卒業論文に取り組まれる愛子さま 両陛下からのアドバイスは?
愛子さまは大学最後の夏休み、一般的な女子大生と同じように過ごすことが出来るのか、また、そのことを可能にするにはどうすればよいのか、皇室解説者に取材し、天皇家の内親王としての愛子さまのお立場について、先週記事にまとめてみた。
しかし、よく考えれば、愛子さまは大学4年生。夏休みといえども、卒業論文の作成に多くの時間を割かれることは想像に難くない。
資料となる文献を読んだり、構想を考えたりなど、一生懸命に取り組まれていることだろう。そんな愛子さまのご相談相手は、やはりご両親である天皇皇后両陛下だ。
◆愛子さまにとって両陛下は貴重なアドバイザー
天皇陛下は同じ学習院大学の文学部を卒業されているものの、専攻されていたのは史学科であった。雅子さまはハーバード大学で経済学を専攻されていた。
一方、愛子さまは文学部日本語日本文学科と、ご両親と学問の系統は違いがあるが、関心がある分野について、愛子さまはこう答えられている。
「以前から興味を持っておりました『源氏物語』などの平安時代の文学作品、物語作品を始め、古典文学には、引き続き関心を持っております」
古典文学への興味を深める愛子さまにとって、歴史に詳しい陛下は心強い味方となられるかもしれない。雅子さまもまた、その論文が名門ハーバード大学で高い評価を得ていたことから、全体構成やテーマの構築などに、適格なアドバイスが期待できる。
会話の多いご家族だけに、この夏休み、愛子さまの卒業論文がご家族の話題にのぼるのではないだろうか。
◆大学時代の雅子さま 卒業論文のテーマは…
ハーバード大学はキャンパス内に12の学生寮があり、当時、雅子さまは赤レンガと白い窓が優美な、ローウェルハウスという学生寮で暮していらっしゃった。
雅子さまの専攻は数理経済学といって、複雑な計算式を用いて経済を紐解いていくもので、ちょっとやそっとでは理解しがたいほど、難しい印象を受ける。
雅子さまの卒業論文のテーマは、『External Adjustment to Import Price Shocks:Oil in Japanese Trade(輸入価格ショックに対する外的調節:日本の貿易における石油)』。
タイトルを聞くだけで、専門的で難解なことが伝わってくるが、雅子さまがハーバード大学を卒業されたのは昭和60年。日米貿易摩擦の激化を解消するためプラザ合意が結ばれ、日本がバブル経済に突入した時だった。
この卒業論文は大学側に高く評価され、雅子さまは成績が優秀である学生だけが受賞できる「Magna Cum Laude (マグナ・クム・ラウデ)」に輝かれた。
ともあれ、雅子さまは文系というより理数系に軸足を置いているようにも感じるので、愛子さまの日本文学の分野とは接点があるのかは疑問ではあるが、きっと論文を作成する上での考え方や着想などは、先述したように愛子さまの参考になる助言を下さるのではないだろうか。
◆陛下が卒論を書く上で、決め手になったものとは…
愛子さまと同じ文学部に在籍された天皇陛下が、大学4年生の時、卒論のテーマに選ばれたのは、中世における瀬戸内海の海上交通だった。
以前から中世の海上交通に関する分野の研究が、未開拓であることをご存じだった陛下は、瀬戸内海の地域を取り上げたいと思っていた矢先、偶然、まだ世の中に出ていない海上交通に関する歴史的な史料と出会い、卒論のテーマとすることを決められたという。
人と人との交流がこれまで知らなかった世界への目を開かせてくれるように、研究においても「出会い」が新たな扉を開いてくれるのだ。きっと陛下は、ご自分の経験を愛子さまに話して差し上げていることだろう。
愛子さまは学習院大学で「源氏物語」や「新古今和歌集」、「奥の細道」など、さまざまな古典を学ばれていることが報じられている。
これまでにない独自の視点で文献を調査する過程で、陛下のようにこれまで知られていなかった歴史的な史料との出会いが、論文のヒントやアイデアに繋がるかもしれない。
古典の世界に知的好奇心の翼を羽ばたかせて、卒業論文では愛子さまならではのテーマを見出されることだろう。
「上皇ご夫妻ゆかりの『軽井沢』 貴重な写真とともに歩く」
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/6c8b91f7db924a89435606739a6f4dfeded3b069