富士山麓電気鉄道 富士急行線 1000系1001号編成が定期運用から引退
12月15日(日)、山梨県を走る富士急行線で30年に渡って活躍してきた1000系の1001号編成が引退した。1000系は、3100形(自社発注車)・5700形(元小田急2200形など)の置き換えを目的として、平成6(1994)年2月から平成8(1996)年7月に、2両編成9本18両が導入された車両で、JR205系を譲り受けた6000系の導入までは富士急行線の主力車両であった。ロングシートの1000形と転換クロスシートの1200形があり、1000形が2本、1200形が7本と、1200形の方が多かった。
1000系の種車は京王帝都電鉄(現:京王電鉄)5000系で、昭和41(1966)年から昭和44(1969)年にかけて製造されたものだ。京王と富士急では軌間が異なることから、台車と主電動機は営団(現:東京メトロ)日比谷線3000系のものを転用している。
1001号編成の種車は昭和41(1966)年12月に日本車輛で製造された京王デハ5113+クハ5863で、平成24(2012)年10月に京王時代の塗装が復元された際に車番の切り文字も再現されている。京王塗装になる以前は、昭和20年代の富士山麓電気鉄道を再現した茶色とクリームのツートンカラーを纏っていた。
往年の名車・京王5000系の姿を完全再現した1001号編成は、1000系の他の編成が6000系に置き換えられて引退する中、1205号編成「富士登山電車」とともに最後まで残り続けたが、製造から58年、富士急への入線から30年となる今年、ついに長年の活躍に終止符を打つこととなった。
1001号編成の引退により、1000系は1205号編成「富士登山電車」を残すのみとなったが、こちらも車齢は高く、今後の去就が注目される。また、先に引退した1206号編成は静岡県の岳南電車に譲渡されて9000形として現役で、こちらも併せて注目したいところだ。
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