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クラッセがリーチをかけた「最初の5シーズンに150セーブ」を達成したのはキンブレルやオスナら5人

宇根夏樹ベースボール・ライター
エマニュエル・クラッセ(クリーブランド・ガーディアンズ)Aug 25, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月25日、エマニュエル・クラッセ(クリーブランド・ガーディアンズ)は、2点リードの9回表に登板し、対戦した3人をいずれも三振に仕留めた。シーズン38セーブ目を挙げ、通算150セーブにリーチをかけた。

 652セーブのマリアーノ・リベラを筆頭に、150セーブ以上の投手は、91人を数える。ただ、クラッセは、今シーズンがメジャーリーグ5年目だ。スタッツ・センターによると、最初の5シーズンに150セーブ以上は、2010~14年に186セーブのクレイグ・キンブレル(現ボルティモア・オリオールズ)、2007~11年に160セーブのホアキム・ソリア、1999~2003年に155セーブのビリー・コッチ、2015~19年に154セーブのロベルト・オスナ(現・福岡ソフトバンク・ホークス)、2005~09年に151セーブのジョナサン・パペルボンの5人だという。

 クラッセは、この6人目となるだろう。ガーディアンズは、レギュラーシーズンが終わるまでに、あと32試合を行う。キンブレルの186セーブには届かないものの、2番目に多いソリアの160セーブを上回る可能性は、皆無ではない。今シーズンは、3月と4月に計8セーブ、5月に9セーブ、6月に8セーブ、7月も8セーブを挙げている。今月は、25日が5セーブ目だ。

 また、ここまでの149セーブは、2019年が1セーブ、2021年が24セーブ、2022年が42セーブ、2023年が44セーブ、今シーズンは38セーブ。2020年は薬物違反による出場停止で投げていないので、メジャーリーグの年数には数えない。過去2シーズンとも、両リーグで最も多くのセーブを挙げ、今シーズンは、40セーブのライアン・ヘルズリー(セントルイス・カーディナルス)に次ぐ。ア・リーグでは最多だ。リーグ2位のジョシュ・ヘイダー(ヒューストン・アストロズ)とは、10セーブの差がある。

 クラッセは、カッターをメインとし、そこにスライダーを交える。カッターの球速は、リベラやケンリー・ジャンセン(ボストン・レッドソックス)のカッターより速く、スタットキャストによると、どのシーズンも平均99マイル以上を記録している。100マイル前後のカッター、ということだ。もっとも、奪三振は多くなく、ゴロを打たせる投球を持ち味とする。今シーズンの被本塁打は、6月9日にジェイク・バーガー(マイアミ・マーリンズ)に打たれた1本しかない。

 なお、リベラは、最初の5シーズンに129セーブを挙げた。1995年にメジャーデビューした当初は先発マウンドに上がり、そのシーズンの途中からブルペンに回ったが、当時のニューヨーク・ヤンキースでは、ジョン・ウェッテランドがクローザーを務めていた。リベラがクローザーに就任したのは、ウェッテランドがFAとなってテキサス・レンジャーズへ去った後、メジャーリーグ3年目の1997年だ。

 最初の5シーズンに150セーブ以上の5人のうち、すでに選手生活を終えた3人は、ソリアが229セーブ、コッチが163セーブ、パペルボンは368セーブ。現役投手の2人は、キンブレルが440セーブ、オスナは155セーブと日本プロ野球で56セーブを挙げている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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