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3度のサイクル・ヒットは史上最多タイ。すべて同じチームを相手に達成し、最後が三塁打も同じ

宇根夏樹ベースボール・ライター
クリスチャン・イェリッチ(ミルウォーキー・ブルワーズ)May 11, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月11日、クリスチャン・イェリッチ(ミルウォーキー・ブルワーズ)は、キャリア3度目のサイクル・ヒットを達成した。二塁打、ホームラン、シングル・ヒットに続き、センター・フライを挟み、三塁打を打った。

 3度のサイクル・ヒットは、史上最多タイ。1900年以降は、イェリッチが5人目だ。その前の4人は、ボブ・ミューゼルベーブ・ハーマンエイドリアン・ベルトレーに、トレイ・ターナー(現ロサンゼルス・ドジャース)。この他、19世紀には、ジョン・ライリーが3度、アメリカン・アソシエイション(2度)とナ・リーグ(1度)で達成している。

 イェリッチのサイクル・ヒットは、その前の2度、2018年8月29日と9月17日も、三塁打が最後(4種類目のヒット)だった。これは、少なくとも、1900年以降では史上初だ。それまでは、三塁打だけでなく、最後が3度とも同じ種類のヒットという選手もいなかった。ライリーについては、どの順序で4種類のヒットを打ったのか、判明しなかった。

 また、イェリッチは、3度とも、ブルワーズの選手として、シンシナティ・レッズを相手に達成している。同じチームを相手に3度は、ライリーを含めても、史上初。ターナーの場合、1度目と2度目はコロラド・ロッキーズが相手だったが、3度目はタンパベイ・レイズだ。ちなみに、ターナーは、ワシントン・ナショナルズ時代の2017年と2019年と2021年に達成している。それについては、「1年おきに「サイクル安打」を3度達成。この法則(?)が続けば、再来年に最多記録を塗り替える」で書いた。

 なお、ベルトレーのサイクル・ヒットは、3度とも球場が同じ。テキサス・レンジャーズの本拠地だった、レンジャーズ・パーク/グローブライフ・パークだ(2020年にオープンした現球場は、グローブライフ・フィールド)。シアトル・マリナーズ時代の2008年と、レンジャーズ時代の2012年と2015年に達成している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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