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NHLは今季レギュラーシーズンを終了。24チーム参加のプレーオフから再開へ

三尾圭スポーツフォトジャーナリスト
今季はレギュラーシーズンを終了して、プレーオフから再開するNHL(三尾圭撮影)

 アメリカとカナダに31チームを持つ世界最高峰のアイスホッケー・リーグ、NHLのゲリー・ベットマン・コミッショナーが今季再開へ向けての計画を5月26日(日本時間27日)に明らかにした。

 新型コロナウイルスの影響で3月12日(日本時間3月13日)にシーズンを中断したNHL。中断した時点で、各チームが68試合から71試合を終えていた。NHLのレギュラーシーズンは82試合なので、レギュラーシーズンの8割以上は戦いが終わっていた。

 ベットマン・コミッショナーはシーズン再開後にレギュラーシーズンの各チーム残り12試合程度を行うのではなく、レギュラーシーズンは3月12日で終了として、プレーオフから再開させるとのプランを発表した。

 NHLでは東西の各カンファレンスの上位8チーム、合計16チームがプレーオフの出場権を得るが、今季はプレーオフ出場枠を24チームに拡大すると言う。

 プレーオフ24チーム拡大案は先週行われた選手会代表投票でも29の賛成票を得て承認された。カロライナ・ハリケーンズとタンパベイ・ライトニングの2チームの代表のみが反対票を投じた。

上位4チームが総当たり戦で対戦

 東カンファレンスは「メトロポリタン」(8チーム)と「アトランティック」(8チーム)、西カンファレンスは「セントラル」(7チーム)と「パシフィック」(8チーム)のディビジョンから成るが、各カンファレンスの上位4チームずつが参加するカンファレンス別の総当り戦の出場権が与えられる。

 東はボストン・ブルーインズ、ライトニング、ワシントン・キャピタルズ、フィラデルフィア・フライヤーズの4チーム、西はセントルイス・ブルース、コロラド・アバランチ、ベガス・ゴールデンナイツ、ダラス・スターズの4チームで総当たり戦を行う。

 この総当たり戦の成績でプレーオフ・トーナメント1回戦のシード順位が決まる。総当たり戦の成績が同じ場合は、レギュラーシーズンの成績が良いチームが上位となる。

 NHLのレギュラーシーズン順位はポイント制で争われ、勝利は2ポイント、負けは0ポイントだが、延長戦までもつれた場合に限り負けても1ポイントが与えられる。今季はチームによって試合数に差があるために、ポイント制ではなくポイントを試合数で割った「ポイント%」で順位が決まる。例えば、西で4番目に多くポイントを稼いだエドモントン・オイラーズは71試合で83ポイント(1.169ポイント%)だが、ポイント数は西で5番目のスターズは69試合で82ポイント(1.188ポイント%)となり、総当たり戦に出場するのはポイントが多いオイラーズではなく、ポイント%が高いスターズとなる。

5位から12位のチームはプレーオフ予備戦へ

 東西各カンファレンスのレギュラーシーズンの成績が5位から12位までのチームは「プレーオフ予備戦」を戦う。このプレーオフ予備戦は5戦3勝勝ち抜け制となる。

 東カンファレンスはピッツバーグ・ペンギンズ(5位)対モントリオール・カナディアンズ(12位)、ハリケーンズ(6位)対ニューヨーク・レンジャース(11位)、ニューヨーク・アイランダース(7位)対フロリダ・パンサーズ(10位)、トロント・メープルリーフス(8位)対コロンバス・ブルージャケッツ(9位)がプレーオフ予備戦で対戦。

 西カンファレンスはオイラーズ(5位)対シカゴ・ブラックホークス(12位)、ナッシュビル・プレデターズ(6位)対アリゾナ・コヨーテズ(11位)、バンクーバー・カナックス(7位)対ミネソタ・ワイルド(10位)、カルガリー・フレームス(8位)対ウィニペグ・ジェッツ(9位)の組み合わせとなる。

 このプレーオフ予備戦で勝ち抜いた各カンファレンスの4チームと総当り戦に出場した4チームを合わせた各カンファレンス8チーム、合計16チームでプレーオフ1回戦を行い、スタンレー・カップ優勝を目指すプレーオフ・トーナメントが始まる。

 プレーオフの開催場所は各チームのホームタウンではなく、東と西のカンファレンスをそれぞれ1つずつの街に集めると言う。開催場所の候補としては、ピッツバーグ、トロント、コロンバス、シカゴ、ダラス、エドモントン、ミネアポリス、バンクーバー、ラスベガス、ロサンゼルスが挙げられている。

プレーオフ開始は7月下旬?

 プレーオフ開催時期は未定だが、NHLは選手たちが自主隔離される「第1段階」から、チーム施設での練習を許可する「第2段階」へ6月上旬にも移る意向。

 「第2段階」では一度に練習できる選手数を最大6人として、練習初日の2日前には参加者全員が検査を受ける。選手は毎日体温を測ることが義務付けられ、練習施設に入る度にも体温を測られる。抗体検査は週2度行われ、陽性となった選手は医者が許可するまで練習施設には入れない。

 「第3段階」はプレーオフに向けたトレーニング・キャンプで、こちらは7月1日以降となる予定。3週間程度のトレーニング・キャンプを経て、2都市でのプレーオフ開始が「第4段階」となる。

スポーツフォトジャーナリスト

東京都港区六本木出身。写真家と記者の二刀流として、オリンピック、NFLスーパーボウル、NFLプロボウル、NBAファイナル、NBAオールスター、MLBワールドシリーズ、MLBオールスター、NHLスタンリーカップ・ファイナル、NHLオールスター、WBC決勝戦、UFC、ストライクフォース、WWEレッスルマニア、全米オープンゴルフ、全米競泳などを取材。全米中を飛び回り、MLBは全30球団本拠地制覇、NBAは29球団、NFLも24球団の本拠地を訪れた。Sportsshooter、全米野球写真家協会、全米バスケットボール記者協会、全米スポーツメディア協会会員、米国大手写真通信社契約フォトグラファー。

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