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1年おきに「サイクル安打」を3度達成。この法則(?)が続けば、再来年に最多記録を塗り替える

宇根夏樹ベースボール・ライター
トレイ・ターナー(ワシントン・ナショナルズ)Jun 30, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月30日、「2番・遊撃」として出場したトレイ・ターナー(ワシントン・ナショナルズ)は、1回裏にシングル・ヒット、3回裏に二塁打、4回裏にホームラン、6回裏に三塁打を打った。この日は、28歳の誕生日。6点リードしていたこともあり、7回裏の打席には立たなかったが、サイクル安打に加えて二盗も決め、ホームは4度踏んだ。

 2017年4月25日と2019年7月23日にも、ターナーはサイクル安打を達成している。1900年以降のナ・リーグとア・リーグにおいて、3度のサイクル安打は最多タイ。ボブ・ミューゼルベーブ・ハーマンエイドリアン・ベルトレーに続く4人目だ。19世紀に、アメリカン・アソシエイションで2度とナ・リーグで1度のジョン・ライリーを含めると、5人目となる。

 ここからも1年おきの達成が続けば、ターナーは2023年に最多記録を更新する。2度目の達成時に「サイクルヒットの最多記録を更新するのは確実!? 26歳にして早くも達成2度」と書いたが、再来年かどうかはともかく――もっと近々かもしれない――4度目もありそうだ。ちなみに、ミューゼルの3度は、1921年と1922年の2年連続に1928年。ハーマンは1931年の2度と1933年、ベルトレーは2008年と2012年と2015年、ライリーは1883年の2度と1890年だ。ライリーの2度目は、1度目のちょうど1週間後だった。

 現役選手では、クリスチャン・イェリッチ(ミルウォーキー・ブルワーズ)とブロック・ホルト(現テキサス・レンジャーズ)が、サイクル安打を2度達成している。イェリッチは2018年に2度。ホルトは2015年に続き、2018年のディビジョン・シリーズ第3戦で成し遂げた。ポストシーズンでサイクル安打を達成したのは、ホルトだけだ。

 ホルトが最初のサイクル安打を達成した時に、書いた記事はこちら。

サイクルヒットは三塁打で達成されることが多い。今シーズン第1号のホルトもその例に漏れず

 ホルトの2度目については、こちらで書いた。

ポストシーズン史上初のサイクルヒット。達成した一打は、野手から打ったホームラン

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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