W杯に困る女子のための「質問力講座」
※世の女性のみに向けたコラムです。くれぐれも「男子禁制」で!
ブラジルワールドカップが幕を開け、最初の週末を迎えました。
うんざりする頃でしょう。
職場で、家庭で、はたまた友人が、彼氏が。
あらゆる男どもがサッカーに夢中すぎて。
朝の会話のつかみは「昨日の試合」から。ランチタイムにも男どもはギャーギャー言う。彼氏ときたらせっかくの週末なのにまったく予定を合わせようとせず、深夜に観戦、昼間に爆睡。
こういった被害は、以前から世界にまん延しているものです。かつてスペインには「サッカー観戦により旦那に無視された婦人の会」という集まりがあったといいます。韓国では「よく分らないから彼氏にされたくない3大トーク」の定番として次の3つが挙げられるほどです。
軍隊の話。
サッカーの話。
軍隊でサッカーをした話。
うんうん困るでしょう。ゴールはなかなか決まらないし、野球みたいに休み時間がないし。何より男どもがうるさい。
というわけで。この6月をうまくやりきるために。ずばり世の女性だけのために伝授いたします。
”サッカーが嫌いでも、ワールドカップの話題にうまく入る方法”
今日の午後からでも使える、最高のスキルです。「R〇5」よりも深い内容で切り込みます。なぜなら筆者自身が、サッカーも女性も大好きなもので。
「質問力」を高める機会に!
まずは基本コンセプトです。サッカーは難しい。嫌だ。分からない。だからこそそれを逆手に取り、この6月を女子力を高めるよい機会とするのです。具体的には……
"質問力を高める機会"
世間では、「~力(ちから/りょく)」という本が近年流行っています。「鈍感力」、「聞く力」、「断る力」。筆者は5月に集英社新書から「メッシと滅私」というサッカー本を出しましたが、同じくここから出た「悩む力」(姜尚中先生)と厳しいランキング争いを繰り広げています。宣伝失礼。
ワールドカップをぜひとも「サッカー質問力」を高める機会に。
難しくはありません。サッカー好きの男など、じつに単純なのです。
"ウンチクを語らせれば、いい気分になる”
こちらからいい質問をすれば、相手は"男のロマン"を勝手に語り出します。そこで「ふーん、知らないことを知ったわ」という態度を示せば、完全にいい気分になります。「自分の知識の範疇に相手が入ってきて、虜になっちゃった」と。ちょっとした独占欲を刺激してあげればよいのです。
言い換えるなら「語らせる力」でしょうか。
では、具体的な質問事項を。
(1)「~って聞いたけど、どうなの?」
こちらからうっすらとしたサッカーの情報を投げてみて、「相手の語りたい欲」を刺激してあげる作戦です。手っ取り早い方法でしょう。これらを質問形式で投げてみるとよいです。
・コートジボアールにはなんだかすごいFWがいるらしい
・ギリシャは守備が強い
・コロンビアに勝つのは大変(日本代表は歴史上、南米の地で南米の国と試合をして勝ったことがありません)
・本田圭佑ってFWもできる(=前回大会はこのポジションでプレー)
・長谷部誠はケガで長い間休んでいた。
ここらあたりの「日本代表の試合関連」の話題は鉄板です。この時期、「知らん」という答えは返ってきたなら……その人は決してカッコいい人ではありません。
(2)「私、この選手に興味を持った」
サッカーなんて一つも分からなくても問題はありません。実力もあり、かつ分かりやすい特長の選手をチェックしておく。もし、試合中継を一緒に見る機会があれば、ちょっとテンション高めにその選手を応援するのです。「うわーっ、ヒゲ、頑張って!」というふうに。そして聞く。「彼はどんな人なの?」と。
これによって「あなたの好きなものの領域に私も入ってあげてるのよ/入りたいと思っているのよ」ということを示します。男どもは嬉しくなってその選手について語り出すでしょう。具体的には以下の選手がよいです。
■モヒカン=ネイマール(ブラジル※写真では"立って”いませんが)
http://www.fifa.com/worldcup/players/player=314197/index.html
■アフロ/ボンバーヘッド=マルアン・フェライニ(ベルギー。香川真司のマンUのチームメイト)
http://www.fifa.com/worldcup/players/player=290902/index.html
マルセロ(ブラジル)。
http://www.fifa.com/worldcup/players/player=218284/index.html
■めちゃくちゃデカイ=キム・シヌク(韓国/196センチ)
http://www.fifa.com/worldcup/players/player=218284/index.html
■髭=ピルロ(イタリア)
http://www.fifa.com/worldcup/players/player=177876/index.html
この場合、「イケメン」はぐっとこらえ、避けていただきますよう……
(3)「よその国で試合をするって、そんなに大変なものなの?」
上の2つも難しい、というほどサッカーに関心がない場合に。
相手にロマンを語らせるためには、この質問がよいでしょう。
サッカー好きの男は「グローバルなエンターテイメントに酔っている自分」に酔っているのです。そこを刺激してあげます。
サッカーではじつに当たり前な考えながら、イマイチ日本の一般層に伝わっていないものに「ホーム&アウェー」という考え方があります。
サッカーでは大きな試合のたびに、「どこの場所で試合をするのか」にものすごくこだわる。気候、食べ物、応援の雰囲気が変わると選手の気持ちが大きく変わってしまうのです。どんなすごい技術を持ったプロでも、相手の国、あるいは自分の国以外の場所で試合をするときは委縮する。ミスする。
そこを語らせてあげます。「ねぇ そもそも」という枕詞をつけて、「知らないんだけど、知らないなりにちょっとは興味がある」という点を示しましょう。相手のウンチクが帰ってきたら、「確かに」と肯定し、ご自身の海外旅行での大変な経験をサラッと入れてあげるとvery good。あらま、サッカー好き男子⇔興味ない女子の間で立派に会話が成立します。
今日の午後からでもバッチリ使える小技です。これで少しでもサッカーに興味を持っていただきたく!
もしも上手くハマりましたら。ぜひとも発売中の拙著「メッシと滅私」でもう少し詳しい情報を。「なんでヨーロッパ・南米の人たちは強そうに見えるの」というシンプルな問いの答えがあります!