Facebookがスウェーデンの乳がん啓発キャンペーン動画を検閲 丸い乳房の代わりに四角い乳房で対抗
Facebookが、また北欧で検閲騒ぎを起こしている。乳房のイラストは、Facebookには刺激が強すぎたようだ。
スウェーデン・キャンサー・ソサイエティは、できるだけ多くの人に乳がんの早期発見の大切さを伝えるために、とある動画をFacebook に投稿。乳房のしこりを、自分で触って見つける方法を簡単に説明した内容だった。動画の映像は、本物の人間ではなく、アニメーションで説明されていた。Aftenbladet紙によると、団体の公式HPだけでも、動画は一晩で10万回以上視聴されていた。
しかし、Facebookに「大人向けのマーケティング」として、削除されたと団体広報のBjornstad氏はAftenbladetに話す。
20日、あきらめない団体は、「丸い」乳房を、「四角」の形に加工しなおして、Facebookに「手紙を書く」という行動にでる。
団体広報は、「我々の目的は、できるだけ多くの命を救うこと」とAftonbladetに語る。
英ガーディアン紙でも報じられている。
Facebook bans 'offensive' Swedish breast cancer awareness video
Facebookは、9月にはノルウェーでも同じような写真検閲問題で、国際的な注目と批判を浴びたばかりだった。
ベトナム戦争で投下されたナパーム弾から、裸で逃げる少女の写真「戦争の恐怖」を削除したFacebookは、ノルウェーから大きな抵抗にあう。
最大手全国紙アフテンポステンの編集長が、「親愛なるマークへ」と抗議の手紙を掲載し、政治家たちが一斉に写真の拡散を始めた。首相も写真を削除されたが、写真を加工して再掲載。最終的に、Facebookが例外として写真掲載を認めた。
批判を受け、フェイスブックが裸の歴史写真の投稿を許可 ノルウェー首相も投稿を削除され大騒ぎに
スウェーデン公共放送SVTによると、今回の騒動をうけて、地元の政治家も眉をひそめている。スウェーデン社会民主労働党のEriksson氏が、Facebookはヘイトスピーチなどの規制はうまくできていない一方、「今回は写真でもなく、イラストではないか」と批判。Facebook関係者と話をしたいとしている。ノルウェーの文化大臣も、騒動後は各メディアの編集者たちとFacebook関係者を呼び、話し合いの場を設けさせるとしていた。
20日、ガーディアンを通してFacebookはスウェーデンの団体に謝罪し、この広告を認めるとした。
How a cancer group thwarted Facebook's censorship: square breasts
Text: Asaki Abumi