今季最後の3連戦、タマスタ筑後で植田海が本領発揮!《9/23 阪神ファーム》
きのう23日から、阪神ファームの今季公式戦を締めくくるソフトバンク3連戦が行われています。昨年も最後は同じカードで、でもホームゲームながら滋賀県守山市での開催でしたね。目の前でソフトバンクの、ウエスタン・リーグ史上初となる4連覇の胴上げを見たのも記憶に新しいところ。
ことしは既に5連覇が決まっているソフトバンクですけど、きょう24日の試合後にペナント授与のセレモニーがあるそうです。阪神は2010年に優勝して以来、ちょっと遠ざかっていますね。そろそろ久々にファーム日本選手権なんぞ見てみたい、かな。
さて、きのう23日にタマホームスタジアム筑後で行われたソフトバンク戦は、秋山投手が先発しました。味方のエラーからタイムリーを浴び、先に失点。終盤に打線が追いついたと思ったらホームラン、また追いついたのにカニザレス選手のホームランでサヨナラ負け…。カニザレス選手は19日に1軍から戻ってきて、いま1軍にいる陽川選手と並ぶ14号となっています。
《ウエスタン公式戦》9月23日
ソフトバンク-阪神 28回戦 (筑後)
阪神 000 000 141 = 6
ソフ 201 000 211x = 7
◆バッテリー
【阪神】秋山-榎田-●桑原(1勝3敗2S) / 岡崎-小豆畑(7回~)
【ソフ】高橋(5回)-加治屋(1回)-柳瀬(1回)-バリオス(2/3回)-嘉弥真(1/3回)-○松本(5勝1敗) / 栗原-拓也(7回~)-斐紹(9回)
◆本塁打 今成4号ソロ(柳瀬)、黒瀬3号ソロ(榎田)、カニザレス14号ソロ(桑原)
◆三塁打 植田、栗原
◆二塁打 江越、今成、緒方、真砂、カニザレス
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗/失) 打率
1]指:伊藤隼 (5-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .270
2]左:緒方 (4-1-1 / 1-1 / 0 / 0) .290
3]中:江越 (5-1-1 / 2-0 / 0 / 0) .206
4]右:横田 (3-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .262
5]一:新井 (3-0-0 / 0-1 / 0 / 1) .304
6]三:今成 (4-2-4 / 1-0 / 0 / 0) .300
7]二:西田 (3-0-0 / 2-0 / 0 / 1) .239
〃打:鶴岡 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .282
〃二:森越 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .226
8]捕:岡崎 (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .138
〃打:柴田 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .270
〃捕:小豆畑 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .200
9]遊:植田 (3-3-0 / 0-1 / 2 / 1) .167
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
秋山 7回 133球(8-5-2/ 5-2 /2.08) 144
榎田 1回 25球(3-2-0/ 1-1 /1.17) 139
桑原 0.0回 6球(1-0-0/ 1-1 /2.52) 145
<試合経過>
秋山は1回、先頭の塚田に中前打され1死後に上林の二ゴロを西田が二塁へ送るも逸れてエラー。カニザレスの四球で1死満塁となり、5番・真砂が中越えタイムリー二塁打で2人を還します。2回は1四球のみで無失点。3回は1死からカニザレスにセンターのフェンスを直撃する二塁打、真砂が三振で2死となったあと、6番・栗原にライトフェンス直撃のタイムリー三塁打を浴びました。
4回、5回はヒットや味方エラーで走者を出しながら追加点を与えなかった秋山。6回は初めて三者凡退に切って取ります。
打線は1回に2死から江越が左翼線二塁打、3回は先頭の植田が右中間への三塁打を放つも得点なし。5回は2死から植田が四球を選んで盗塁を決めたものの、やはり還れず。高橋に対して2安打無得点です。ようやく7回、柳瀬から今成がレフトへ4号ソロを放って1点を返しました。
すると続投の秋山がその裏、先頭の塚田と釜元に連打され、2死を取ったあと真砂の打席で、岡崎が釜元を刺そうとして一塁へ送球するも新井が捕れず(エラー)、2死二、三塁となり、真砂は右前タイムリー。これで2人が還って5対1と差が広がります。
しかし8回、バリオスから植田がサード内野安打、伊藤隼は右前打、緒方の四球で無死満塁!まず江越が遊ゴロ併殺崩れの間に1点返し、2死後に新井の四球で再び満塁となって投手交代。代わった嘉弥真から今成がレフトフェンス直撃のタイムリー三塁打!走者一掃でこの回4点を加え、ついに追いつきました。
と思ったら、その裏に榎田が代打・黒瀬がレフトへソロホームラン…また1点差です。でも9回に打線がもうひと粘り。松本に対し、1死から植田が10球粘って今度はショート内野安打。2死後にこの日2つめの盗塁を決めると、緒方がレフトへタイムリー二塁打!またまた同点です。
よく追いついたと思ったのも束の間、その裏に登板した桑原が先頭のカニザレスに左中間へ第14号のホームラン…サヨナラ負けという試合でした。
真砂に投じた球を反省する秋山
先に帰阪するため、ひとりだけスーツに着替えて取材に応じてくれた秋山投手。カウントを悪くすることはなかったのではないか?と聞かれて「そう見えましたか?ストライクを揃えていないので、そのへんは全然。高くなったとか気にせず、高くなったら次はそれを生かそうと意識していました」と答えています。
「1軍でこの前投げて、打者の反応が全然違った。打者の反応に合わせながら投げたらいいけど、1軍でそれは通用しないとわかったので、合わさないようにやりましたが…。簡単にカウントを作らないというか。正直、球数は多かったってのもありますが、打ち取った球もあったので。真砂のところは反省です」
久保投手コーチは「ここっていうところ、エラーのあとの失点がね。あそこ頑張ってあげると全然違った。その失礼やなあ。あと1アウト頑張ってくれたら。あの1アウト、そう1アウト。ボール云々じゃない。落としどころ、攻めどころ、1アウトの取りどころ」という秋山投手評でした。
そして「桑原は最後がちょっと高かった。長打のみのバッターに、ヒットOKという攻め方をして欲しかったですね。インコース低め、外でも低めの、手が伸びないところへ。榎田も高かったね」と締めくくっています。
掛布監督、植田に笑顔
続いて掛布監督です。「桑原も高かったねえ。左右のコントロールミスはあるけど、低めに投げる意識はもっと強く持たないと。打たれる、打たれないは結果論として、打たれ方がねえ。2ストライクから、カニザレスも打ち損じてるわけだからね」最初に桑原投手の名前が出たのですが、ここからは投手全般への言葉でしょうか。
「強い意識をベンチに感じさせるピッチングをしてほしい。こういうゲームって、追い越すことができないんだよね。ミスで点を取られているから。逆方向とか、低めを打たれたならいいけど、完璧だもんね。ああいうとこ、低めに投げる意識は技術ではない。江夏さんも言っていますが、左右のコントロールは技術で、低めは意識づけ」
そのあと植田選手について「自分の足のスピードという武器を生かしましたね。2アウトから非常に勇気がいる。ここへ来て(植田)海のいい面が出始めている。遠征中に球団預かりで残留して、筒井コーチ、平野コーチ、藤本コーチ、このあたりがバント練習も含めて徹底的にやった結果。バント練習をしたのは大きい。打つポイントも覚えただろう」とうなずく監督。
締めは期待のひとことです。「フェニックス、非常に楽しみになってきたね。全試合使ってみようと思ってる」
植田、3安打&2盗塁で貢献!
その植田選手はまず、難しい盤面で決めた2つめの盗塁について「あれは『走れ』ではなく『走っていい』というサインでした。タイミングとかも、牽制、牽制できて次は変化球が来ると思って行った。それでもギリギリだったんで」と話しています。
3回には初球で三塁打を放ち、その後も内野安打2つに2盗塁と中身の濃い試合だったのでは?「9回の盗塁は、三振だけは絶対にしないと思っていっていて、いい結果でした」
フェニックス・リーグは全試合出すと掛布監督が名言していましたよ。「それは言われています。なので全部出られるよう体調管理をしっかりしたい。監督からも盗塁とか数字を意識してと言われているので、18試合で10個とか目指したいですね。そのためには塁に出ないとダメなんで。ヒットとかフォアボールで出れば打率も悪くはならないと思うし」
ことし10個目の盗塁で、失敗はない植田選手ですが「社会人との試合では1、2回刺されたと思います。公式戦は失敗ないけど、行こうとして(スタートを)切れなかったのもあるので。切って無理というのじゃなく、牽制を警戒しすぎて切れなかったというのも」とのこと。1軍はことし盗塁が少なかったと金本監督のコメントもありました。必要とされるところでしょう。「そうですね。でも打たないとダメですやね。そこからです」
最後に緒方選手。9回に追いつくタイムリー二塁打を放ち「(植田)海のおかげです。走ってくれて、勇気を持っていけました。すごく難しい場面で走ってくれた。もし一塁のままだったら(守備位置の関係もあり)レフトフライでした。海のおかげです」と感謝の言葉を繰り返しています。