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ダブル高気圧が強まり7月早々の梅雨明けも現実味?大雨と猛暑は表裏一体

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
東京の16日間予報(ウェザーマップ)

大雨と猛暑は表裏一体

雲天気図(ウェザーマップ)
雲天気図(ウェザーマップ)

きょう24日(月)は、本州付近に梅雨前線が停滞していて、雨雲が発達している九州などでは大雨となっていますが、雨雲が弱まり、強烈な日差しが照り付けている関東周辺では気温が上昇し、猛烈な暑さとなっている所があります。このように梅雨の最盛期の時期は、南からの暖気の勢力が強くなり、大雨と猛暑は表裏一体の関係になります。

きょう24日(月)13時現在の最高気温は、千葉の牛久で36.1度と、ことし全国で一番の暑さとなっているのをはじめ、群馬の桐生や埼玉の越谷、静岡などで35度以上の猛暑日となっていて、都心でも33.4度まで上がり、ことし一番の暑さを更新しました。あす25日(火)にかけても、関東周辺では猛暑となるおそれがあり、熱中症に警戒が必要です。

一方、西日本には梅雨前線の雨雲がかかり、きょう24日(月)正午までの12時間に、宮崎県えびの高原で212.0ミリの雨量を観測するなど、九州南部では大雨となっています。今後も西日本では激しい雨の降りやすい状態が続きますので、大雨災害に、引き続き、警戒して下さい。

7月早々にダブル高気圧が強まる

ダブル高気圧の予想(ウェザーマップ)
ダブル高気圧の予想(ウェザーマップ)

夏の暑さをもたらす高気圧には2種類あり、南から張り出してくる太平洋高気圧と、もっと上層に大陸から張り出してくるチベット高気圧があります。よくダブル高気圧などとも言われますが、これらダブル高気圧に覆われると上層までしっかりとした高気圧が形成されるため、晴天猛暑が続くことが多くなります。

今後のダブル高気圧の予想をみてみると、今週末の29日(土)の段階では、まだ本州付近には勢力が及んでおらず、本州付近では梅雨前線が活動していることが予想されます。ところが来週になり、7月早々の3日(水)頃には、西日本を中心に、南や西から張り出してくる予想となっていて、西日本を中心に、夏空が広がるのではないかと予想できます。

7月早々から夏空と厳しい暑さが続く?

16日間予報(ウェザーマップ)
16日間予報(ウェザーマップ)

ウェザーマップが発表している最新の16日間予報をみると、今週は九州や四国に傘マークが並んでいて、きょう24日(月)とあす25日(火)は梅雨の晴れ間が広がる東京でも、今週後半は梅雨空が戻る予想です。引き続き、九州を中心に、大雨には警戒が必要です。

ところが、来週、7月早々には、東京をはじめ、高知、福岡、鹿児島ともに、晴れマークが並んでいて、連日33度前後の厳しい暑さが続く予想となっています。

この7月に入ってからの予報の生成には、アンサンブル予報といって、多くの計算をした中で、もっとも可能性の高い天気を計算しているもので、雨や曇りの計算も含まれているため、信頼度は低い方のDやEが並んでいる状態ですが、現在の予報では、雨や曇りよりも、晴れ間が出る確率が高い状態となっています。

その後、7月半ばにかけてのダブル高気圧の予想は、まだ不確実性が大きいため、予報変わりする可能性も考えられますが、もし来週になっても、ダブル高気圧の勢力が強く、夏空と厳しい暑さが当面続く予想となっていれば、あまりにも早すぎる梅雨明けの発表があってもおかしくない状況です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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