Yahoo!ニュース

神戸の港でオークション!美味いもん&鮮魚の格安販売も。漁港イベントが面白い【神戸市】

Hinata J.Yoshioka旅するフォト&ライター(神戸市)

海と山の街、神戸。その海に浮かんでいるのは、観光船だけではありません。そう、漁船も沢山走っているのが神戸の海。

瀬戸内の美味しい魚がふんだんに獲れる神戸。海岸線沿いには7つの漁港がありますが、その内のひとつが長田区にある「駒ヶ林漁港」です。

「海と、魚と、」というタイトルがついたこのイベントですが、このイベントの為だけに漁師さんが獲ってきた魚をここで販売、とにかく新鮮でいい魚が安く手に入るとあって、売り場は人と魚でいっぱいです。

年に2度ほどやっているこのイベント、今回が初の試みとなる「魚のオークション」が本日の目玉。開始の鐘が鳴らされると人々がわんさか集まって来ましたよ。

魚を前にして、言葉巧みにオークションを楽しく盛り上げているのは駒ヶ林漁業会会長の前田さん。出てくる魚を次々と紹介、思わず欲しくなって皆さん積極的に手をあげ、値段を叫びます。

子供たちもオークションに参加、あちこちから「600円!」「700円!」と、可愛い声が聞こえて来ます。自分で競り落とした魚を嬉しそうに持ち帰る姿がとても印象的でした。

メバル、アコウ、渡蟹、黒鯛、海老などが次々と安値で競り落とされていきます。調理法なども交えながら楽しく魚の説明をしてくれるので、聞いていても飽きません。

あまり見かけないような魚もあって、見ているだけでも面白いオークション。この40センチほどある魚は「コイチ」というそうで、こんなに大きいのですが、もう最後とあって500円で買われていきましたよ。

さてさて、お腹がすいてきました。今日は新鮮な魚を使った料理の屋台もたくさん出ているので、何を食べるかとにかく迷うところ。あちこちの店を見ながら真剣にチョイスします。

食べたなかでも特に美味しかったのが、神戸産釜揚げの「しらす丼」です。ふわっふわのしらすに、ネギ、カツオ、海苔、温玉、ご飯。しっかり混ぜてから頬張ります。塩分も旨味もちょうど良くて、自然な風味がじんわり染みます。

神戸沖は、瀬戸内海の海流と六甲山系から流れる地下水がぶつかりプランクトンが発生する、栄養豊富な海なのだとか。神戸はホントに恵まれていますよね。

「このシラスって底引き網で獲ってるん?」と、隣で食べていた友人に聞かれて「うーん、どうやろ」と曖昧に答えると、「底引き網やなかったら何なん?一本釣り?」と言われてご飯を吹き出しそうになりました。しらすの一本釣りて。

後で知りましたが、船ひき網漁なのだそうです。

「黒鯛汁」は、炭火で焼いた黒鯛の身がプリッとして、しっとり。海をそのまま頂いているような幸せな心地に。新鮮な魚ってこんなに美味しいのかと驚くばかりです。

しらす入りの卵焼きや、タコの唐揚げ、黒鯛のカレーなど他にもいろいろありましたよ。食事場所が、これまた素敵な港内です。海に浮かぶ漁船を間近に見て、潮風を感じながら食べるご飯の美味しいこと。

イベントでは道路が歩行者天国になっていて、子供も安全に遊べます。魚の販売は整理券を配っていて、QRコードで見れば自分の時間が分かるようにもなったそうで、ずっと並んでいなくても会場で自由に楽しめるように変化したのだとか。

「神戸と漁業というのがなかなか結びつかないようで。そのイメージがわかないというのがあって、それを変えたいんです。政令指定都市でありながら、漁業も盛んというのが珍しいですよね。しかも良質な魚が獲れる」と、前田さん。

「神戸沖は魚種も豊富で、実はアジ、サバ、イワシなどはほとんど豊洲に行ってるんです。東京で売れるというのはそれだけ認められたものだと。瀬戸内産を選んでもらってるんですよね、脂のノリがいいから」

魚はここから豊洲まで行き、お寿司屋さんのネタなどに選ばれているのだとか。そんな美味しいものが身近にあったことに、気づいてなかったのがもったいないと思いました。

漁師さんから直接買う魚。活きのいい掛け声が響く中でやり取りを楽しみながらする買い物。スーパーしか知らない子供たちにもぜひ体感してもらいたい場所でもあります。

年に2度ほど開催している「海と、魚と、」。次回も要チェックですよ。他にも、垂水漁港では毎週土曜日に「土曜市」を、4月から12月の第1・3水曜日に「漁業デー」を開催。神戸の豊かな海を体感しに行ってみてはいかがでしょうか。

「海と、魚と、」←今回は終了いたしました
日時:2024年3月31日11:00-15:00場所:兵庫県神戸市長田区駒ヶ林魚市場周辺(神戸市長田区駒ヶ林町3-1)

垂水漁港「土曜市」、「漁業デー」(外部リンク)
↑水揚げされた鮮度抜群のお魚や加工品を、お値打ち価格で販売

<関連記事>

旅するフォト&ライター(神戸市)

旅なしに人生は語れない、ノマド系フォトライター。国内から世界各国まであちこち歩きまわって取材する、体当たりレポートを得意とする。趣味は美味しいもの食べ歩き、料理、音楽、ダンス、ものづくり、イベント企画などなど、気になる物には何でも手を出してしまう。南国気質で、とにかくマイペースな自由人。

Hinata J.Yoshiokaの最近の記事