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主な新興国経済ニュース(4月26日)

増谷栄一The US-Euro Economic File代表

ハンガリー中銀、米経済通信社の利下げ誤報を調査へ

ハンガリー中央銀行は23日、現地時間の午後2時の金融政策決定会合の結果発表の6分前に、米経済通信社ブルームバーグが利下げに関し誤った情報を市場に流したことを遺憾とする異例の声明文を発表した。

中銀はこの日に開かれた金融理事会(MC)で、市場の大方の予想通り、政策金利の2週間物預金金利を現行の5%から0.25%ポイント引き下げ、過去最低となる4.75%にすることを決定し、午後2時に正式に発表した。しかし、ハンガリー経済専門サイト、ポートフォリオによると、その6分前の午後1時54分に、ブルームバーグは、「ハンガリー中銀、主要政策金利を1%に引き下げ」というワンライナー(1行見出し)を速報で流した。この見出しはすぐにモニター画面から削除されたものの、ハンガリー通貨フォリントが一時、急落する場面が見られたという。

中銀は声明文で、ブルームバーグを名指しはしていないものの、「中銀が正式に発表する前に、ある大手通信社が政策金利決定会合に関する誤った情報を流したことは極めて遺憾だ。今後、同じ過ちを犯さないよう断固とした措置を講じるよう求める」とした上で、「誤報の直後に一時的に金融市場が混乱したことについて調査する」と述べている。

また、ハンガリーの金融監督庁(PSZAF)も24日、ブルームバーグによる誤報について調査を開始したことを明らかにした。同庁の報道官は、調査開始の決定は23日に行われ、今後、調査結果については公表するとしている。

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ロシア東部電力系統社、サハリン‐北海道間の送電プロジェクトに参加へ

ロシア極東地域の電気事業統括会社である東部電力系統社(RAO ES Vostoka)は24日、極東シベリアのハバロフスク地方と日本を結ぶ電力系統の建設プロジェクトに参加する意向を明らかにした。ロシアのプライム通信(電子版)がノーボスチ通信の報道に基づいて伝えた。

同プロジェクトは、数段階に分けて実施され、第1期工事ではサハリン島から北海道の間に電力を送る海底ケーブルを敷設する。その後、サハリンに石炭火力発電所を建設し、長期的には最大400万キロワットの電力を日本に供給するというもの。総投資額は56億ルーブル(約180億円)になると推定されている。ロシア国営電力大手インテル・ラオ・UES(Inter RAO UES)も最近、同プロジェクトへの参加を表明している。ロシア側はこのプロジェクトに対する日本側の反応を待っている段階だ。

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インドネシア食品大手インドフード傘下の2社、自社株買いへ

インドネシア食品大手インドフード・サクセス・マクムール傘下のパーム油生産会社ロンドン・スマトラ・インドネシアとサリム・イボマス・プラタマの2社は、今後1年半以内に自社株買いを実施する計画だ。ジャカルタ・グローブ(電子版)が24日に伝えた。

2社は自社株買いによって、株式価値を引き上げたい考え。23日時点で2社の株価は前年比で29%以上も値下がりしている。ロンドン・スマトラは発行済み株式の0.46%に相当する3100万株を600億ルピア(約6億円)で、また、サリムは全株式の2%に相当する3億1500万株を3500億ルピア(約35億円)で買い取る。

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インドネシアのバンク・インターナショナル、新株発行へ―インド事業拡大で

インドネシア8位の中堅銀行バンク・インターナショナル・・インドネシア(BII)はインドでの事業拡大のため、6月に新株発行を通じて、1兆5000億ルピア(約150億円)の資金調達を行う計画を進めている。ジャカルタ・グローブ(電子版)が24日に伝えた。

同行は近く、株主総会を開いて、新株発行の承認を得たい考え。同行はマレーシア金融大手メイバンクの傘下にあるが、調達した資金でインドのムンバイで事業活動を本格化するとしている。同行は2008年にインドネシア市場にシフトするため、ムンバイにあった支店を閉鎖していた。しかし、最近はインドネシアから多くの企業がムンバイに進出しているため、事業を再開するとしている。

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ベトナム金融大手アンビン銀行、IFCと戦略的パートナー関係を構築

ベトナム金融大手アンビン銀行(ABBank)はこのほど、開発途上国の民間セクターの活動を支援する世界銀行傘下の国際金融公社(IFC)と戦略的パートナーシップの契約を結ぶことで合意した。合意に基づいて、IFCはアンビン銀行の転換社債を購入して、同行の増資後の発行済み株式の10%を取得した。

この結果、アンビン銀行の資本金は4兆2000億ドン(約200億円)から4兆8000億ドン(約230億円)となっている。同行はIFC以外でもマレーシア金融大手メイバンク(アンビン銀行への出資比率20.04%)とも戦略的提携関係を結んでいる。

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フィッチ:ブラジルの銀行、利上げ転換で中期的リスクに直面する

米英大手信用格付け会社フィッチ・レーティングスは24日、ブラジル中央銀行が約2年ぶりに利上げに転換したことについて、今後、中銀の利上げが継続すれば、国内の銀行は借り入れコストが上昇し、また、貸出債権の健全化も長引いて中期的なリスクに直面する可能性がある、との見解を明らかにした。

中銀は今月17日の金融政策決定委員会で、最近の急激なインフレリスクの悪化に対処するため、政策金利(セリック)である翌日物金利誘導目標を0.25%ポイント引き上げて7.5%にすることを6対2の賛成多数で決めている。

フィッチは、「今回の利上げ転換は、短期的には銀行の収益性にそれほど深刻な影響は及ぼさない」としているが、「家計債務の増加や低成長を考慮すると、借り入れコストの上昇で銀行の利益率が悪化する可能性があることから、慎重に見守る必要がある」と指摘している。また、フィッチは、今回の利上げについて、「インフレを抑制する手段として、利上げサイクルの始まり」と見ている。 (了)

The US-Euro Economic File代表

英字紙ジャパン・タイムズや日経新聞、米経済通信社ブリッジニュース、米ダウ・ジョーンズ、AFX通信社、トムソン・ファイナンシャル(現在のトムソン・ロイター)など日米のメディアで経済報道に従事。NYやワシントン、ロンドンに駐在し、日米欧の経済ニュースをカバー。毎日新聞の週刊誌「エコノミスト」に23年3月まで15年間執筆、現在は金融情報サイト「ウエルスアドバイザー」(旧モーニングスター)で執筆中。著書は「昭和小史・北炭夕張炭鉱の悲劇」(彩流社)や「アメリカ社会を動かすマネー:9つの論考」(三和書籍)など。

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