福井県は伊勢屋さんの代名詞「葛饅頭」湧き水と熊川葛を操る熟練した技で楽しむ葛の神髄
福井県小浜市に本店を構える「伊勢屋」さんは、創業190年を超える老舗の和菓子屋さん。店頭にはどら焼きや季節の和菓子が並びますが、ぱっとめを引くのはこの季節になると他県からも訪れるほどファンの多い「葛饅頭」。
滾々と湧き上がる地下水に揺蕩う葛饅頭は、眺めているだけで涼を感じられるような印象的なディスプレイです。
本日は伊勢屋さんならではの伝統銘菓「葛饅頭」をご紹介。
まずこちらの葛饅頭の原材料は「本葛粉・小豆・砂糖・塩」そして水のみ。非常にシンプルな構成となっておりますが、そのぶんひとつひとつの材料への並々ならぬ拘りも。
葛は福井県三方上中郡若狭町の特産品でもある「熊川葛」を使用。熊川葛の特徴はまろやかな口当たりで、葛切りの黒蜜や葛饅頭の餡などの甘味やコクを引き立ててくれます。
もう一つ、葛饅頭に欠かせない材料が良質な水。
伊勢屋さんでは「雲城水」といいまして、平成の名水100選にも選ばれた湧き水を使用しております。伊勢屋さんが佇む小浜市一番町は湧き水の街としても知られており、今でも井戸が完備され生活用水として使用可能な拠点が点在しているのだとか。さらに、県外の催事にて葛饅頭を実演なさる際も、雲城水を持参して製造。この水でなくてはならないと六代目ご当主が語ってくださいました。
和菓子を作る際に欠かせない水にこそ拘る姿勢からは、伊勢屋さんの伝統や今まで紡がれてきた技術への尊敬をも感じられます。
また、六代目・上田浩人さんは葛マイスターの資格を取得しており、昔ながらの葛の魅力を催事での実演販売にて普及なさっています。
その良質な葛や水から力強く練り上げられる葛に閉じ込めるのは、ぽってりとやや硬めに仕上げられたこし餡。こちらのこし餡もまた絶品で、葛のもちもちとした食感と旨味を口いっぱいに頬張りながら噛みしめつつ満喫していると、湧き上がる地下水のごとくじんわりじんわりと広がってきます。葛の旨味を損なわせないやや控えめな甘味ながらも、熊川葛がこし餡の風味をぐっと引き立ててくれるので、体にじんわりと染みるような滋味深い味わいに。
瑞々しい弾力ともちもちとした混じりけの無い葛本来の食感を生み出す熟練の技術。遠方から足を運ぶ方がいらっしゃるのも納得です。
尚、こちらの商品は当日中のお日保ちとなっておりオンラインでの販売等はございません。
夏の旅行は、福井県で美味しい涼を感じてみませんか?