正月から飲んでるだけの上司に失望して、入社して1年も経たず辞めたいと言いだす若者たち
「正月も飲むんだ……」
冬休みが始まる前、正月に向けて多くの上司が親戚や昔の同窓生との飲み会を予定している、という話を聞いた。
「年末、あれだけ忘年会とかで飲んでいたのに、まだ飲むのか」
上司は上司で大変なことは分かっている。しかし上司だって将来が不安なはず。自己研鑽する時間をとる、という話をいっこうに聞かない。オフィスにいるとき以外は、飲んでいる話ばかりが聞こえてくる。
単なる飲酒の問題ではない。若手社員は上司が自己成長に関心を示さないことに、強い失望を感じている。今回は、なぜ若者たちが入社1年未満で辞めたいと考えるようになるのか、その理由を整理してみたい。若手社員の育成に悩みを抱えている経営者やマネジャーは、ぜひ最後まで読んでもらいたい。
■上司を見て「辞めたくなる」3つの理由
いつも「忙しい」「時間がない」と愚痴をこぼしている上司。
「会社はリスキリングしろと言うけれど、そんな暇はない」
そんな風に語る上司の言い分は、理解できる。しかし今回の9連休の冬休みを前に、
「今年はゆっくり休めそうだ」
「久しぶりに大学時代の友だちと旅行へ行く。存分に飲める」
などと言われると正直なところ、ガッカリする。忙しいから勉強できないのではなく、単に勉強する気がないんだな、と思えてくるのだ。
それでは、若手社員が「辞めたくなる」という理由はどんなものがあるか? 3つご紹介しよう。
(1)学習意欲のない上司の姿勢
若手社員にとって、上司は「自分も将来あんな風になれたら」と目標にする存在だ。つまりロールモデルである。しかし上司自身に学習意欲がなく、冬休みの間もお酒を飲むことばかりを楽しみにしているようでは、若者の期待は裏切られる。
「人が休んでいるときに努力するもんだ、と言っていたのに、自分はどうなんだ」
「リスキリングしなきゃ、といつも言っているのに、矛盾を感じる」
(2)キャリアパスが描けない不安
若者が不安を覚えるのは、将来のキャリアパスが見えないことだ。今、多くの若者は「3年後、5年後の自分」を描けない不安を抱えている。しかし飲んでばかりの上司には、キャリアについて相談しても適切なアドバイスをもらえない、という印象を覚える。
冬休みの過ごし方には、その人の姿勢が表れる。学習や自己啓発に時間を使う上司なら、部下も信頼を寄せただろう。
(3)上司の言動不一致
よく上司は「若者のやる気が感じられない」「もっと主体的に動いてほしい」と嘆いている。しかし上司自身の学習意欲の欠如こそが、部下のモチベーション低下を招いていることを理解すべきだ。
新しい知識やスキルを追求しない上司の姿を見ていると、言動不一致を感じるのだ。そもそも企業が「社員の成長」を理念に掲げているのに、上司の行動がその理念と一致していないし、そんな上司の姿勢に何も言及しない会社自身にも、苛立ちを覚えるのだ。
最悪の場合、会社全体への不信感にまで発展する。
■まとめ
もちろん冬休みに何をしようが、本人の勝手である。どれぐらいお酒を飲んでも、休み明けに支障がなければ問題はないだろう。しかし上司自身は学習意欲を持ち続けることは重要だ。
職場の先輩や上司に「目標としたい」と思える人物がいないことは、若者にとって致命的だ。とくに入社1~2年目は、上司の言動に強い影響を受ける時期。
若者の早期離職を防ぐには、まずは上司の意識改革が不可欠だ。そのためには仕事のみならず、自己研鑽にも一所懸命にやっている自身の背中を見せることだ。
<参考記事>