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「ハフハフしながら口いっぱい頬張って」 桜井日奈子が『ごほうびごはん』で食べっぷりがおいしそうすぎる

斉藤貴志芸能ライター/編集者
(C)「ごほうびごはん」製作委員会2021

1週間頑張った自分へのごほうびで、様々なごちそうを楽しむ。そんな社会人1年生を描くドラマ『ごほうびごはん』に、桜井日奈子が主演している。グルメドラマは初挑戦だが、カレー、ハンバーガー、焼鳥、餃子……と食していくのが実においしそうで、観ているだけで幸せな気持ちになる。これまでのグルメドラマの中でも出色。素で味わっているのか、飯テロ演技の極意を掴んだのか?

『孤独のグルメ』などを観て研究しました

――『ごほうびごはん』(BSテレ東)で演じている池田咲子は、長野から上京して文房具メーカーに勤める新社会人。原作マンガのままメガネを掛けていますが、日奈子さんは普段メガネは?

桜井 お仕事をしているときはコンタクトを使ってますけど、家でお風呂から上がったら、メガネをしていて。そのメガネが咲子が掛けているのと、ほぼ同じなんです(笑)。だから、「いつもの私だな」と思っていました。

――グルメドラマは自分で観てました?

桜井 はい。『孤独のグルメ』や『ワカコ酒』とか『忘却のサチコ』とか好きでした。

――自分も出たかったと?

桜井 それはありました。私も普段から「おいしそうに食べるね」と言われていたので。撮影ではおいしいものをお腹いっぱい食べて、現場以外でごはんが要らなくて、家に帰って寝るだけ(笑)。コロナ禍でスタッフさんとシェアできなくて、私がおいしそうに食べているのを、皆さんが羨ましそうに見ている感じでした(笑)。

――確かに1話から、伊勢海老カレーやハンバーガーを食べる日奈子さんが本当においしそうで、観ているだけで顔がほころびました。あれは素ですか? おいしそうに見える食べ方の研究をしたんですか?

桜井 研究はしました。テレ東さんのグルメドラマを観返して、「口いっぱいに頬張ったほうがおいしく見えるな」とか。『孤独のグルメ』の松重(豊)さんはあまり大きなリアクションをされないのに、なんであんなにおいしそうに見えるのか、ずっと不思議だったんです。改めて観て、夢中になってモリモリ食べているところにそそられるんだろうなと、ヒントをいただきました。

(C)「ごほうびごはん」製作委員会2021
(C)「ごほうびごはん」製作委員会2021

胃袋の限界を何度も突破しました(笑)

――自分で撮影しながら掴んだコツもありました?

桜井 ハフハフしながら食べるとおいしそうだなと(笑)、自分で映像を観て思いました。湯気もポイントのひとつなので、やけどを恐れず一生懸命食べました。あと、卵黄をたっぷり使うと何でもおいしそうに見えて、神でしたね(笑)。

――料理によって、おいしそうに見せるのが難しいことも?

桜井 私はよく口の周りにソースとかを付けてしまうんです。そうするとNGになるから、口の周りに付けないようにしながら、口いっぱいに頬張るのは苦戦しました。特にハンバーガーはボリュームがあるので、大きく口を開くとソースが付きがちだったり。フルーツサンドのクリームも手ごわかったです。逆に、焼鳥は食べやすかったですね。

――撮影ではかなりの量を食べたそうですね。

桜井 何度も胃袋の限界を突破しました(笑)。1話のクランクインの日に、張り切ってハンバーガーを2個半食べたり。そのお店で一番こってりしたハンバーガーだったので、ズドンときました(笑)。でも、出てくるごはんはどれもおいしくて、お腹いっぱい食べられるのは幸せでした。

――普段も大食いなほうですか?

桜井 本当はモリモリ食べたいんですけど、体型管理で節制をしないといけなくて。食べようと思えば食べられるけど食べない、というところです。

出演が決まってから家で毎日料理をするように

――日奈子さんは行きつけのごはん屋さんはあるんですか?

桜井 定食屋さんが大好きです! 私はお魚が好きなので、サバの定食を食べます。おいしいですよね。

――女優さんにしては庶民的な(笑)。自分のごほうびごはんは「お寿司とハイボール」とのコメントもありました。

桜井 19歳で上京したとき、自分の好きなものを食べられるということで、近所の回転寿司屋さんに1人で入って。そこで穴子のにぎりをおいしいなと思って以来、お寿司はずっと好きです。ハイボールを好きになったのは、わりと最近だった気がします。

――今はもう、回る寿司屋さんには行かなくなりました?

桜井 全然行きます! 何なら、回るお寿司の大きいネタが好きです(笑)。

――咲子みたいに自分で料理をすることも?

桜井 YouTubeの動画を観ながらだったら作れますけど、冷蔵庫のあり合わせのものでパパッと……みたいなことはできません。

――1話でカレーを作ったときは、玉ねぎや生姜をみじん切りにしたりしてました。

桜井 手元は全部、自分でやっています。フードコーディネーターさんに手順を教えていただいていて、自炊も何だかんだしているので、そこは苦戦しませんでした。

――特に練習はしなくても。

桜井 練習はしていません。ただ、この作品の出演が決まってから、毎日家で料理はしていました。

(C)「ごほうびごはん」製作委員会2021
(C)「ごほうびごはん」製作委員会2021

上京したてで空回りするのはわかります

――新社会人の役は初めてでしたっけ?

桜井 去年、テレ東さんで『ふろがーる!』をやらせていただいたとき、いちおうOL役でしたけど、オフィスのシーンはなくて。会社で働く役は今回が初めてで、ドキドキしました。

――日奈子さんは会社勤めは経験なくても、岡山から上京した頃の気持ちは思い出しました?

桜井 そうですね。咲子が何をどうしたらいいのかわからなくて、気持ちばかり先走って空回りするようなシーンとか、「わかるな」と思いながらやっていました。

――女優の仕事でも、慣れないことで疲れたりはしていたと。

桜井 上京したての頃はバラエティが怖くて、できるだけ出たくありませんでした。はじめましての方とお仕事するだけで気を張るので、1日1日を乗り越えるのに一生懸命でした。

――今はバラエティは得意なようですね。

桜井 得意ではないですけど、好きです。もともと自分でよく観ていて、笑ってもらうことが楽しいので、求められるならいつでも出たいです。

(C)「ごほうびごはん」製作委員会2021
(C)「ごほうびごはん」製作委員会2021

演技で恥ずかしいことはありません

――咲子は食べるシーン以外でも、表情とか動きとか、いい意味でマンガっぽくて面白いです。

桜井 原作は意識していたと思います。メガネやOLさんっぽい衣装から、雰囲気を出せたところもあります。監督からは「咲子はフワフワしている、おっとりした女の子だから」という演出を何回かされました。

――『ふろがーる!』に続いて、コミカル演技が強化された感じでは?

桜井 でも、そういう演出には初めの頃から躊躇はありませんでした。コミカルな作品というと、最初は『ういらぶ。』だったと思いますけど、そのときから、監督に言われたことは「はい、やります!」と。恥ずかしがることはなかったです。コメディは好きですから。

――そうした作品は演じ甲斐もありますか?

桜井 はい。『ふろがーる!』は登場人物が極端に少なくて、1人でお風呂に向き合うような作品だったのが新しかったです。『ごほうびごはん』もすずめ文具堂の5~6人でやっていて、1話の半分以上が食べているシーン。突き詰めるところはありました。

ホラーやサスペンスも観ないとダメだなと

――『ごほうびごはん』が放送される土曜日の深夜は、何をしていることが多いですか?

桜井 お笑い番組か配信の映画を観ています。映画は邦画が好きなんですけど、最近は洋画も観るようになって。『レミニセンス』は映画館に観に行きました。

――ヒュー・ジャックマンが記憶に潜入するエージェントを演じたSFサスペンスですね。

桜井 普段はコメディやラブストーリーやヒューマンドラマが好きで、サスペンスやホラーはあまり観なかったんです。でも、そういう作品にも挑戦したいので、観ておかないとダメだなと思って、おすすめに出てきたものを観るようにしています。

――怖がりなわけではなくて?

桜井 めちゃめちゃ怖がりです(笑)。家に全面が鏡みたいな部屋があって、夜になると怖いので、ホラーはなかなか観られません。もう「ドゥーン」みたいな音だけでもイヤですけど(笑)、勉強のために観ています。

インセント提供
インセント提供

1人で「お疲れ」と乾杯しました

――芸能界は土・日とか関係ないところがあって、咲子みたいな「1週間のごほうび」という感覚は持ちにくかったりしません?

桜井 そういう単位でのごほうびは、あまり考えないですね。「この作品がオールアップしたら」とか「大変なバラエティの撮影を乗り越えたら」とか、仕事の終わりで区切るかもしれません。

――最近だと、どんなときに自分にごほうびをあげました?

桜井 『ごほうびごはん』がオールアップしたときですね。頑張ったなと思ったので、ハイボールを飲んで、1人で「お疲れ」って乾杯しました。

――ごほうびにはお酒も付きものですか?

桜井 ビールやワインのおいしさはまだわかっていません。ジャパニーズウイスキーは好きで、常備しています。

ハイブランドよりごはんと思ってしまって(笑)

――食以外のごほうびもありますか?

桜井 やっぱり食になっちゃうんですよね。本当はバッグとか靴とか、ファッションに向けられたらいいなと思うんですけど、向きません(笑)。現場で他の女優さんがオシャレだったりすると、素敵だなと思うし、今流行っているものは何だろうと、追い掛ける気持ちはあるんです。でも、どうしても現場に来て、すぐ衣装に着替えるので、「まあ、いいか」となってしまって。良くないと思いつつ、いつも3日に1回、ローテーションしている服を着ています(笑)。

――ハイブランドには行かないんですか?

桜井 行くべき年齢になってきたとは思うんです。まだ早いと言う人もいるかもしれませんけど、芸能界は憧れる方が多い世界ですから、オシャレにしているべきだなと。でも、ハイブランドを買うなら、おいしいごはんを食べたいと思ってしまうんですよね(笑)。

――では、今はやっぱり食欲の秋?

桜井 食欲の秋を満喫したいところですけど、次の作品に向けて絞らないといけないので、運動の秋にしようと思っています。『ごほうびごはん』でいい思いをいっぱいした分、ガシガシ動きます!

(C)「ごほうびごはん」製作委員会2021
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Profile

桜井日奈子(さくらい・ひなこ)

1997年4月2日生まれ、岡山県出身。

2014年に「岡山美少女・美人コンテスト」にて美少女グランプリを受賞。2016年に舞台『それいゆ』で女優デビュー。主な出演作は、ドラマ『僕の初恋をキミに捧ぐ』、『ヤヌスの鏡』、『ふろがーる!』、『マイルノビッチ』、映画『ママレード・ボーイ』、『ういらぶ。』、『殺さない彼と死なない彼女』など。『ごほうびごはん』(BSテレ東)に出演中。『沼にハマってきいてみた』(NHK Eテレ)で月曜MC。

真夜中ドラマ『ごほうびごはん』

BSテレ東/土曜24:00~ テレビ大阪/土曜24:56~

公式HP

(C)「ごほうびごはん」製作委員会2021
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『ごほうびごはん』記者会見より
『ごほうびごはん』記者会見より

芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

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