【京都市上京区】堀川の水の上にかやぶきの茶室をつくったよ! 学園祭で地域の人にも薄茶をふるまいます。
「川の上に何かでき始めてるし、これは何?」とのSNS情報を見て、堀川遊歩道の丸太町橋下手に行ってみました。突然、茅葺の茶室が現れるたようにも思えますが、地元の人に聞くと、「今年も始まったな」と風物詩にもなっているのだそう。
京都の大学や専門学校などでは学園祭のシーズンが近づいています。堀川下立売にある京都建築専門学校(外部リンク)でも2021年11月5日から7日まで、建工祭が行われます。実はこの茶室、堀川茶室と言って、オープンキャンパスとして、ここ十年、大工部や設計部の生徒たちによって、卒業制作として建てているのだとか。
同校の佐野春仁校長とOBでもある 山城萱葺株式会社(外部リンク)の山田雅史代表取締役の指導の下、学生ら約20人で、丸太を縄で固定していく伝統技法などを学びながら、茶室を組み立てました。
竹や杉は、京北の放置林から自分たちで間伐した木材を調達しました。切妻屋根の上に、京北で、こちらも自分たちで刈り取ったもち米の後の萱を敷き詰めていきます。佐野校長は、「丸太を縄で結ぶことをはじめ、伝統技術の継承を続けていきたいですね。市や地元からずっと置いといてとも言われるのですけど、3日間で取り壊しです」と話します。
山田社長も「萱葺はススキにくらべて、数年で吹き替えが必要になりますが、素朴で味わいがあって、蓄熱しないので涼しいです。コンクリのように産廃にならないですし、できる限り植物再生資源を使っていく技術を、若い人たちに受け継いでいってもらいたいんです」と思いを語ってくださいました。
全校生徒の1割の女子学生の内、この日の制作に参加した、森川美来さん(20)と伊藤侑己菜さん(20)は、「川の上に土台の柱を作る作業が難しかった」「授業でやってる町家再生の体験と合わせて、屋外での貴重な体験ができて嬉しい」「楽しかったよね」と話していました。
学園祭当日は、お茶部の生徒たちによって、一般の人たちにも薄茶がふるまわれます。新型コロナウイルス感染症対策はしっかり行ったうえで、屋外の開放的な空間に出かけてみませんか。
堀川茶室(臨時) 京都市上京区 東堀川通竹屋町 竹屋町橋下遊歩道
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