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オートバイのあれこれ『キング・ケニーと黄色いヤマハ。』

Rotti.モトエンスー(moto enthusiast)

全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。

今日は『キング・ケニーと黄色いヤマハ。』をテーマにお送りします。

「ヤマハのレーシングマシンの色は?」と聞かれて、何と答えるでしょうか。

近年のMotoGP等から判断すると、青色ということになるでしょう。

▲ヤマハの現行GPマシン・YZR-M1〈2024/画像引用元:ヤマハ発動機〉
▲ヤマハの現行GPマシン・YZR-M1〈2024/画像引用元:ヤマハ発動機〉

しかし歴史を遡ると、ヤマハは昔から青を使っていたわけではありません。

世界グランプリがまだ「WGP」と称されていた90年代以前には(スポンサーカラーの影響もありますが)、ヤマハは白×赤の2トーンカラーを主に使用していました。

80年代のWGPで活躍したエディ・ローソン氏や、90年代初めに活躍したウェイン・レイニー氏が白×赤の『YZR500』を駆っていたことを、よく覚えているレースファンの人も少なくないのではないでしょうか。

▲紅白カラーのYZR500を駆るレイニー〈1991/画像引用元:ヤマハ発動機〉
▲紅白カラーのYZR500を駆るレイニー〈1991/画像引用元:ヤマハ発動機〉

ただ、今回フォーカスしたいのは白×赤2トーンではありません。

ヤマハのレーシングヒストリーにとって、この白×赤と同じくらい栄誉ある『USインターカラー』に注目したいと思います!

▲USインターカラーの1978年型YZR500。ケニー・ロバーツが世界王者を獲った車両だ
▲USインターカラーの1978年型YZR500。ケニー・ロバーツが世界王者を獲った車両だ

どうでしょう、「見たことある!」という人も多いのではないでしょうか。

この黄色と黒色の2トーンが「USインターカラー」と呼ばれたカラーリングになります。

ヤマハは日本およびヨーロッパにおいては基本的に白×赤2トーンを採用していたのですが、USヤマハ(ヤマハの北米法人)が独自に黄色と黒色を用いたレーシングカラーを考案。

アメリカ国内のレースに出場するヤマハ車は、日本や欧州とは違いこの蜂のようなカラーをまとっていました。

(「US」はもちろん、「USA」から取ったものですね)

▲“黄色いヤマハ”で世界を席巻したロバーツ〈画像引用元:ヤマハ発動機〉
▲“黄色いヤマハ”で世界を席巻したロバーツ〈画像引用元:ヤマハ発動機〉

そしてこのUSインターカラーを全世界へ知らしめたのが、「キング・ケニー」ことケニー・ロバーツ氏でした。

ロバーツ氏は1978年(昭和53年)にUSインターカラーのYZR500を駆りWGPを制覇、そのまま79年・80年と、3年連続でWGPのチャンピオンとなったのです。

世界最高峰の舞台でこれだけの大活躍をすれば、その色が有名にならないわけがありません。

本来のヤマハカラーとは全く異なるにもかかわらず、USインターカラーはロバーツ氏の偉業によって一躍ヤマハを代表する歴史的カラーリングとなったのでした。

モトエンスー(moto enthusiast)

バイクを楽しむライター。バイク歴15年で乗り継いだ愛車は10台以上。ツーリング/モータースポーツ、オンロード/オフロード、最新バイク/絶版バイク問わず、バイクにまつわることは全部好き。

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