【NHLドラフト】1巡目指名にDFが14人! 今年のドラフトを見たら日本人選手にもチャンスが来る!?
将来のスター候補たちが指名を待つ「NHLドラフト」が、昨夜(現地時間)ダラス スターズのホームアリーナの、アメリカンエアラインズ センターで始まり、1巡目の指名を終えました。
▼大本命のスウェーデン人が全体1位指名
全体1位指名権を持つバッファロー セイバーズが、イの一番に指名したのは、ラスムス・ダリン(18歳/スウェーデン生まれ/スウェーデンリーグ・フロルンダ)!
ダリンは有力選手が揃うスウェーデンのピョンチャン(平昌)オリンピック代表に、10代で唯一選ばれたほど、卓越したスキルを誇る選手。
7季続けてプレーオフへ進めずにいるバッファローは、この逸材を見逃すことなくダリンを指名しました。
スウェーデン人選手が全体1位指名を受けたのは、1989年にケベック ノルディックス(現コロラド アバランチ)から指名され、のちにトロント メイプルリーフスのキャプテンを務めたマッツ・サンディンに続いて、史上二人目!
国際連盟が定める世界ランキング(男子)2位のアイスホッケー強国から、新たなスターが誕生しそうです。
▼2位と3位指名もヨーロピアン
ダリンに続いて、カロライナ ハリケーンズから全体2位指名を受けたのは、FWの アンドレイ・スベチニコフ(18歳/ロシア生まれ/オンタリオ ホッケーリーグ・バリーコルツ)
続く全体3位は、FWの ジェスペリ・コッカニエミ(18歳/フィンランド生まれ/フィンランドリーグ・アサット)を、モントリオール カナディアンズが指名。
今年の上位指名3人は、いずれもヨーロッパ出身の選手となりました。
▼モントリオールがサプライズ指名
ヨーロッパ出身の選手を指名した3チームのうち、バッファローとカロライナの指名が予想どおりだったのとは対照的に、モントリオールは、メディアもファンもビックリの ”サプライズ指名” となりました!
というのも、コッカニエミは、NHLの公式ドラフト候補選手ランキングの順位(ヨーロッパでプレーするFW&DF部門6位)よりも、高い評価での指名だったからです。
ところが、モントリオールのマーク・バージュビンGMは、「攻守の核を担うCF(センターフォワード)の中で最高の選手を指名できた」と満足気な様子。
対して、当初はモントリオールの1巡目指名候補と報じられていたFWのブレディ・カチャック(18歳/アメリカ生まれ/ボストン大学)は、オタワ セネターズから1巡目指名(全体4位)を受けました。
ウィニペグ ジェッツでデビューした父親のキース(46歳・元セントルイス ブルースFW)、カルガリー フレイムスのポイントゲッターとして活躍中の兄 マシューに続いて、NHLでのキャリアを、カナダのチームからスタートすることになりそうです。
▼スター選手が名前を呼んでくれた!
今年のNHLドラフトは、ダラスのアメリカンエアラインズ センターが舞台となっていることから、ダラス スターズの選手やOBが会場にやってきて、盛り上げに一役買う姿が見られました。
昨夜もダラスがチャンピオンになった時の看板FWマイク・モダノ(48歳・元シニアアドバイザー)と、現在の看板FWのジェイミー・ベン(28歳)が会場に駆けつけ、ダラスが1巡目に指名する選手の名前をアナウンス!
もっとも、このような演出は多くのチームが行っていて、珍しいことではありません。
今季のプレーオフでMVPに輝いた、ワシントン キャピタルズの アレックス・オベチキン(FW・32歳)も、自身が指名された2年後のドラフトで、ワシントンが1巡目指名をする際に、”大役”を仰せつかり、ジョージ・マクフィーGM(現ベガス ゴールデンナイツGM・59歳)からのレクチャーを受けたあと、、、
ニクラス・バックストローム(FW・30歳)の名前をアナウンスしました。
ドラフト指名という節目の日に、チームメイトになるスタープレーヤーから名前を呼ばれた選手や家族は、一生の思い出になるでしょう。
▼1巡目指名にDFが14人!
初日の指名を終えた今年のNHLドラフトで、最大のトピックスは、
「1巡目指名された31人の中に、DF(ディフェンスマン)が14人もいたこと!」
これは2012年の「13人」を上回り、1963年に最初の「NHLドラフト(当時の名称はNHLアマチュアドラフト)」が開催されて以来、最も多い数字です。
日本のプロ野球のドラフトでも、「好投手が多い年」や「野手に逸材が揃っている」という、年ごとの傾向がありますが、1巡目指名を見る限り、今年のNHLドラフトの傾向は「DFに好選手が多くいる」と言えるでしょう。
▼日本人選手にもチャンスが来る!?
さらに精査してみると、1巡目で指名されたDFの14選手のうち、身長が6フィート(およそ182.9cm)以下の選手が7人もいるのです!
2000年代半ば頃までは、サイズの大きいDFが、NHLの各チームで守りの要を担っていました。
しかし、その後はスティックを用いた妨害プレーに対するジャッジが厳しくなり、スピードを武器にするプレーヤーが数多く台頭。
今年のドラフトで1巡目指名を受けたDFの身長にも、この傾向が少なからず表れているようです。
筆者が1990年代から取材や中継に携わり続けてきた中で、「レベルの高い選手と対しても、日本の選手はスピードだけなら対応できる」との声を、何度も耳にする機会がありました。
NHLの流れを受けて「今年のドラフトを見れば、日本人選手にもチャンスが来る!」と断言できるようになる日が来れば、うれしい限りなのですが。。。