ISの最高指導者の殺害(2)
バイデン大統領は演説の中で、「今回の作戦は彼らが世界のどこに隠れようが、アメリカはテロの脅威を取り除くことができることを証明するものだ」とした上で、「世界中のテロリストに『われわれは追跡し、探し出す』という強いメッセージを送った」と語っている。強いリーダー像を演出する上では、今回のカリフの自爆は、政治的なプラスだろう。アフタニスタンからの撤退時の混乱など、外交面で批判の矢面に立たされてきた同大統領の支持率回復に僅(わず)かながら寄与するだろう。しかし2011年のオサマ・ビンラーデンの殺害が、当時のバラク・オバマ大統領の人気を一時的にしか高めなかったように、今回の効果も限定的かつ短期的だろう。
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