何個当てはまる?適応障害のセルフチェック!「なりやすい人」とは!?
こんにちは、精神科医しょうです。
「もしかして適応障害かもしれない」「適応障害ってどんな人がなりやすいの?」「適応障害の人への接し方はどうすればいいの?」など、適応障害について気になる方は多いのではないでしょうか。
適応障害とはストレスが原因で不調が現れ、その症状によって日常生活や仕事に支障をきたす病気です。
日々の生活の中で誰もが多かれ少なかれストレスを受けていると思いますが、同じシチュエーションでも反応はさまざまで、ストレスに耐えられる人・耐えられない人に分かれます。
今回の記事では、適応障害のセルフチェック方法や治療のポイントについて紹介します。
適応障害の主な症状
適応障害は明確なストレスの原因が存在し、そのストレスが引き金となって症状を発症します。
本人の置かれている環境に原因がある場合が多く、そのストレスになっている出来事から離れると症状が治ったり緩和されます。
うつ病と似たような症状がありますが、うつ病の場合はストレスから離れてもすぐに症状が良くなることはありません。
また、適応障害は憂うつな気分や不安感、倦怠感などの症状が現れ、焦りや緊張から集中力が低下して普段しないようなミスをすることがあります。
腹痛や頭痛がひどく、仕事に行けなくなることもあるでしょう。
「ミスをするのは仕事ができないから」「仕事に行けないのは甘えているから」だと自分自身でも思ってしまいがちですが、甘えではなく適応障害の症状のひとつなので、症状を繰り返しているのであれば専門医に診てもらうようにしましょう。
適応障害のセルフチェック方法
以下のような特徴や症状を持っている場合は、適応障害の場合があります。
「はい」か「いいえ」で答え、いくつ当てはまるかチェックしてみましょう。
・最近環境が大きく変わり馴染めていないと感じる
・神経質だと言われることが多い
・自分が追い込まれているときでも、人からの頼み事を断れない
・悩み事があっても相談せず一人で抱え込んでしまう
・人に頼ることが苦手で何でも自分で解決しようとする
・他人からどう評価されているのか気になってしまう
・趣味などに対して以前よりも意欲が低下している気がする
・不安感や虚無感がある
・以前よりも怒りっぽくなったり涙もろくなるなど、感情のコントロールが難しくなった
・不眠、食欲不振、倦怠感などがある
以上の特徴や症状が8割以上当てはまる場合、適応障害である可能性があります。
しかし、当てはまるからといって必ずしも適応障害とは限りません。
適応障害はうつ病にとてもよく似た症状を持っているため、症状が長く続いている場合は自分で判断せずに、専門の医療機関で診てもらうようにしましょう。
適応障害はどんな人がなりやすい?
ストレスへの対処が不得意な人
私たちは日常の中でストレスを感じると、そのストレスを発散しようとしたりうまく対処しようと行動します。
しかし、中にはストレスへの対処が不得意な人もいます。
ストレスを受けたときにどう発散していいか分からなかったり、解決への糸口が見つからずにストレスを受け続けてしまうこともあります。
ストレスへの対処が不得意な人は、総じてストレス耐性が低い人も多いです。
どんな人でも強いストレスに直面すれば、適応障害を発症する可能性はあります。
しかし、ストレス耐性が低いと普通の人よりも発症する確率が高まるのもまた事実です。
ストレスへの対処が不得意な人、ストレス耐性が低い人は適応障害になりやすいと言えるでしょう。
繊細で傷つきやすい人
他の人から見て些細な出来事だとしても、敏感に反応して傷ついてしまう人がいます。
繊細な気質を持っている人は、環境の変化にもあまり強くないため、転勤や転職、引っ越しなど大きく環境が変わる際になかなか慣れることができずに負荷がかかってしまいます。
そのような心の状態が続くと、適応障害を発症してしまう恐れがあるでしょう。
また、職場の上司にちょっとした注意を受けただけで、数日そのことについて考えてしまい気分が落ち込んでしまうこともあります。
気持ちの切り替えがなかなかできないのも、繊細で傷つきやすい人の特徴です。
悩みをひとりで抱え込んでしまう人
悩みやトラブルが発生したとしても、誰にも相談できずにひとりで抱え込んでしまう人がいます。
人に頼ることが苦手で自分ひとりで何でも解決しようとしたり、相談したくても信頼できる人や相談役に適した人が周りにおらず、もやもやとしたストレスを溜め込んでしまいがちです。
このような性格を持っている人は、うまくストレスを発散することや適切な対処法を知らないことが多いので適応障害を発症してしまう恐れがあります。
適応障害が生活に与える影響
生活面への影響
適応障害は症状によって、生活面で主に以下のような影響をきたすことがあります。
- 家事や育児を思うようにこなすことができない
- 夫や義両親、子供との関係がうまくいかない
- 引っ越しをして新しい環境や気候に適応できない
- 慢性的な病気にかかってしまい、治療によって大きなストレスや負担がかかっている
- 災害などによって日常が激変し、環境に適応することができない
仕事面への影響
適応障害を発症すると、仕事面で主に以下のような影響があります。
- 同僚や上司とうまくコミュニケーションが取れない
- 職場の環境や仕事に適応できず転職しても、転職先で同じようなことが起こり短期離職を繰り返す
- 大きなプロジェクトや責任のある役職に抜擢された場合、プレッシャーを感じていつものように仕事ができなくなる
- 仕事の内容や作業量が合わず、休みの日でも常に仕事のことばかり考えて憂鬱になってしまう
適応障害の治療のポイント
環境を調整する
適応障害はそのストレスの原因となる出来事から離れると、症状が緩和される傾向があります。
そのため、何がストレスの原因になっているのかを見極め、周りの協力を得ながら本人の置かれている環境を調整していくことが治療のポイントとなるでしょう。
仕事が原因になっているのであれば、業務量や勤務時間の調整、部署移動、場合によっては休職や転職が必要になる可能性もあります。
家庭内のストレスが原因なのであれば、家事や子育てなど役割の比重を変更する、家事代行サービスにお願いするなどの調整が必要です。
いずれにしても、すぐに環境を調整するのは難しく、ストレスの元を取り除くには時間がかかるため、環境調整と同時にストレスに対処するための方法を身につけていかなければなりません。
ストレスに対処するための能力向上
ストレスを感じやすい人は、ストレスに対しての受け止め方のパターンがあります。
このパターンや自分の考え方の癖にアプローチして、物事の捉え方を広げることでストレスの耐性を上げる方法を認知行動療法といいます。
自分自身の内面を理解することで、ストレスとの付き合い方や対処法を身につけることができます。
また、日常生活の中でストレスに感じている問題と向き合い、解決方法を考えて実際に行動することで、ストレスに対処する力を身につけることを目指します。
薬物療法
薬物による治療は症状に応じておこなわれることがありますが、適応障害の場合はストレスの原因から離れない限り症状が緩和されることはないので、あくまで対処療法として不安薬や睡眠薬などの薬物が使用されます。
適応障害の治療にはストレスの原因を探すこと、そのストレスへの対処の仕方、周りのサポートや環境はどうなっているかに主に焦点を当てるので、カウンセリングも合わせて受ける必要があるでしょう。
まとめ
自分ひとりで対応できないストレスに対しては無理にどうにかしようとせずに、周囲の人の協力を受けるようにしましょう。
自分だけの視点では見えてこなかったことも、力を借りることによって問題解決への糸口を見出すことができるかもしれません。
また、日頃から受けているストレスをうまく発散させるためにも趣味や生きがいを見つけることも大切になります。
どのように解決すればいいのか分からない場合や心身の不調を感じているのであれば、なるべくすぐに医師やカウンセラーに相談してくださいね。
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