万波中正の「350打席未満&100三振以上」はどれくらい珍しいのか。三振率は35.7%
昨年、100三振以上を喫した打者は、パ・リーグに11人、セ・リーグには9人いた。計20人のうち、135三振の杉本裕太郎(オリックス・バファローズ)と112三振の万波中正(北海道日本ハム・ファイターズ)、103三振のネフタリ・ソト(横浜DeNAベイスターズ)の3人は、規定打席に届かなかった。
杉本とソトは、規定打席に近かった。それぞれ、432打席と412打席なので、11打席と31打席の不足だ。けれども、万波は、規定打席よりも100以上少なく、314打席だった。
今世紀に入ってから、シーズン100三振以上を記録した打者は、延べ418人を数える。そのなかに、規定打席未満は37人いるものの、350打席未満は8人だ。さらに少ない315打席未満は、2010年のランディ・ルイーズと昨年の万波しかいない。
この2人のシーズン三振率は、どちらも35%を超えた。36.5%と35.7%だ。これらの数値は、今世紀にシーズン100三振以上の418人中、2021年に38.0%の佐藤輝明(阪神タイガース)に次ぎ、2番目と3番目に高い。
また、昨年の万波は、三振が多い一方で、四球は少なかった。四球は12、四球率は3.8%だ。BB/K1.11は、418人のなかで3番目に低い。
それでも、万波は、14本のホームランを打ち、パワーの片鱗を覗かせた。4月で23歳と若く、フリースウィンガーではなくなるとは思えないが、スラッガーとして台頭する可能性はある。
ちなみに、昨年の佐藤は、三振率が大幅に改善され、22.7%まで下がった。四球率も5.5%→8.5%と上昇。BB/Kは、0.14→0.37と推移した。佐藤は、万波の1歳上だ。
なお、2021年に佐藤が記録した三振率38.0%は、20世紀も含めると「最高」ではない。すべてを調べたわけではないが、ラルフ・ブライアントは、1990年に461打席で198三振を喫し、三振率43.0%というとんでもない数値を残している。
ブライアントは通算の三振率も高く、35%を超える。それについては、2020年の夏にこちらで書いた。