九州北部は梅雨末期の豪雨に警戒、来週は梅雨明け猛暑のリハーサル?それとも?
大雨条件がそろう
きょう26日(水)は梅雨前線の活動が小康状態となっていて、西日本に雨雲は広がっているものの、大雨となっている所はありません。ところがあす27日(木)には九州で再び雨が強まり、特にあさって28日(金)は、九州北部で災害級の大雨となってもおかしくない状況が予想されます。それは大雨の条件がそろってしまうためです。
タイトル画像にあるあさって28日(金)午前9時の予想天気図をみると、梅雨前線が西日本の日本海側に北上し、朝鮮半島付近には低気圧も発生する予想です。この低気圧の南側には、梅雨前線に沿うように際立った暖湿流が川の様に流れ込み、しかも低気圧の後ろ側には上空に寒気を伴った気圧の谷があるため、大気の状態が一層不安定になるとともに、上昇気流も強まるため、より雨雲が発達しやすいパターンとなります。
典型的な梅雨の最盛期、あるいは梅雨末期の大雨豪雨パターンともいえ、過去にはこのようなパターンで幾度となく、大雨や集中豪雨が発生しています。
24時間で300ミリの計算も
九州ではあす27日(木)から再び雨が強まりますが、危険な条件がそろうあさって28日(金)には一層活発な雨雲が発生するため、あさって28日(金)の24時間雨量の最大は九州北部の福岡、熊本、佐賀付近で200ミリ以上となっていて、局地的には紫色の300ミリ以上の計算値も出現しています。
警報級の大雨となるのはもちろん、雨雲の発達具合によっては、線状降水帯が発生してもおかしくない気象条件への悪化も懸念されます。気象庁から九州北部と九州南部に大雨に関する気象情報が発表されていて、今後の雨の降り方や最新情報に十分な注意、警戒が必要です。
来週は梅雨明け猛暑のリハーサル?それとも?
週末にかけては、九州を中心に大雨に警戒が必要ですが、7月がスタートする来週早々には、梅雨明けを思わせるような天気図が予想されています。上図は来週7月2日(火)の太平洋高気圧とチベット高気圧の予想ですが、南や西から本州付近へ張り出し、典型的なダブル高気圧による梅雨明け猛暑型の気圧配置となる予想です。
ただ梅雨明け猛暑型とはなるものの、梅雨明けが発表されるかは別問題で、その後も1週間程度、夏空が続く予想となれば、梅雨明けもありうるし、夏空が途絶える予想ならば、梅雨明けとはならない状況となりそうです。
関東内陸で特に猛暑になりやすい形
梅雨明けとなるか、ならないかはさておき、関東ではダブル高気圧に覆われて、山越えの西風が吹きやすいパターンとなるため、フェーン現象が起こり、特に内陸で気温の上昇が計算されています。埼玉、群馬、栃木などでは体温超えの猛暑となり、館林や佐野などでは38度位まで上がる予想となっています。熱中症に警戒が必要です。
なお、最新の計算で、関東付近では来週後半にダブル高気圧の勢力が南へ退き、梅雨前線の雨が予想される計算となっているため、来週の猛暑は、梅雨明けを思わせる猛暑ということになる可能性が高いようです。
九州や四国では梅雨明けの可能性も?
東海から九州にかけても来週は夏空と厳しい暑さが予想されています。ただ最新の計算では、名古屋や大阪などでも、来週後半にはダブル高気圧が弱まり、雨の日もある計算となっているため、関東同様、梅雨明けを思わせる夏空と厳しい暑さとなるかもしれません。
一方、高知、福岡、鹿児島など、九州や四国では、ダブル高気圧の勢力圏内に留まる可能性も一定程度あるため、平年よりかなり早い梅雨明けの発表もあり得る状況です。ダブル高気圧や梅雨前線の動向は日替わりがあるため、今後も最新の予想にご注意ください。