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なぜバルサは「弱体化」してしまったのか?シャビの“全権監督”の矛盾と出口の見えない迷宮。

森田泰史スポーツライター
2015年にビッグイヤーを獲得したバルサ(写真:ロイター/アフロ)

どうして、これほど弱くなってしまったのかーー。

2014−15シーズン、ベルリンの地でバルセロナの選手たちは歓喜に浸っていた。チャンピオンズリーグ決勝でユヴェントスを破り、ビッグイヤーを獲得。そのシーズン、ルイス・エンリケ監督の下でチームはトリプレテ(3冠)を達成した。

今季はコパでアスレティックに敗れる
今季はコパでアスレティックに敗れる写真:ロイター/アフロ

勝利の美酒は旨い。そして、旨い酒は酔いが回る。

14−15シーズン終了後、前倒しで行われた会長選で当選したのはジョゼップ・マリア・バルトメウだった。その後、ジェラール・ピケが「その年の1月の時点は彼が当選する確率は1%くらいだったと思う」と明かしたように、バルセロニスタのバルトメウへの信頼は急激に高まっていた。

■ブランドイメージ

しかし、2015年から2020年の間、バルトメウはバルセロナのブランドイメージを著しく汚した。

最も大きかったのはスペイン『カデナ・セール』がスクープした“バルサゲート”の問題だ。バルトメウと理事会が、ある会社と契約してソーシャルメディア上でバルセロナの主力やOBを“攻撃“するように仕向けていた。最終的に、6名の幹部が辞職するという事態に発展した。

入団会見時のグリーズマン とバルトメウ
入団会見時のグリーズマン とバルトメウ写真:なかしまだいすけ/アフロ

バルトメウが負の遺産を残したのは間違いない。先のバルサゲートの加え、移籍に際する代理人や仲介会社への高額手数料、会計報告を誤魔化すための隠蔽工作など、会長として相応しくない行為を挙げればキリがない。

負債額は、13億5000万ユーロ(約1755億円)に上っている。

■フロント陣の仕事

ただ、バルトメウを糾弾すれば、全てが解決するというわけではない。

ジョアン・ラポルタ会長、シャビ・エルナンデス監督、補強担当のマテウ・アレマニーとジョルディ・クライフ...。彼らが実践している仕事も、これまでのところ、かなり怪しい。

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スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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