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【京都市下京区】さあいよいよ7月1日から災厄を払う神事、祇園祭が始まります 絢爛豪華な屏風祭の風習も

HOTSUU地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)
2019年 (株)新潮社撮影 株式会社フージャースホールディングス提供

 祇園祭の「飲食を伴うプレミアム観覧席」に対し、八坂神社の野村明義宮司が「山鉾巡行は神事であってショーではない」として、京都市観光協会の理事を辞任する意向を伝えていることなどが各種メディアで報道されていますね。祇園祭とは、京都・八坂神社で例年7月1日〜31日まで1ヶ月にわたって行われる神事です。

2023年7月1日 八坂神社
2023年7月1日 八坂神社

 元々祇園祭は、平安時代前期の869(貞観11)年に行なわれた「御霊会(ごりょうえ)」です。御霊会とは、亡くなった人の魂を鎮め、災厄を払う儀式のこと。当時、京の都では疫病が流行し、天災も頻繁に起こっていました。当時の人々は中央政界で時の為政者に政争で追われ無念の内に没した人たちの怨霊が悪行を成すと考えていたといわれます。

2023年の山鉾巡行
2023年の山鉾巡行

 そこで当時の平安京の国の数である66本の鉾を神泉苑に立て、祇園社(現在の八坂神社)から天皇の庭としての神泉苑に神輿を送り、御霊会を行ったのが祇園祭の発祥とされています。その後、氏子地域が鉾を持ち、街中を巡回するようになったのが、現在行われている山鉾巡行の原型と伝承され、氏子地域の町衆の人たちの並々ならない努力によって伝統が今日まで継承されてきました。

「源氏物語図屏風」株式会社フージャースホールディングス提供 
「源氏物語図屏風」株式会社フージャースホールディングス提供 

 さて、祇園祭の宵山期間に旧家が屏風などの美術品や調度品等を一般公開する習わし「屏風祭」もいつの頃からか始まりました。現在も毎年20箇所ほどで開催されていて、先祖代々受け継がれた品々を見たり、伝統文化を体験したりすることができます。

「琴棋書画之図屏風」(右隻)株式会社フージャースホールディングス提供 
「琴棋書画之図屏風」(右隻)株式会社フージャースホールディングス提供 

 新町通仏光寺の山鉾町、ちょうど船鉾が建てられる西側にある代々、呉服商を営んできた京都市指定有形文化財「長江家住宅」は、職住一体の典型的な京町家の佇まいを今も受け継いでいることにより、6棟が「京都市指定有形文化財」の指定を受けています。祇園祭の宵山期間(7月14日から16日)に不動産事業を展開する会社フージャースグループが主催し、長江家旧蔵品を所有する立命館大学と産学連携して屏風祭を行い、特別公開します。

 株式会社フージャースホールディングス提供 
 株式会社フージャースホールディングス提供 

 また、立命館大学では、学部2回生と大学院修士課程の大学院生を対象に、屏風祭の企画運営を補助する授業を実施しています。学生は現地で展示解説も行います。今年は「源氏物語」などの平安文学をテーマに 屏風や掛け軸など約25点が特別公開されます。開催概要は以下の通り。

 ■「特別公開 屏風祭」主な展示品
平安文学をテーマに、約25点の展示を行います。
【屏風】
「琴棋書画之図屏風」岸連山 江戸時代後期 六曲一双(写真1)
「源氏物語図屏風」作者不明 昭和時代初期 六曲一隻(写真2)※
「松に千鳥」 桑山玉州 江戸時代中期 二曲一隻 「嵐山の図」長谷川玉峯 江戸時代後期 六曲一隻 ※元々は一双だったものの一つ
【掛け軸】
「祇園会弦召」羽田月州 明治時代 「御詠歌」近衛右大臣忠煕
 ■「特別公開 屏風祭」開催概要
 2024年7月14日(日)から16日(火)
 14日(日) 、15日(月・祝) 午前10時から午後7時迄(午後6時30分受付終了)
 16日(火) 午前10時から午後8時迄(午後7時30分受付終了)
 一般1,000円 ※ポストカード等ノベルティ付き 小中学生 300円 未就学児、身障者 無料
 長江家住宅 主屋南棟 京都市下京区新町通仏光寺上ル394(船鉾の前・西側)
 主催 株式会社フージャースホールディングス 共催 立命館大学アート・リサーチセンター

 祇園祭へお越しの際はぜひお立ち寄りください!

地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

「YAHOO!ニュース ベストエキスパート2024 地域クリエーター部門 特別賞」を受賞 京都をこよなく愛する地域ニュースサイト号外NETの京都市担当タウンクライヤ―です。京都西山郷土史研究家。FMおとくに86.2Radio BoozeK 「京都西山サイコー」パーソナリティー。四国から大阪の元地方紙記者。京都の観光ガイドをしながら京都時空観光案内2025(観光ガイドのための京都案内マニュアル)全23巻や「やさぐれ坊主京を創る・前田玄以の生涯」(京都文学賞一次審査通過)、「桂女恋唄・京都西山山麓西岡36人衆の物語」をはじめ、京都を題材にした小説なども執筆しています。竹の街京都から発信します。

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