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【専門家にかかったほうがいいメンタルの限界サイン7選】を心理カウンセラーが詳しく解説します。

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

今日は、「専門家にかかったほうがいい限界サイン7選」というテーマでお話しします。

専門家にかかったほうがいい限界サイン

ひとつめは、「睡眠の質が低下する」です。
夜、寝つきが悪くなる。夜中に目が覚める。朝型、眠いのに目が覚める。朝、起きたときに体がだるい、というのは、脳やこころが弱ってきた証拠です。その状態が2週間も続くようでしたら、お早めに専門家の許をお訪ねください。

ここで、医者から処方される睡眠薬について言及します。
睡眠薬は、飲むよりも、そりゃ飲まないほうがいいに決まっているのですが、寝られなくて脳や身体を壊すよりは、睡眠薬を飲んで寝られるようになったほうがマシです。どうぞ、いたずらに、お薬を忌み嫌わないようにしてください。

ふたつめは、「食欲に異常をきたす」です。
食欲がない。何を食べても美味しくない。また、食べて食べても満腹感が得られない…という場合は、脳や心が弱ってきた証拠です。本来なら、お腹が空いたと感じる、食事が美味しいと感じる、ある程度食べたら満腹感を覚える、というのが普通です。食欲の異常が2週間も続くようでしたら、お早めに専門家の許をお訪ねください。

ところであなたは、
食事が美味しいと感じてらっしゃいますか?
食事の時間が楽しみと感じてらっしゃいますか?
実は、食事が美味しい、食事の時間が楽しいと感じるのは、とても幸せなことなのですよ。

みっつめは、「何をしても楽しいと感じない」です。
何をしても楽しくない。今まで楽しいと感じていたことも楽しくないというのは、脳や心が弱ってきた証拠です。その状態が2週間も続くようでしたら、お早めに専門家の許をお訪ねください。

ちなみにうつ病は、病識がない病気です。病識がないとは、自分が病気であるという自覚を持てないという意味です。そう、うつ病の方は、自分がうつ病であるとは思わない、気付かないのです。
もしも自分の隣人が、今まで熱心にやっていた趣味に興味を示さなくなったら、うつ病の初期症状かもしれないので、どうぞ注意深く見守っていき、専門家につなげてくださいね。

よっつめは、「理由もなく涙が出てくる」です。
特別、哀しいことがあったわけでもないのに、なんとなく涙が出てくる…というのは、うつ病の初期症状である可能性が高いです。理由もなく涙が出てくる、その状態が2週間も続く…というようでしたら、お早めに専門家の許をお訪ねください。

ちなみに私は、内因性のうつ病(心因性のうつ病ではありません)になったことがあるのですが、太陽が沈むのを見て、哀しくて哀しくて泣いたことがあります。

いつつめは、「音が気になる」です。
たとえば、今まで気にならなかった柱時計の音が気になるようになったら、それは限界サインです。他には、人が鼻をすする音が非常に気になる、人が咳ばらいをする音が気になる、駅のアナウンスの音がうるさく感じる…等々です。その状態が2週間も続くようでしたら、お早めに専門家の許をお訪ねください。

むっつめは、「ガスの元栓、電気の消し忘れ、家の戸締りが気になる」です。
今までだったら、ガスの元栓も電気を消したかどうかも、家のドアにカギをかけたかどうかも、1回確認すれば気が済んだのに、何度確認しても安心できない…となると、それは心と脳が弱っているサインです。その状態が2週間も続くようでしたら、お早めに専門家の許をお訪ねください。

ななつめは、「典型諦なうつ症状が出ている」です。
うつ症状とは、生きていて楽しくない、自分は生きる価値のない人間だと思う、死にたいと思う、身体を動かすのが億劫、集中することが出来ない、新聞も読めない、そわそわして落ち着かない、なんだかわからないけれど焦る、理由もなくイライラする、何もやる気がしない、哀しい、淋しくて仕方がない、等々です。
その状態が2週間も続くようでしたら、お早めに専門家の許をお訪ねください。

うつ病の方は、鬱々とした気分でいることが多いです。おとなしく布団で寝ていることが多いです。けれど、中にはイライラして周りに八つ当たりするなど、行動的な症状を発する人もいます。どうぞ、「性格の問題だ」等と決めつけず、また、本人は、ご自分の脳と心の健康を過信せず、お早めに専門家の許をお訪ねいただければ…と思います。

さて、この記事では、専門家という言葉を何度も使ってきました。専門家とは、精神科医のことです。心療内科医のことです。そして、精神医学に詳しいカウンセラーのことです。
占い師やコーチやスピリチュアルカウンセラーのことではありませんので、どうぞそのあたりは、お間違えのないようにお願いします。

続いて、良い医師とはどんな医師か? というお話をさせていただきます。
良い医師とは、あななたの病気を治せる医師のことです。あなたの症状にあった適切な薬を、適量出す医師のことです。あなたの悩み事に耳を傾ける医師のことではありませんので、そのあたりのことを勘違いなさらないようにお願いします。
「話を聴いて欲しい」「悩み事の相談に乗って欲しい」というのであれば、メンタルクリニックではなく、どうぞ精神医学に詳しいカウンセラーの許をお訪ねください。

続いて、精神科医が出す薬は何か? という質問にお答えします。
精神科医が出す薬は、おおざっぱに答えると、4種類です。睡眠薬、抗精神病薬、抗うつ薬、抗不安薬です。他にもまだまだあるのですが、この4種類のどれを出してどれを出さないかが、精神科医の腕の見せ所となります。

どんな名医でも、一発で、その患者の症状にあった薬を適量出すというのは、至難の業です。よって、医師は、患者に、お薬を飲ませながら、話し合いを重ねながら、患者にピッタリ合ったお薬を処方する…という格好になります。

ですから、お薬を飲むつもりがない患者さんや、飲んでもないのに「飲んだ」と答えている患者さん、飲んで体調に変化が生じたのにそれを言わない患者さんは、病院に通う意味がありません。どうぞ賢い患者さんになって、医者や薬を上手に利用していってください。

最後に、脳や心というのは、病むと、治るのに結構時間がかかるものです。数日、数週間で治るということは少ないです。数カ月単位で良くなっていくものです。よって、病院に通い始めた患者さんは、焦らず休まず諦めず、少しずつ着実に良くなっていってください。
またわからないことがありましたら、ご予約の上、精神医学に詳しいカウンセリングルームをお訪ねください。

今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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