「アメリカには横手投げ」韓国が伝統の投手起用で日本との1位対決を目指す【東京五輪・野球】
東京オリンピック(五輪)野球、29日のイスラエルとの初戦に6-5で延長10回サヨナラ勝ちした韓国は、31日(土)19時にアメリカ合衆国と対戦する。そのアメリカも30日にイスラエルに勝利し、韓国とは1勝同士。勝った方が予選B組の1位となる。
韓国の先発投手は29歳のコ・ヨンピョ(KT)が予告されている。コ・ヨンピョは軍服務を経て、今季3シーズンぶりにリーグ復帰。先発として7勝4敗、防御率3.87を記録している右のサイドスロー投手だ。130キロ台中盤の直球と110キロ台のチェンジアップ、カーブを中心にゴロを打たせて好投を重ねてきた。四球が少ないのも特徴だ。
韓国は国際大会の投手陣に横手または下手投げを含めるというのが定番になっている。「アメリカ、中南米のチームはサイド、アンダースローに慣れていない」という認識が根強くあるからだ。
2000年のシドニー五輪ではチーム唯一のアマチュア(大学生)選手だった、下手投げのチョン・デヒョン(慶熙大)がアメリカ戦に2度先発し好投。そのチョン・デヒョンはプロ入り後にリリーフ投手として活躍し、09年北京五輪ではキューバとの決勝戦でゲームを締めて胴上げ投手になっている。
また19年のプレミア12でもアンダースローのパク・チョンフン(現SSG)がキューバ戦、メキシコに先発。いずれもチームを勝利に導いた。東京五輪でもパク・チョンフンの代表入りが予想されたが、右ひじ手術のため戦線を離脱。今季活躍を見せるコ・ヨンピョに白羽の矢が立った。
コ・ヨンピョは今季14度の先発登板で6イニング以上を投げて自責点を3点以下に抑える「クオリティースタート(QS)」がリーグ3位の12試合。韓国人投手では唯一の2ケタQSを記録している。しかし五輪では長いイニングを投げるというよりも、早い回での継投が予想される。
キム・ギョンムン監督はイスラエル戦でも3回2失点の先発ウォン・テインが、4回の先頭打者にヒットを許すとすぐに2番手にスイッチした。
キム監督は5~6月にアメリカ・フロリダ州に出向き、アメリカ大陸予選を視察。1位で五輪出場を決めたアメリカを「メジャーリーグの選手がいないとはいえ侮れない」と語っている。
以前に比べて米、アジア球界の選手の往来が活発になり、米系打者にとって横手、下手投げ投手が珍しい存在ではなくなっている。だが打者一巡程度であればその起用が功を奏する可能性はあるだろう。
アメリカ-韓国戦の勝者は8月2日(月)19時にA組1位の日本と対戦、敗者は1日(日)の19時にA組2位・ドミニカ共和国と対戦する。
アメリカ-韓国戦は民放テレビ局によるインターネットでのオリンピック公式競技動画配信サイト「gorin.jp」で生中継を予定。PC、スマートフォンで視聴が可能だ(実況なし、現場音声のみ)。
⇒ 野球 オープニングラウンド - グループB 韓国vs米国(gorin.jp)
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