新潟では2年ぶりの日本ハム戦 まず満塁弾などで逆転負け《8/19 阪神ファーム》
このところ毎年恒例となっている、新潟県三条市でのウエスタン公式戦。ことしは今までで一番遅い、お盆すぎの時期になりました。対戦相手はおととしと同じイースタン・リーグの日本ハムです。そのとき大人気だった斎藤佑樹投手は、18日に登板してしまったため今回は来ていませんね。
そして三条といえば雨との戦いも恒例。昨年は2日間、雨の心配なく終わった珍しい年でしたが、ことしは予報がもともと悪かった上に、きのう19日は早朝の激しい雷雨でグラウンドが水浸し。でも早くに天気が回復し、黒い雲が優勢だけど青空も広がりました。正午前にポツポツ来て、またシートはかけられたものの問題なく最後まで行われたことは、関係者の皆さんにも感謝です。
さて、ことしの新潟遠征1試合目は榎田投手が先発。打線は序盤に得点を重ね、7回を終わって5対1とリードしてたのですが…8回に森山選手の満塁ホームランで追いつかれ、9回に1点を失って負けてしまいました。
《ファーム交流試合》 8月19日
阪神-日本ハム 1回戦 (新潟三条)
ハム 000 010 041 = 6
阪神 221 000 000 = 5
◆バッテリー
【阪神】榎田-山本-高宮-●メンデス(4敗20S) / 長坂-小豆畑(8回~)
【ハム】石川(3回)-瀬川(1回)-○立田(5勝5敗)(1回)-新垣(1回) / 清水
◆本塁打 森山15号満塁(高宮)
◆二塁打 石井一、キャンベル、江越、森山、板山、森本
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗/失) 打率
1]右:江越 (5-2-1 / 2-0 / 1 / 0) .140
2]中:高山 (4-2-0 / 2-1 / 1 / 0) .417
3]指:キャン (2-2-1 / 0-0 / 0 / 0) .292
〃打指:西田 (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .224
4]三:陽川 (3-1-1 / 1-2 / 0 / 0) .266
5]一今成: (4-1-1 / 1-1 / 0 / 0) .220
6]二:板山 (5-2-0 / 1-0 / 0 / 0) .185
7]左:緒方 (4-1-0 / 0-1 / 1 / 0) .239
8]捕:長坂 (3-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .168
〃捕:小豆畑 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .170
9]遊:植田 (4-1-0 / 1-0 / 1 / 0) .217
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率)
榎田 5回 72球 (6-4-2 / 1-1 / 3.53)
山本 2回 20球 (1-0-0 / 0-0 / 2.72)
高宮 1回 39球 (5-1-1 / 4-4 / 5.08)
メンデ 1回 28球 (2-1-1 / 1-1 / 3.24)
《試合経過》
まず打線。1回は高山が四球を選び、盗塁成功。1死二塁でキャンベルがレフトフェンス直撃のタイムリー二塁打!陽川は三塁線を破るタイムリー!2点を先取しました。
2回も1死から緒方が右前打し、二盗。キャッチャーの送球が逸れて三塁まで進むと、長坂の中前タイムリーで1点追加。次の植田の二ゴロで壮者が入れ替わったあと植田も盗塁を決め、またもやキャッチャーの送球エラーで三塁へ。江越の左中間二塁打で生還。3回はキャンベルの中前打と陽川の四球で無死一、二塁として、今成が右前タイムリー!ここまでで5点を取っています。
先発の榎田は1回、先頭の石井一に左翼線二塁打を許し、犠打で二塁へ進めましたが3番・渡辺と4番・森山は連続三振で無失点。2回は2死後、7番・姫野に右前打されるも、自身の牽制でアウトに!3回は先頭の今井に中前打された後、併殺打など3人で片付けました。4回は2死から森山の右中間二塁打、高浜への四球があったものの無失点。
そして5回、姫野の打球をレフト・緒方がスライディングキャッチ!しかし今井と清水に連打され、石井一への四球で1死満塁。2番・平沼に中犠飛を許しました。ついで山本が登板。6回は先頭の森山に右前打されますが、1死後に岸里を二ゴロ併殺打。8回はこの試合初めての三者凡退です!
打線は、4回が2死から高山が右前打で出ただけ。5回は今成の四球と板山の左前打などで2死二、三塁とするも無得点。6回は右前打した植田が江越の中前打で三塁まで進み、江越の二盗で無死二、三塁として、高山と西田は連続三振で2死となるも陽川の四球で満塁!しかし今成が見逃し三振…。3者残塁で、しかも得点なしです。7回は先頭の板山が左翼線二塁打を放ちますが、三塁止まり。
5対1のまま迎えた8回は高宮が登板。いきなり石井一、平沼、渡辺の3連打で無死満塁の大ピンチ。内野陣がマウンドへ行って間を取りますが、続く森山にライトへ満塁ホームランを打たれ、一気に同点となりました。ここで今成と陽川が声をかけ、ようやく1死。
と思ったら次の岸里には中前打、板山の好守備もあって2死を取った後、今井の一ゴロでベースカバーに入るも今成からの送球をポロリ…(記録はピッチャーのエラー)。ついで四球を与え、またもや満塁です。一巡して石井一から空振り三振を奪い、やっと終わりました。
これで、ともに安打が12本ずつ、5対5のタイスコアで迎えた9回はメンデスが登板。初球で1死を取り、渡辺には左前打されますが森山を中飛に仕留めて2死としてから、続く森本に左越えのタイムリーで二塁打を浴びました。1点勝ち越された打線はその裏、新垣の前に音なし。最後の最後で三者凡退に終わっています。
高山の10日間を有意義に
掛布監督は、抹消されたばかりの高山俊選手について聞かれ「2本ヒットが出ましたからね。徐々に“らしさ”を取り戻していけば。結果云々ではないので当てにいったりとか、対応のうまいバッターだけど対応することより、振るということですよ。しっかりボールを打つようにしてほしい。だいぶ気持ちを切り替えて、前に向いてる」と答えています。
「早く戻りたいというのはあるだろうから、短期間である程度、固めうちをしないと。強烈なインパクトの数字を残さないとね。たとえば10ゲームで6割とか、3連戦で7~8本とか。当てにいくとか、対応した結果でなく、ちゃんと打つということで結果を出すことですよ。それが、高山が今やらなくちゃいけないこと。また、きょうも走らせたけど、もっと走らせようと思っています。そうすると気持ちも前へ向くからね」
1軍で思うような結果が出なかったことに「1軍では打順によって変わってくるんでね」と掛布監督。そして「要は、打ちゃいいんだよ~」と続けました。「ちょっと右足の踏み出しにムダな動きがあった。右ひざが入ったりとか。それを意識させようと思います」。そのあとが「10日間は上がれないんだから。いい時間にしてあげたいね」と、いつもながら癒される、監督ならではの言葉です。
ちなみに、高山選手本人のコメントはありません。ご了承ください。
榎田「自分のやりたいことはできた」
次は榎田大樹投手です。先発は6月18日のオリックス戦以来2ヶ月ぶりで、ゲーム登板が8月2日のBCリーグ・福井戦以来18日ぶりでしたが「間隔が空いても、先発で前半やってそれなりに結果を残せていたので、普通に投げられたかなと。(今回は)たまたま先発に入っただけですね」と言っています。
「最少失点で抑えられたのでゲームは作れたかなと思います。小さい反省点はありますが、自分のやりたいことはできました。また先発であれば、精度を高めていきたい。きょうは、どんどん振ってくる感じだったので、厳しいとこを攻めていくのではなく真っすぐでファウルを取れた。あとは、ウエスタンになったらどうか、ですね」
その榎田投手について、久保康生投手コーチは「ちょっと間を空けて、整理させて、練習を多めにしてきました。(いつものウエスタンのチームでなく) わからない相手のとこでリセットさせて、というのが良い方に出ましたね」と振り返ります。最後の失点は「久々の5回ということで少しバタついたけど、1回からを見るとああいう形でバテてもいい」のだそうです。
その他の投手に関して、久保コーチが「山本は、相手もわからないだけに打ちづらかったみたいだね。逆に、わからない相手なのに簡単にいかれた高宮とメンデス。ということはボール自体が落ちているのかもねぇ」と、少し苦い顔。もうひとつ、藤浪投手の今後は「少し短いイニングで間隔を詰めて、というプランニングを考えています」と久保コーチ。掛布監督も「中継ぎで1回か2回」とのことでした。
おまけ・野球教室の笑顔
三条市での2連戦では、初日の試合後に開催される野球教室も恒例です。ことしも地元の8チーム(旭スポーツ少年団、一小スターズ、駅南ファイターズ、北小ビクトリー、スーパーキッズ裏館、須頃ジュニアクラブ、西小野球団隼クラブ、南ジュニアクラブ)から、合計124人の元気な少年少女が参加しました。
いつものようにバッテリー、内野手、外野手の3つに分かれて、ピッチングとキャッチング、打撃練習、守備練習を行います。バッテリーのところには当然メンデス投手もいるのですが、彼はいつものように他のピッチャーと“じゃれる”のが楽しくて仕方ない様子。山本投手とは特に仲良しで、聞いている限り何を言っているのかサッパリわからないのですが、2人とも普通に会話しています。メンデス投手が少し調子に乗って、山本投手にたしなめられるのも毎度のこと。
また、これまで機会がなかったと思われるキャンベル選手も参加して、少し控えめに(かなり戸惑い気味に)ボールをトスしたりしていました。まず、どこでどう動けばいいか、よくわからなかったみたいですね。まあメンデス投手とは違って物静かなキャンベル選手ながら、楽しそうな様子も見られてよかったです。
西田選手が子どもたちと接するときは本当に自然体で、というか子どものようで、相手もすぐに笑顔になります。新井選手は常に真剣で熱い“先生”ですし、今成選手は自ら楽しんでいるみたい。そうそう、野球教室ではいつも荒木選手のことも印象に残ります。ものすごく笑って、驚いて、その表情がすごく豊かですね。今回もこんな顔が撮れたので、最後にどうぞ。