千葉県のいすみ鉄道で脱線事故 鳥塚社長退任後、SNS上での「保線不備で事故発生」心配の声が現実に…
2024年10月4日午前8時10分ごろ、千葉県いすみ市の大原駅と大多喜町の上総中野駅を結ぶいすみ鉄道で脱線事故が発生した。2両編成の列車には県立大多喜高校の生徒ら104名と運転士1名が乗車していたというが、けが人はなかったという。事故のあった4日は運転見合わせとなり、5日も運転再開のめどは立っていないといい、バスによる代行輸送が行われる。
地元紙の報道によると、事故発生から3時間後には、国の運輸安全委員会により派遣された事故調査官が現地に到着したといい、進行方向左側のレールが外側に傾いていたことが判明している。
いすみ鉄道は旧国鉄の特定地方交通線を1988年に第三セクター鉄道に転換した鉄道路線で、開業以来、慢性的な赤字に悩まされていたが、2009年に鉄道ファンである鳥塚亮氏が社長に就任。その後、さまざまな観光施策が話題となり、全国区の知名度を誇る鉄道会社となった。
2010年には、訓練費700万円を自己負担することを条件に鉄道車両の運転免許を取得できるという運転士採用プランを発表し話題となったほか、2011年にはJR西日本の大糸線で使用されていた国鉄型気動車のキハ52形を導入し「観光急行列車」として運行。さらに2013年にはJR西日本の高山本線で使用されていたキハ28形気動車も導入し「観光急行列車」は2両編成となり大きな話題を呼んだ。
しかし、鳥塚社長が退任した2018年以降は、2022年頃から保線の不備などがX(旧ツイッター)上で指摘されるようになり、線路を固定する犬釘が抜けている画像などがアップされ、事故の発生を懸念する声もあがっていた。
【2024年10月8日追記】
いすみ鉄道株式会社は、2023年1月25日付で国土交通省関東運輸局より保線不備に関する行政指導を受けています。
https://www.mlit.go.jp/nega-inf/cgi-bin/search.cgi?jigyoubunya=tetudou&EID=search&no=42
(了)