温泉ライターの泉よしかです。

首都圏からも近い群馬県にはいい温泉がたくさんあるのですが、たくさんありすぎるが故に、いい温泉なのに意外と知られていないところもあります。

日帰り温泉の「根古屋城温泉」もその一つ。榛名山麓の吾妻川沿いにあり、お湯は源泉掛け流し！露天風呂からの開放感溢れる眺望も素晴らしく、400円という入浴料が安すぎるんじゃないかと感じるほど！

無添加にこだわった支那そば（ラーメン）が食べられる休憩室もありますよ。

意外な生き物が教えてくれた温泉

場所は渋川から中之条に向かう途中、ゆるやかに蛇行する吾妻川の流域にあります。

温泉を掘り当てたのは平成6年のこと。よくヘビが出る場所があるので、もしかしたら地面が温かいのかもしれないと掘削してみたら、なんと本当に温泉が湧いたそう。ヘビが教えてくれた温泉なのですね。

「根古屋城温泉」は手作り感まんさいの日帰り温泉

温泉は湧いたものの、さあどうしようと悩んだご主人一家。そこへ近所の方が、「3日入って俺の腰が治ったら、ぜひ入浴施設を作ってくれ」と言ったのだそう。そして3日続けてこのお湯に入ったら本当に腰が良くなったので、これはもう作るしかないということになりました。

とはいえそんなにお金はかけられない。何から何まで手作りで、露天風呂から始まって全部作り終えるまでに2～3年掛かったといいます。

ロッカーは近くの企業で使っていたものを払い下げてもらったり、休憩室兼食事処の床に敷いた畳は柔道のお稽古場で使われていたものを再利用したり。玄関で天井を見上げると、農具の歯車が灯りの傘になっていました。なかなかお洒落です。

薪で加温するほかは、そのまんまの源泉掛け流し

「根古屋城温泉」は源泉掛け流し。内湯も露天風呂も、さらにはシャワーで使うお湯も全て温泉です。お風呂のアメニティは固形石鹸のみなので、シャンプー類は持参しましょう。

泉質は弱アルカリ性のナトリウム―塩化物泉で、温度は35度弱と少しぬるめのため、薪を使ってこれを加温しています。そのためか、お湯からほんのりと燻された香ばしいにおいがするような。

内湯には長方形の浴槽のほかに、小さめのタイルの浴槽もあります。こちらは底のタイルが青いので、まるで宝石のお風呂に入っているような気分。

開放感は群馬県有数？お湯はぬるめで眺めの良い露天風呂

「根古屋城温泉」の露天風呂は素晴らしいロケーションです。男湯ならまだしも、女湯でここまで開放感のある露天風呂はそうはありません。ちょうど吾妻川の方角に向けて、他に民家などがないので目隠しをする必要が無いのでしょう。

露天風呂のお湯はこの時は36度弱とぬるめだったので、この景色を見ながらいつまでも入っていられそうでした。

ただひとつ残念なのは、画像を見て頂ければわかると思いますが、広い露天風呂の一部にしかお湯が入っていないことです。

湯量が足りないわけではありません。お湯はたっぷりあるのです。

ただ、ご主人一家が年を取り、毎日清掃できる範囲、薪で沸かす燃料代が負担にならない範囲で営業を続けているからなのです。同じ理由で、昔は週に6日営業していましたが、現在は土日祝日のみの営業となっています。

食事処の名物は支那そばとモツ煮

休憩と食事ができる「くつろぎの間」では、支那そば550円、焼きそば500円と、非常にリーズナブルな価格で麺類が食べられます。人気が高いのは支那そばとモツ煮で、どちらもスープにいっさい化学調味料を使わない手作りの本格派。

温泉も食事も「手作り」「無添加」にこだわった、温かみのある日帰り温泉「根古屋城温泉」。ぜひぜひ立ち寄ってみてください。

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