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浦和ACL優勝 韓国の反応 「Kリーグ勢にとって気になるデータ」 レッズは一気に"4つ超え"

(写真:ロイター/アフロ)

6日に行われたAFCチャンピオンズリーグ(以下ACL)決勝で、2017年以来の3度目の優勝を果たした浦和レッズ。

試合後から翌7日午前中の韓国メディアは、ライバル国の偉業をどう報じたのか。

国内最大のポータルサイト「NAVER」には、14本の関連ニュースが掲載された。いずれも日本メディアの報道の引用や、サブスクを通じての中継を通じての報道が目立った。

「Jリーグの名家・浦和が、チャン・ヒョンスがプレーするアル・ヒラルを破り、3回目のACL優勝を果たす」(聯合ニュース)

韓国最大手の通信社はこう報じた。韓国にとっては元韓国代表CBチャン・ヒョンスが相手のアル・ヒラルに所属している点が大きな関心事。ちなみに日本よりも中東への選手進出が盛んな韓国では過去に同大会で「対戦相手に韓国選手」という実例が幾度かあった。

6日の対戦で興梠慎三と対するチャン・ヒョンス(韓国)
6日の対戦で興梠慎三と対するチャン・ヒョンス(韓国)写真:長田洋平/アフロスポーツ

「『幸運のオウンゴール』浦和、アルヒラルを下す...ACL通算3回目のチャンピオン」(inews24)

「浦和が『アジアの頂点』 枠内シュートなしでチャン・ヒョンスのアルヒラルを1-0で破り、6年ぶりACL優勝果たす」 (スターニュース)

幸運のオウンゴール、という表現は別媒体でも見られた。また「スターニュース」は決勝第2レグで浦和が枠内シュートなしだった点に注目。文中では「ボールポゼッションが30%を切ったにもかかわらず勝った」「アル・ヒラルに肉弾戦を挑んだ」などとも言及。直接的な言及はなかったものの、暗に「カタールW杯に続く"

耐えて勝つ日本"」の姿を伝えた。

その他特徴的な見出しを打ったのが「スポーツ韓国」。

「全北を破った浦和、チャン・ヒョンスのアルヒラルも破りアジアチャンピオンに輝く」

確かに昨年9月の準決勝にて全北現代モータースをPK戦で下した試合は韓国でも強烈なインパクトを残した。07年の同大会での城南一和(現城南FC)戦に続き、ゴール裏に大旗が結集。プレッシャーを掛ける様子は韓国でもYouTubeなどで高い再生回数を記録している。ましてや2010年代以来韓国で「1強」時代を続けてきた全北だけに国内でのインパクト大だった。

今大会準決勝にて 浦和は全北をホームの雰囲気も駆使して
今大会準決勝にて 浦和は全北をホームの雰囲気も駆使して"仕留めた"写真:YUTAKA/アフロスポーツ

「★★★ 浦和、相手オウンゴールに力を得てアルヒラルを1-0で撃破 合計2-1で勝利し通算3回目のACL優勝」(Interfootball)

星を3つ並べる大胆な見出しも見られた。もちろん大会3度めの優勝という意味。この媒体の他にも埼玉スタジアムを「日本サッカーの聖地」と記すところもあり、シンプルに優勝を称える向きもある。

ただしだ…。

この浦和の優勝、韓国としてもうかうかとはしていられないという面がある。同媒体はこういった記事も掲載し、"警鐘"を鳴らした。全身のアジアクラブ選手権からの通算優勝回数のデータを持ち出してのものだ。

「ACL通算3回目の優勝の浦和、"全北、蔚山、水原、城南"を抑えた…"浦項と同数"に」

浦和の大会初優勝は2007年だった
浦和の大会初優勝は2007年だった写真:ロイター/アフロ

枠内シュートが1本もないままチャンピオンに輝いた浦和。クラブ通算3回目の優勝で新たな歴史を築いた。

同クラブ(2007年、2017年、2022年優勝)は、同大会2回優勝の城南一和(現城南FC、1995年、2010年)、全北現代(2006年、2016年)、水原三星(2000-01年、2001-02年)、蔚山現代(2012年、2020年)を上回ることとなった。

イランのエステグラル、サウジアラビアのアル・イテハド、カタールのアル・サッドも同様である。

浦和は、浦項スティーラース(1996-97年、1997-98年、2009年)とともに、「ACL歴代優勝回数第2位」に躍り出た。この上にはこの日の対戦で勝利したアルヒラル(4回)のみが存在する。

そう考えると、今回の浦和の優勝はKリーグのクラブを大会優勝回数というデータにおいて「一気に4つ超え」する勝利でもあった。

また、アル・ヒラルの優勝回数での独走を防いだ意味でも大きい。ちなみにアル・ヒラルは2021年大会決勝で韓国の浦項を下しているから、アジアの視点で見るとアル・ヒラル(優勝回数4回)、浦和(同3回)、浦項(同)のデッドヒートは熾烈。この3クラブが「アジアの3強」となった6日の大一番でもあった。

(了)

吉崎エイジーニョ ニュースコラム&ノンフィクション。専門は「朝鮮半島地域研究」。よって時事問題からK-POP、スポーツまで幅広く書きます。大阪外大(現阪大外国語学部)地域文化学科朝鮮語専攻卒。20代より日韓両国の媒体で「日韓サッカーニュースコラム」を執筆。「どのジャンルよりも正面衝突する日韓関係」を見てきました。サッカー専門のつもりが人生ままならず。ペンネームはそのままでやっています。本名英治。「Yahoo! 個人」月間MVAを2度受賞。北九州市小倉北区出身。仕事ご依頼はXのDMまでお願いいたします。

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