スウェーデン政治家「イスラム教徒は完全なる人間ではない」発言、人種差別として警察に通報される
スウェーデン政治家の発言が人種差別だと大きな批判を浴びている。
極右・右翼ポピュリスト政党に位置するスウェーデン民主党の党員が、週末の総会で発した言葉は、スウェーデン国営放送局SVTの電子版で生放送されていた。マッティン・ストゥリード(Martin Strid)氏は、イスラム教徒は完全なる人間ではないと会場で話した。
「0から100までの物差しがあったとしましょう。片側の最先端は100%人間、反対側は100%イスラム教徒だとします。全てのイスラム教徒はこの物差しのどこかにいます。過激派組織ISは100%イスラム教徒の点に位置します。元イスラム教徒の人は、完全な人間になるまでにはまだまだ遠い場所にいます」。
党のRichard Jomshof 秘書は、現地メディアに同氏の発言は党の目指す政策とは遠くかけ離れており、同意できないとしている。
一方で、SVTの記者が「なぜ党内からは発言後に反対する声があがらなかったのか」と問われ、「わからない」と党のAron Emilsson氏は答えた。
Strid氏はAftonbladet紙に謝罪し、「自分にはイスラム教徒の友人もいる」と話した(※ノルウェーの進歩党も同じだが、移民懐疑派の政党の党員は、『自分にもイスラム教徒の友人がいる』とよく強調したがる傾向がある)。
26日、Strid氏は民族に対するヘイトスピーチをしたとして警察に通報された。党は同氏の処分を検討している。
これを報道するスウェーデン国営放送局SVTは、関連記事の末尾に「全ての人間には同等の価値があり、SVTはこの発言には反対する」と記し、局の姿勢を強調している。
スウェーデン民主党では来年の総選挙に向けたキャンペーン動画が公開されている。国のカオスは移民のせいだとする内容で、同党にはスウェーデン社会はこのように写っているようだ
※プロパガンダなので、動画メッセージをそのまま受けとめる必要はありません。
Text: Asaki Abumi