【京都府長岡京市】世界の竹あかりプロジェクトに地元中学生たちが挑戦 放置竹林で竹を伐採し社会貢献!
2021年の夏、コロナ退散や平和への願いを込め、日本中のふるさと、世界6ヵ国、全70箇所以上で一斉に点灯された世界最大の竹あかりの祭典「みんなの想火」。京都では、「地域を想い灯るあかりで地域を越えた繋がりをつくる、みんなの想火 プロジェクト」京都実行委員会(大森勇志実行委員長)によって、京都市の新京極商店街などで開催されました。
その優しく煌びやかに灯された聖なる灯りの鮮明な映像を覚えておられる方も多い筈です。2022年は続くコロナ禍の完全退散やウクライナ情勢などもあるなか、平和への願いを込めて9月18日(日)に「みんなの想火」が世界と日本、京都を結んで開催されます。その壮大なプロジェクトの竹あかりづくりに、同実行委員会と共同で、長岡京市立長岡第3中学校の2年生たち192人が挑んでいます。
2022年6月2日に行われた同中学校2年生の学年集会には、「みんなの想火 プロジェクト」京都実行委員会の大森勇志代表や竹垣職人で、京もの認定工芸士でもある長岡銘竹株式会社の真下彰宏さんら実行委員会メンバーが参加してプレゼンテーション。真下さんは同校のOBでもあります。京都西山地域での放置竹林の現状やSDGsの一環としての「みんなの想火」の取り組みなどについて映像を交えて詳しく紹介しました。
同実行委員会は、自分たちのまちは自分たちで灯す、竹あかりを通じて京都を笑顔であふれる街にしたいとの思いから、「竹あかりづくり」「放置竹林の整備」「竹炭の商品化」「堆肥」の循環などとともに、JR長岡京駅前のイルミネーションを始め、京都の商店街などに竹あかりを飾り、地域の人たちを元気にする活動などに取り組んできました。
同校学年主任の森山結城教諭は、「総合学習の一環として、竹の里として知られる地元で、竹を通じて社会貢献活動をしている大人の人たちの生き方にふれてもらうことは、生徒たちの自己形成に大きな後押しとなります。素敵な出会いに感謝しています」と語ってくださいました。
6月9日には、長岡京市奥海印寺の走田神社の裏側にあたり、乙訓景観十景にも選別されている奥海印寺竹林の小径の放置竹林で、5班に分かれて、NPO法人竹の学校の人たちの指導の下、実際に竹の間伐や竹チップへの粉砕作業、竹あかりに使う竹の切り出しに挑戦しました。
同会の稲岡利春理事長から、「面積の20%を占める竹林がある長岡京でも、竹の子産業だけでは生計が維持できないため、高齢化が進んでいることや、その中でも、藁しき、土いれ、しんどめといった京の伝統技法を守り続けている」ことなどが赤裸々に語られ、生徒たちも熱心に聞き入っていました。
「ぶい~んバサッ」と根元を切った竹を足で押し倒すと飛ぶように力強くしります。「周りに気を付けて慎重に」と声かけが。一同がすさまじいほどの竹の力に驚かされました。最後に挨拶をした同校の2年生、班長のけんたろうさんは、「思ったより竹が重かったり、カミキリムシの黄色い死骸が出てくるなど、初めての体験ができました。楽しかったです」と話していました。
切り出した竹を全員でバスに運んで学校に持ち帰りました。この竹が、今度は生徒たちの若い感性で、日本のふるさとと世界を結ぶ幻想の竹あかりに生まれ変わります。楽しみですね!
写真はすべて、学校、親御さん、関係者の掲載許可済みです。
長岡京市立長岡第3中学校 長岡京市勝竜寺28−1