本当にすすぎ0回でいいの?実際に使ってわかった新製品『アクロン スマートケア』のメリットとデメリット
こんにちは、おうちクリーニング(洗濯)研究家のハナです。
2回より1回と「すすぎ」の回数が短くなる傾向にある洗濯洗剤ですが、LIONからついに「すすぎ0回」でOKの洗濯洗剤が発売されました。
洗濯工程の約7割を占める「すすぎ工程」をカットすることでキレイ・時短・ECOを実現するおしゃれ着用『アクロンsumart care(スマートケア)』
本当にすすぎ0回で衣類がキレイになるのか、今までのアクロンと何が違うのか、実際に洗剤を使って比べてみました。
新製品『アクロンsumart care(スマートケア)』 ってどんな洗剤だろうって思ってる方の参考になると嬉しいです。
『アクロンsumart care(スマートケア)』 概要
液性:中性
すすぎ回数:0回
内容量:440ml
香り:グリーンシトラス
購入価格:348円
洗濯1回のコスパ:31.6円(水30Lの場合)
成分:界面活性剤(13% ポリオキシエチレンアルキルエーテル)、安定化剤、再付着防止剤、脂肪酸塩、エチルアルコール、平滑剤、シリコーン、香料、水酸化ナトリウム、クエン酸、シリコーンエマルジョン
洗濯後に衣類に洗剤が残ってしまうのは人間の肌にはもちろん衣類にもダメージを与えます。なので一般の洗剤がすすぎ1回が主流になる中、おしゃれ着用洗剤はすすぎ2回を推奨するものが多かったんです。
そんなおしゃれ着用洗剤で「すすぎ1回」を最初に実現したのは私の記憶では2021年にすすぎ1回になった『アクロン』です。
そして2023年についにアクロンシリーズがすすぎ0回でOKなおしゃれ着用洗剤『スマートケア』を発売しました。
本当にすすぎ0回で洗剤残りはないのか、汚れはちゃんと落ちるのか、従来のアクロンと洗い比べて確かめてみました。
従来のアクロンとスマートケアの成分を比べてみます。
主な界面活性剤はポリオキシエチレンアルキルエーテルと同じものの、それ以外は本当に同じシリーズの洗剤なのか?ってくらい成分的にはまったく違う洗剤です。
従来のアクロンと比べてスマートケアの界面活性剤の分量が少ないのが印象的です。新配合の再付着防止剤「アクロンスマートケア成分」が界面活性剤の働きをサポートするので、界面活性剤の量を少くしてすすぎ0回を実現しました。
では、実際にアクロンスマートケアを使って洗浄力を確かめます。
洗浄力と衣類へのダメージを検証します
洗浄力テストの方法
口紅、卵、醤油、ボールペン、果汁、ソース、ミートソース、カレー、ごま油といった9つの汚れをつけた布を洗濯ものと一緒に洗って汚れ落ちを5段階評価で点数をつけます。
★★★★★ 肉眼で見えなくなったら黒星
☆☆☆☆☆ まったく落ちていない場合は白星
★黒星が多いほど、汚れ落ちが良いということです。
ダメージチェックの方法
デリケート素材であるウール100%、レーヨン100%の布を使って洗濯ダメージを検証します。
洗う前に型をとっておき、洗った後の縮み具合や型崩れを検証します。
消臭力チェックの方法
消臭テストに使ったのは夫の加齢臭が染み込んだ枕カバー。
ニオイは『ニオイチェッカー』という体臭チェッカーを使って数値化。
実際に鼻でニオイをかいだ結果と合わせて5段階評価で点数をつけます。
洗濯機で洗った場合の結果
従来のアクロンは「おしゃれ着コース」を選んで「スタート」ボタンを押しただけの設定
洗い8分、すすぎ2回、脱水5分
アクロンスマートケアは「おしゃれ着用コース」の設定からすすぎを0にして洗います。
洗い8分、すすぎ0回、脱水5分
洗濯機によってはおしゃれ着コースからすすぎ回数を変えられない場合もありので、その場合は少々面倒ですが、手動で水流と時間を設定します。
水流 弱、洗い8分、すすぎ0分、脱水2分
汚れをつけた布、レーヨンとウールの布は洗濯ネットに入れて洗います。
アクロンスマートケアには柔軟成分が含まれており、柔軟剤や香りビーズを使う場合はすすぎが必要になります。
洗濯機+アクロンの結果
洗浄力 24P、消臭力 3P、縮み率レーヨン 8.9%、縮み率ウール ほぼなし
洗濯機+アクロン スマートケア(すすぎなし)
洗浄力 18P、消臭 3P、縮み率レーヨン 10.3%、縮み率ウール ほぼなし
手洗いした場合の結果
従来のアクロンとアクロンスマートケアを使って洗濯したときの洗浄力とデリケート衣類のダメージを比べます。
アクロンの場合
つけ置き20分、すすぎ 2回、脱水1分
洗浄力 26P、消臭 4P、縮み率レーヨン 11.3%、縮み率ウール ほぼなし
スマートケアの場合
つけ置き20分、すすぎなし、脱水1分
洗浄力 22P、消臭 4P、縮み率レーヨン 12%、縮み率ウール ほぼなし
泡切れは2回すすいだものと同等
こちらは従来のアクロンで洗ってすすぎを2回したものと、スマートケアですすぎなしで洗ったあとの水の濁りです。
スマートケアはすすぎ0回でもアクロンで洗って2回すすいだものと同等の洗剤残りであることはわかります。
スマートケアのシワ防止効果は◎
従来のアクロンですすぎもして洗った後の綿シャツとスマートケアですすぎないで洗った後の綿シャツを比べてみました。
アクロンもシワは少ないですが、スマートケアはさらにシワがついていなくて、アイロンなしでも着用できるレベルです。
平置きするとシワの少なさがはっきりとわかります。
今回は脱水を5分で設定しましたが、2分くらいに設定しなおせばさらにシワのない仕上がりになると思います。
アクロン スマートケアを使うとアイロンの手間は大幅に省けます。
スマートケアは静電気が気になる時期は不向き
スマートケアには柔軟効果があり、単体でもふんわり仕上がるので普段は柔軟剤は別途必要ありません。
ただ電気防止効果が柔軟剤を使ったものに比べて劣ります。
スマートケアをすすぎなしで使う場合は柔軟剤は使えないので花粉の時期や静電気がおりやすい冬場にはデメリットになります。
『アクロンsumart care(スマートケア)』レビュー まとめ
『アクロンsumart care(スマートケア)』の良かった点
・洗濯時間の短縮
・水の節約ができる
・シワ軽減効果が優秀
洗浄力は従来のアクロンですが、スマートケアでは大幅な時間短縮ができました。
シワを軽減する効果はスマートケアが優秀。シワのつきやすい綿のシャツでもアイロンなしで着用することも可能です。
『アクロンsumart care(スマートケア)』の残念だった点
・洗剤価格が高くコスパが悪い
・すすぎ0だと洗浄力が劣る
・柔軟剤を使う場合はすすぎが必要
従来のアクロンですすぎをしたものとスマートケアですすぎをしなかったものを比べて泡切れに関しては変わりなかったものの、洗浄力に関しては想像とおりすすぎをした方が汚れをよく落としていることがわかりました。
洗浄力に関しては洗剤も大切ですが、汚れを洗い流すすすぎも重要です。
コストに関してはスマートケアは新商品なので少々高値になっていまししたが、今後値下がりしてくるとコストは変わってきます。今のところ節約という面では従来のアクロンのほうが購入しやすい価格です。
1回の洗濯にかかる水道代(大阪市の水道代1L=0.1円)
すすぎ2回の洗濯(131L) 13.1円
すすぎ1回の洗濯 (88L) 8.8円
すすぎなしの洗濯( 45L ) 4.5円
※水道代は地域によって変わるので参考までに
水道代はたしかに節約になりますが、おしゃれ着用洗剤は毎日使うものではないので、効果は薄いかもしれません。
水の節約として考えると有効ですが、洗剤コストで考えると従来のアクロンのほうが優秀です。
従来のアクロンと比べた結果
洗浄力を求めるなら従来のアクロンがおすすめですが
多少コストが上がっても洗濯時間の節約やアイロンの手間を減らしたいなら『アクロン スマートケア』が向いています。洗濯時間の短さは感動的です。