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埼玉西武に入団のペイトンは、1ヵ月前にMLB球団と再契約を交わしたばかり。方向転換の理由は何なのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
マーク・ペイトン Sep 24, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 来シーズン、マーク・ペイトンは、日本プロ野球でプレーする。12月24日、埼玉西武ライオンズは「このたび、Mark Payton(マーク・ペイトン)選手の入団が決定いたしましたのでお知らせいたします。背番号は「10」となります。」とツイートした。

 ペイトンは、11月18日にシカゴ・ホワイトソックスからノンテンダーとされ、FAになった。だが、その3日後にホワイトソックスとマイナーリーグ契約を交わした。この時点では、ホワイトソックスの選手として、メジャーリーグでプレーすることをめざしていた。

 そこから1ヵ月で、メジャーリーグから日本プロ野球へ方向を転じた理由としては、ホワイトソックスが施した補強が考えられる。

 今月に入り、ホワイトソックスは、ビクター・レイエスビリー・ハミルトンの2人とマイナーリーグ契約を交わし、アンドルー・ベニンテンディを5年7500万ドルで迎え入れた。3人とも、ペイトンと同じ外野手だ。

 彼らの加入により、ペイトンがメジャーリーグのアクティブ・ロースターに入る可能性は、再契約の時点よりも低くなった。

 センターにはルイス・ロバートがいて、レフトはベニンテンディが守る。ライトはギャビン・シーツが有力だ。予定どおりにいけば、開幕からではないにせよ、オスカー・コラスが昇格し、シーツとポジションを分け合うか、シーツに代わってライトを守るだろう。控えの候補にはレイエスとハミルトンがいて、ルーリー・ガルシアも内野だけでなく外野も守る。さらに、ヨエルキー・セスペデスも、来シーズン中にメジャーデビューするかもしれない。ヨエルキーは、ヨエニス・セスペデスの弟だ。

 ペイトンは、メジャーリーグでは結果を残すことができていない。3シーズンの出場は計40試合に過ぎず、打率と出塁率は.164(61打数10安打)と.261だ。長打は、2年前に打った二塁打1本しかない。

 ただ、AAAでは違う。2019年は118試合で30本のホームランを打ち、打率.334と出塁率.400を記録した。2021年は75試合で8本塁打、打率.293と出塁率.360。2022年は119試合で25本塁打、打率.293と出塁率.369だ。年齢は31歳。四球率も低くはない。日本プロ野球で活躍しても、おかしくはないはずだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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