【下北沢】45年続く日本茶喫茶のふるふる食感「抹茶ゼリー」や季節限定「新茶セット」でほっとひと息
5月は新茶の季節。
中旬を過ぎるとあらゆる産地の新茶がたくさん出そろい、選ぶ楽しみも増えます。
新茶を飲んでみたいけど、初心者でいれ方もよくわからない・・・
お茶だけではなくスイーツも楽しみたい!という方におすすめのお店をご紹介します。
45年前(1977年)の八十八夜に創業した日本茶喫茶の先駆けでもあるお店「つきまさ下北沢店」さんは、初心者の方も入りやすい雰囲気の和モダンなお店です。
街の喧騒を少し離れた癒しの空間でゆっくりと日本茶を楽しんでみませんか?
下北沢の喧騒を抜けたところに現れる「つきまさ」
日本茶に興味はあるけど自分でいれるのは難しそう。
ちゃんとおいしいいれ方でいれたお茶を飲んでみたい。
そう思っていた20数年前に出会ったお店が「つきまさ下北沢店」さん。
下北沢といえば、演劇の街。
最近は特に古着の街として人気で、お店がたくさん立ち並んでいます。
南口商店街をまっすぐ下り5分ほど歩くと、老舗のお洒落な花屋さん「ユー花園」の右側の道を入ってすぐ右側に「つきまさ」の看板が見えてきます。
ここは世田谷区の住宅街の入り口でもあり、駅前の喧騒から少し離れゆっくりした時間が流れています。
店内は落ち着いた和モダンなカフェ。
ご近所さんがお茶を買いに来たり、ついでにちょっと休憩したり。
メディアなどの情報で遠方から訪れるお客さんがいたり、外国人のお客さんも時々いらっしゃいます。
こちらに通うようになってから、日本茶のバリエーションとおいしさの魅力にはまり、その後スタッフとして7年ほど働いていました。私が日本茶インストラクターの資格を取るきっかけになったお店でもあります。
店主の相馬さんは日本茶インストラクターでもあり、茶葉やいれ方について質問すれば丁寧に答えてくれます。
畳敷きの椅子にすわってお茶を飲んでいると下北沢にいることを忘れるくらい静かでのんびりできます。
「つきまさ下北沢店」には支店はないのになぜ下北沢店?
「つきまさ下北沢店」は店名に下北沢店とあるのに支店はありません。
元々は相馬さんが勤めるうおがし銘茶の喫茶部門として45年前にスタートしたお店で、当時はうおがし銘茶には喫茶がなく(現在はあります)、その後店舗を増やすことを考えてつけられた店名だそうで、今も一店舗のみです。
(「つきまさ」は静岡県にあるうおがし銘茶の茶工場の名前をとってつけられたそうです。)
しかし、何年か後にうおがし銘茶に喫茶が作られることが決まり、つきまさ下北沢店は閉鎖されることになりそうだったのを、下北沢にこそ日本茶喫茶が必要と感じていた相馬さんが店主となり引き継ぐ形で今に至っているそうです。
現在の店舗は20年ほど前に建て替えられたので、当初の昭和レトロなお店が今は懐かしいですが、現在の和モダンな空間も老若男女問わず落ち着く雰囲気です。
一人で利用する方から友人や家族と訪れる方、若いころ通っていた方がお子様やお孫さんを連れていらしたりとアットホームで、初めてでもなんだかなじんでしまう、そんな空間です。
静岡県の牧之原産の茶葉
つきまさで扱う茶葉は抹茶(京都宇治)と玉露(福岡八女)以外はほとんどが静岡県の牧之原産です。
つきまさ下北沢店のためにオリジナルでブレンドされた茶葉です。
販売の茶葉の表はこちら。
煎茶は深蒸し煎茶で、100g540円のリーズナブルなものから2,160円の特選まで揃います。
店内のカフェでは煎茶はこの中から数種類飲むことができ、喫茶メニューはお茶請け付きで550円から。
お茶請けも10種類くらいから好きなものを選べます。
夏は冷煎茶、冷番茶、冷玉露、冷抹茶、と冷たいお茶メニューも豊富です。
抹茶は薄茶と濃茶(どちらも上生菓子付き)があり、珍しいところでは静岡産の「ぐり茶」も飲むことができます。
玉露も玉露用の茶器で供されるものと、蓋つきの専用のお茶碗で飲む「しずく茶」もあります。
その他に、大根番茶や梅しょうが番茶、番茶を使ったバター茶、ふるふるの抹茶ゼリーなど店主の相馬さんが編み出したオリジナルメニューも長年人気です。
オーソドックスなものから変わり種まで、初心者から玄人まで楽しめ、お値段もリーズナブル。このバランスはつきまさならではです。
抹茶を注文しなくても、上生菓子を追加したりもできます(単品400円)。
小腹が空いたときにはお茶づけセットやいそべ餅などのお餅もあります。
喫茶のお茶が気に入ったら、同じ茶葉や茶器を購入してお家でいれることもできます。
季節限定の「新茶セット」がおすすめ!
5月から6月にかけては「新茶セット」が人気です。
私を含め、毎年楽しみにしているお客さんが多い限定メニュー。
今年は6月中旬まで楽しめるそうです。
お茶は特選の茶葉を使用し、一煎目は店主の相馬さん(またはスタッフ)がいれてくれたものが運ばれます。
二煎目からは保温ボトルのお湯を使っていれるスタイルで、煎茶には湯冷ましも付いています。湯冷ましで冷ましたお湯で二煎目をいれます。
新茶セットのお菓子は「新茶だんご」。もっちりしたお団子の上にお茶入りの餡子がのっていて甘さ控えめでおいしいです。
茶葉はもちろん茶器もそろう
喫茶でゆっくりお茶を飲みながら、茶葉や茶器を選ぶのも楽しみの一つ。
いれ方やお茶の説明は店主の相馬さんやスタッフに聞けば丁寧に教えてもらえます。
茶器は普段使いのものから作家ものまで急須や茶筒、抹茶茶碗、茶筅や懐紙もあります。
山政小山園の抹茶のお菓子も人気です(私のお気に入りです)。
よしもとばななさんの小説にも登場するお店
実はつきまさはよしもとばななさんの小説『もしもし下北沢』(2010年初版)にも登場するお店なのです。
お店の名前ははっきり書かれていませんが、主人公のお母さんがアルバイトするお店として登場します。
再開発前の古き良き下北沢の街の様子が思い出される場面も多く、下北沢ファンにはぜひ読んでいただきたい一冊です。
読んだ後はほっと心が温まり、そして下北沢に行きたくなります。
登場はせずとも、打ち合わせに作家さんが訪れていたという話も聞いています。
小説『冷静と情熱のあいだ』の執筆の打ち合わせに訪れていたのは作家の辻仁成さんと江國香織さん。
駅から近いけれど喧騒からは少し離れているこのお店の雰囲気が打ち合わせにちょうど良いのかもしれません。
以前はよくHanakoやOZmagazineなどの雑誌にも掲載されていたので、それを見て来られる方も多く、私も最初に訪れたのはHanakoで見たのがきっかけでした。
今は特に情報は出していないけれど、欧米やアジアからのお客様も多いので、もしかしたら外国人向けの口コミサイトに掲載されているのかも?とのことでした。
看板亀の「金ちゃん」も人気者!
私が訪れた日はお天気も良く、看板亀の「金ちゃん」がお店の前で日光浴をしていました。
見ているだけでなんだか癒されます。
通りすがりのお子様連れのご近所さんがお店の前で立ち止まって声をかけていたり、そんな風景も和みます。
天気が悪い日や寒い日は金ちゃんはお店の中の入り口にある水槽にいるので、のぞいてみてください。
最初来たときは小さかった金ちゃんもいつのまにか大きくなり、いつもみんなに可愛がられています。
下北沢さんぽの休憩に「つきまさ下北沢店」で日本茶を
人気の街、下北沢で買い物や観劇後の休憩にゆっくり過ごせるお店です。
「どなたでも気負わずに、ゆっくりと日本茶を楽しんでほしい」という店主相馬さんの想いがお店全体からも感じられます。
ちょっと疲れた時や読書したいときなど、静かでゆっくりした時間が過ごせますよ。
【つきまさ下北沢店】
営業時間: 11:00–19:00
定休日: 火曜・水曜
電話番号: 03-3410-5943
住所: 〒155-0032 東京都世田谷区代沢5-28-16
アクセス: 小田急線下北沢駅・京王井の頭線下北沢駅 南西口より徒歩5分
Instagram: https://www.instagram.com/tukimasa_shimokitazawa/
※2023年5月現在の情報です