵入に気付き、警察に通報したため、警察が住居侵入罪の適用も視野に入れ、捜査を進めている。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
犯罪学の理論に「中和の技術」という考え方がある。
これは、違法行為を行う際に、本来であれば抑止力となる価値観(道徳心や順法精神)を一時的に無効化する心理メカニズムのことだ。分かりやすく言えば、「自己正当化」のテクニックである。
具体的には
①責任の否定(ある状況に巻き込まれただけで、自分のせいじゃない)
②加害の否定(誰にも被害を与えていない)
③被害の否定(相手にこそ責任があり、お前が悪い)
④非難者の非難(お前だって昔はそうだったから、非難する資格はない)
⑤忠誠心の発露(守るべき秩序が侵されたから、仲間を守るために行動した)だ。
今回の住居侵入も
「酔っていたから(責任の否定)」
「トイレに行っただけ(加害の否定)」
「玄関の鍵が開いていた(被害の否定)」
といった発言があったのなら、まさにこの理論が当てはまる。
そういえば、最近目立つ闇バイトによる強盗事件も、高齢者が狙われているので、「高齢者は老害化する前に集団自決、集団切腹みたいなことをすればいい」という発言(被害の否定、非難者の非難、忠誠心の発露)に、若者が煽られているのかもしれない。
自分の周りに、中和の技術を多用する人がいる場合は、注意が必要だ。