Yahoo!ニュース

「私たちにとってお米とは?」米騒動で見えてきた、米屋でお米を買いたくなる理由【神戸市】

Hinata J.Yoshioka旅するフォト&ライター(神戸市)

最近、お米のことがニュースでよく取り上げられていましたね。スーパーから一時、消えたこともありました。今日はそんな、私たちにとって大切な主食となるお米のお話です。

お米っていつもどこで買いますか?スーパーで買っている皆さん、「お米屋さん」をお忘れではないでしょうか。これは案外見落としがちかも。

ほとんどのお米屋さんは無料で玄関まで配達してくれます。しかも電話一本入れるだけです。今までスーパーで買って持ち運んでいたその重みから開放されますよ。

調べてみると神戸市内には幾つかのお米屋さんがあり、「まる純」さんではお米3キロ以上から配達可能、他にもお醤油やみりん、油、ビールなどもお米と一緒に配達してくれる嬉しいサービスがありました。(※配達範囲があります)

ということで早速、配達をお願いしてみることに。玄関のチャイムが鳴り、お兄さんが笑顔でお米を届けてくれました。玄関先でちょっと立ち話、気になることを聞いてみたのですが、やっぱりこのところはお米屋さんにとってかなり大変な時期だったそうです。

「今年の5月くらいから米不足だとニュースになっていて、その辺りくらいから仕入れにくくなり、7〜8月はほとんど仕入れられなかったんです。お客さんの分がこれぐらい必要と計算して確保していってたのだけど、南海トラフの件で一気にスーパーからなくなって…」

「お盆明けからは一気にバタバタで。普段は玄米で入荷していて、その都度精米して販売しているんですけど、スーパーと同じように既に精米してあるものも急遽入荷して…」そうやって、新たにやって来たお客さんのニーズにも何とか応える事ができたのだとか。

「ウチはまだ持っている方だったんですけど、もう完全にシャッターを閉めて常連さんの分だけを販売して対応されているお米屋さんもあったようですね」と。そんな裏話があったなんて、興味津々で聞いてしまいます。

丸二日間はお米の量を計算するためにも完全にお断りして、新たに仕入れ出来たものを販売したりと、とにかく大変だったそう。今はようやく落ち着きましたと、ほっとした表情で教えてくれました。

米騒動でも私たちがお米のある毎日をおくれていた裏には、お米屋さんの大変な努力があったなんて。お米が食卓にあることにホント感謝です。

「まる純」さんでは、約30種類のお米を取り扱ってるのだそう。値段もピンキリで、農薬の有無も選べます。私はチラシにもあった兵庫・但馬の「コウノトリ育むお米」(農薬不使用)の、採れたて新米を選んでみました。

これは他のお米と比べて少し高めなのですが、コウノトリの野生復帰を支える、世界中で但馬だけの農法で作られているという素敵な物語があるんです。

七分づきを5キロと、せっかく農薬不使用なので玄米を5キロ。8月の米騒動の影響で、今は値段は固定できない可能性が高いのだそうです。

全体的に上昇傾向にあるという米の値段。その都度購入の際に聞いてみて、どのお米にするかを決めるのも良いかも知れませんね。

ところで。お米には食物繊維、ビタミン、カルシウム、亜鉛、鉄などの栄養が含まれているのですが、白米にすると玄米の栄養価がほとんど失われてしまうと言われています。

とは言え、玄米より白米が好きだという人も多いですよね。そういう人におすすめなのが「七分づき」のお米。見た目と食感共に白米に近いのですが、栄養は40パーセントほど残っています。しかも甘味の層が残っているから味わいがあるのが特徴。

私たちの主食のお米。私たちの生命を繋いでいる食事内容の大部分がお米なら、そこから吸収する栄養は私たちに大きく関わってくるように思えます。

お米屋さんでは好きな具合に精米できるので「七分づき」のお米も買えます。他にも、色んなお米を少しづつ選んで試せるという量り売りの良さもあります。お米の味も時々で変わると毎日の楽しみも増えるし、何より精米したては味が違います。

さて。その後が気になったので3週間経った先日、お店に伺って現在の状況を尋ねてみました。実は10月後半の今でも仕入れに制限がかかっていて、欲しいものが入ってこないという状況なのだとか。

おそらくまたスーパーからお米がなくなることがあるだろうけど、それはいつになるかはハッキリは言えないそう。

「次に米がなくなった時に、どう対応できるか…前回はまだ8月で新米が入る前だったのでなんとかなったけど。あの時は僕らも無意識に、今まで買ってくれているお客さんの分は何とか確保せなあかんってなって」

「何で米屋で買うかって言ったら、味がいいとか、分つきができるからという理由だけかなと思っていたけど、いざという時に普段からのお客さんの物を守ろうとしたっていうのを、今回どこの店もしていたと思うんですよね。米屋で買うっていうのは、そういうことなんかなって感じたんです」

普段からお米屋さんと繋がっているということ、それは地域との繋がりでもある…そんなことを今回自分が体験して改めて思ったのだと話してくれました。

お米騒動で改めて「私たちにとってお米とは?」という問いかけが出来たことは、大きな学びだったのかも知れません。日々欠かせないものだからこそ、そのお米によって何を得ることができるのか。

7分づきのお米、試してみる価値はありそうですよ。そして栄養だけでなく、心の繋がりも大切です。地域に守られて生きる…そんな素敵な繋がりが見えた今回の米騒動。

この先々を地域に支えられ乗り越えていくためにも、ぜひお米屋さんと繋がってみてはいかがでしょうか。

情熱のお米屋「まる純」Facebook(外部リンク)

住所:兵庫県神戸市長田区西代通2-1-20

電話:078-754-8309

営業時間:09:00~19:00

定休日:日曜日

年末年始・GW・お盆 (その他の祝日は営業しています)

支払い方法:クレジットカード可能(配達でも使えます) ペイペイ・楽天ペイなど、お米券も使えます

駐車場あり

※配達範囲は神戸市長田区・兵庫区・須磨区

(垂水区・北区・西区・中央区は一部)

無農薬・農薬5割以下のお米を中心に3キロから配達

<関連記事>

旅するフォト&ライター(神戸市)

旅なしに人生は語れない、ノマド系フォトライター。国内から世界各国まであちこち歩きまわって取材する、体当たりレポートを得意とする。趣味は美味しいもの食べ歩き、料理、音楽、ダンス、ものづくり、イベント企画などなど、気になる物には何でも手を出してしまう。南国気質で、とにかくマイペースな自由人。

Hinata J.Yoshiokaの最近の記事