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またしても起きた「車両突入テロ」 日本でも起きる可能性はあるのか #専門家のまとめ

小宮信夫立正大学教授(犯罪学)/社会学博士
ニューヨークの車両突入テロ(写真:ロイター/アフロ)

1日、アメリカ南部ニューオーリンズで、新年を祝う群衆にトラックが突っ込み、15人が死亡した。先月20日にも、ドイツ東部マグデブルクで、クリスマスマーケットの群衆に車が突っ込み、5人が死亡したばかりだった。相次ぐ「車両突入テロ」は、対岸の火事なのだろうか。

ココがポイント

米 ニューオーリンズ 車突っ込み10人死亡 テロ事件として捜査
出典:NHK NEWS WEB 2025/1/2(木)

米ニューオーリンズ トラックが群衆に突っ込む 10人死亡、約35人けが テロとして捜査
出典:日テレNEWS NNN 2025/1/2(木)

独クリスマスマーケット襲撃事件、容疑者はどんな人物か
出典:BBCニュース 2024/12/23(月)

秋葉原無差別殺傷事件で注目された車両突入テロ 「暴走車の突っ込み」から、どう身を守る?
出典:小宮信夫 2022/7/27(水)

エキスパートの補足・見解

先進国での「車両突入テロ」の続発は、秋葉原無差別殺傷事件がきっかけだったかもしれない。というのは、かつてテロの手口は、爆弾を使ったものが一般的だったが、先進国では材料調達や製造場所の監視が厳しくなり、テロ集団は(不満をため込んだ個人も)、簡単な手段を探すようになったからだ。

その結果、2016年7月のニース、同年12月のベルリン、2017年4月のストックホルム、同年6月のロンドン、同年8月のバルセロナ、同年10月のニューヨークと、暴走車テロの連鎖が広がった。

実は、日本でも、同じような背景を持つ事件は起きている。それは、「幸せ」のシンボルをターゲットにした「自爆テロ型犯罪」だ。

秋葉原事件は、秋葉原という「ゲーム・アニメの聖地」が、川崎市登戸通り魔事件は、私立カリタス小学生という「エリートの卵」が、京王線ジョーカー事件は、ハロウィーンという「歓喜の夜」がターゲットとなった。

そして、ドイツの事件は「ハッピークリスマス」、ニューオーリンズの事件は「ハッピーニューイヤー」がターゲットだ。貧富の格差が広がれば広がるほど、こうした「自爆テロ型犯罪」の危険性は高まるだろう。

立正大学教授(犯罪学)/社会学博士

日本人として初めてケンブリッジ大学大学院犯罪学研究科を修了。国連アジア極東犯罪防止研修所、法務省法務総合研究所などを経て現職。「地域安全マップ」の考案者。警察庁の安全・安心まちづくり調査研究会座長、東京都の非行防止・被害防止教育委員会座長などを歴任。代表的著作は、『写真でわかる世界の防犯 ――遺跡・デザイン・まちづくり』(小学館、全国学校図書館協議会選定図書)。NHK「クローズアップ現代」、日本テレビ「世界一受けたい授業」などテレビへの出演、新聞の取材(これまでの記事は1700件以上)、全国各地での講演も多数。公式ホームページとYouTube チャンネルは「小宮信夫の犯罪学の部屋」。

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