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沖縄の南へ熱帯擾乱が進む?3連休明けからの動向に注意を

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
低圧部などの雲(ウェザーマップ)

2つの低圧部が発生へ

天気図の変化(気象庁発表に筆者加工あり)
天気図の変化(気象庁発表に筆者加工あり)

タイトル画像や実況天気図にある通り、フィリピンの東海上で低圧部aが発生しました(アルファベットは筆者命名)。低圧部とは周囲より気圧が低く、雲の循環は認められるものの、その中心付近がハッキリとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)のことで、中心付近が推定出来るようになると、台風のたまご、熱帯低気圧に名前が変わります。

予想天気図にある通り、この低圧部aは今後西寄りに進み、フィリピン方面を指向する予想で、その後南シナ海へ進む計算が多くなっています。一方、この低圧部aのさらに東に低圧部bが発生する予想です。この低圧部bも3連休明けにかけて西寄りに進む計算となっており、沖縄の南へ発達しながら進むような気になる動向を示す計算も出ています。

熱帯擾乱は沖縄の南へ進む?

アンサンブル予報の一部抜粋(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)
アンサンブル予報の一部抜粋(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)

上図は日本のアンサンブル予報の一部を抜粋したもので、ともに15日(土)午前9時の予想を示したものです。数十通りある計算の多くが3連休明けの週末にかけてフィリピン北部付近から沖縄の南付近へ、なんらかの熱帯擾乱を進めています。

上図aのパターンは低圧部がほとんど発達せずにフィリピン方面を指向するような計算で、このようなパターンだと大きな影響がないことが考えられます。

上図bのパターンは低圧部が熱帯低気圧、あるいはギリギリ台風の勢力となる計算で、沖縄方面でも影響が出る可能性が考えられます。位置に差はあれど、この程度の勢力を予想する計算が比較的多くなっています。

一方、台風となり、さらに勢力を強めて沖縄の南へ進めるようなパターンが上図Cです。かなり少数派ではありますが、北上する位置によっては沖縄方面に大きな影響が出るおそれのある計算です。

今のところ、諸外国の計算もb程度の勢力で、フィリピン北部付近から沖縄の南付近への到達を計算しているものが多くなっています。

まだまだ予想は不確実で、このアンサンブル予報の多数派が大きく変わることもありますので、沖縄方面は、3連休明けの熱帯擾乱の動向に注意していただきたいと思います。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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