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夏のトレードで放出されそうな、大谷翔平のチームメイトは誰!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(左から3人目)とノア・シンダーガード(右端)(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月2日のトレード・デッドラインまで、1ヵ月を切った。

 ロサンゼルス・エンジェルスは、7月7日を終え、借金8を抱えている。地区首位のヒューストン・アストロズは、遙か彼方だ。ワイルドカード3番手のトロント・ブルージェイズにも7ゲーム離されている上、その間には5チームが存在する。ブルージェイズを含め、6チームを追い抜かないと、ポストシーズンにはたどり着けない。

 2人の先発投手、ノア・シンダーガードマイケル・ロレンゼンは、どちらも1年契約なので、今オフにFAになる。エンジェルスの借金がさらに増え、ポストシーズン進出の可能性がほぼ消滅すれば、シーズンが終わるまで彼らを保有している意味は、ほとんどなくなる。来シーズン以降を踏まえ、オフを迎える前に契約を延長するなら別だが、そうしないのであれば――おそらく、そうはしないだろう――夏のトレード市場で放出して見返りを得るべきだ。

 ここまで、シンダーガードは、13登板で防御率3.84を記録している。FIPも同じ数値だ。奪三振率7.04からも窺えるように、かつてのようなハードボーラーではなくなっているものの、ローテーションの3番手か4番手として欲しがる球団はありそうだ。

 一方、ロレンゼンは、こちらも13登板で防御率4.94。FIPは4.46だ。獲得に動く球団が出てくるとすれば、長いイニングを投げることができるリリーフ投手としてではないだろうか。昨シーズンまで、ロレンゼンはリリーフ投手だった。チームの状況に応じ、先発とリリーフの両方をこなす、スウィングマンにもなり得る。

 ただ、右肩の故障により、ロレンゼンは、7月7日に故障者リストへ入った。ジ・アスレティックのブリット・ジローリらによると、MRI検査を受けるという。いずれにせよ、デッドラインまでに復帰できなければ、トレードもないはずだ。

 他には、他球団の興味をあまり惹きそうにない顔ぶれだが、リリーフ投手のアーチー・ブラッドリー、捕手のカート・スズキ、内野手のマット・ダフィージョナサン・ビヤーも、今シーズンが終わるとFAになる。このなかで需要があるのは、スズキくらいだろうか。捕手は、故障者が出た時に代役が見つけにくい。

 また、腰を痛めているダフィーは、早ければ今月半ばに戻ってこられそうだが、ブラッドリーは「乱闘の負傷者はエンジェルスに1名。マリナーズの選手に殴られたのではなく…」で書いたとおり、先月下旬に起きた乱闘の際に、右肘を骨折した。8月中に復帰できるかどうか、といったところだ。

 なお、大谷のチームメイトではなく、大谷自身も、FAになるのは来オフだが、この夏のトレードで動くことはあり得る。大谷のトレードについては、一つのプランをこちらで書いた。

「エンジェルスはトレードで大谷翔平を放出するのではなく、大谷とマイク・トラウトどちらも放出すべき!?」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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