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開幕直前、U-19日本代表23名全員ガイド(1999年〜2001年生まれ)

川端暁彦サッカーライター/編集者
世界切符を懸けた戦いに臨むU-19日本代表の面々(写真はすべて佐藤博之)

世界を狙う日本の若き最精鋭

 10月19日からU-19日本代表がアジアでの戦いをスタートさせる。狙うは4強以上に与えられる来年のU-20W杯出場権。ここではJリーグで存在感を見せる選手から冬の高校サッカー選手権における活躍が期待される選手まで多彩な人材がそろったU-19代表23名全員を紹介していきたい。

 基本となるフォーメーションは[4−4−2]なので、それに沿った形での紹介となるのだが、[3−4−2−1]などのオプションのシステムも準備されており、中2日での試合が続くタイトな日程から選手起用自体も流動的なものになりそうだ。

【ゴールキーパー】

左から若原智哉、谷晃生、大迫敬介。日の丸の守護神たち
左から若原智哉、谷晃生、大迫敬介。日の丸の守護神たち

No.1

若原 智哉(わかはら・ともや)

京都サンガF.C.

1999年12月28日生

185cm/83kg

京都サンガF.C.U-18出身

京都の育成組織が輩出した“古都のデューター・ミューラー”。2年前のAFC U-19選手権優勝を飛び級招集で経験している今大会唯一のメンバーでもある。高卒ルーキーながらJ2で12試合の先発出場を経験しており、東京五輪世代全体を見ても数少ないJトップチームでの経験値を持つ選手。

No.12

谷 晃生(たに・こうせい)

ガンバ大阪ユース

2000年11月22日生

189cm/82kg

ガンバ大阪ユース出身

昨年のU-17W杯でもゴールを守った大型GKで、ポジション争いで年上の先輩二人を凌駕しつつある。今年8月のU-19ブラジル代表戦でも傑出したプレーを見せて評価を高めた。「U-16のアジア予選でイラクに負けているので、そこに懸ける思いはある」と、第3戦には特別な闘志を燃やす。

No.23

大迫 敬介(おおさこ・けいすけ)

サンフレッチェ広島F.C

1999年7月28日生

186cm/86kg

サンフレッチェ広島F.Cユース出身

鹿児島県出水市育ちの快男児。ユースから親元を離れ、広島での寮生活を選んだ。高いセービング能力と勇敢な飛び出しを武器とし、この世代のGKをリードする選手だが、高卒ルーキーとして今季加入した広島では出場機会に恵まれておらず、実戦の勘に不安を残すのは否めない。

【センターバック1】

橋岡大樹(左)と三國ケネディエブス。個性抜群の二人だ
橋岡大樹(左)と三國ケネディエブス。個性抜群の二人だ

No.4

橋岡 大樹(はしおか・だいき)

浦和レッズ

1999年5月17日生

182cm/73kg

浦和レッズユース出身

恵まれた身体能力と類いまれな闘志を武器に戦うDF。浦和では右サイドでプレーする機会が多いものの、このチームでは守備の柱として中央を担ってきた。セットプレーでは得点源としても期待される。東京五輪を狙う走り幅跳びの橋岡優輝を始めとして、親族にもアスリートが多い。

No.22

三國 ケネディエブス(みくに・けねでぃえぶす)

青森山田高

2000年6月23日生

192cm/80kg

青森山田中出身

今大会、現役の高校サッカー部員からは唯一の選出となった。長身と長い手足を活かして蜘蛛の巣のように相手の攻撃を絡め取り、元FWの経験値を活かしてセットプレーでも脅威となる。両足からのフィードもあり、また足もかなり速い。来季からアビスパ福岡への加入が内定している。

【センターバック2】

左から瀬古歩夢、小林友希。U-15代表時代からのライバルであり、名コンビ
左から瀬古歩夢、小林友希。U-15代表時代からのライバルであり、名コンビ

No.15

瀬古 歩夢(せこ・あゆむ)

セレッソ大阪

2000年6月7日生

183cm/72kg

セレッソ大阪U-18出身

ミサイルのような高速フィードに攻撃を形作り、ゴール前での白兵戦となれば屈強な肉体でゴール前の盾として機能する。負傷に苦しんだ時期が長く、U-17W杯出場も逃した。それだけに「U-20W杯への思いは強い」。またセンターバックだけでなく、ボランチとしてもプレーできる。

No.3

小林 友希(こばやし・ゆうき)

ヴィッセル神戸U-18

2000年7月18日生

183cm/73kg

ヴィッセル神戸U-15出身

ルヴァンカップでトップチームデビューした際は本人も驚きのボランチ起用だったが、本職はセンターバック。左利きの特長を活かして知的にビルドアップへ絡める点が特長で、一気にピッチの端まで狙うロングパスも冴える。負傷の影響も心配されていたが、何とか大会に間に合った。

【右サイドバック】

左から菅原由勢、石原広教。どちらもムードメーカーである
左から菅原由勢、石原広教。どちらもムードメーカーである

No.5

菅原 由勢(すがわら・ゆきなり)

名古屋グランパスU-18

2000年6月28日生

179cm/67kg

名古屋グランパスU-15出身

今季はU-18在籍のままトップチームデビューを飾り、一時はセンターバックのレギュラーを張って貴重な経験を積み上げた。DFでもMFでも何でもこなせる頭脳派のオールラウンダーで、このU-19代表では右サイドバックでの起用が濃厚。現在のこだわりは「守備のポジショニング」。

No.17

石原 広教(いしはら・ひろかず)

湘南ベルマーレ

1999年2月26日生

169cm/65kg

湘南ベルマーレU-18出身

「ガッツ石原」という愛称を付けたくなるタフな守り、粘り強さを見せるファイター系のDF。右のウイングバックやセンターバックをこなすこともできる。MF齊藤未月とは湘南ベルマーレジュニアに加入するまでの間にプレーしていた藤沢FC時代からの僚友であり、幼馴染み。

【左サイドバック】

左から東俊希と荻原拓也。共に超攻撃派のサイドバック
左から東俊希と荻原拓也。共に超攻撃派のサイドバック

No.2

東 俊希(ひがし・しゅんき)

サンフレッチェ広島F.Cユース

2000年7月28日生

180cm/69kg

FCゼブラ出身

前所属のFCゼブラは愛媛県にあるクラブチーム。高校からスカウトを受けて広島ユースへ加入し、すでにトップチームへもデビュー済み。身体的に恵まれた素養があり、縦への突破と左足からのクロスで勝負できる。U-17W杯は負傷で棒に振ったが、見事に復活した。

No.21

荻原 拓也(おぎわら・たくや)

浦和レッズ

1999年11月23日生

175cm/69kg

浦和レッズユース出身

“組長”の異名で知られるようになった大槻毅氏(当時は浦和ユース監督)に才能を見出され、左サイドのスペシャリストとして育成された(が、トップではまさかの攻撃的な起用だった)。爆発的な走力を活かして敵陣右翼を貫き、高速クロスで決定機を演出する。また得点力も備える。

【ボランチ1】

左から藤本寛也、齊藤未月
左から藤本寛也、齊藤未月

No.8

藤本 寛也(ふじもと・かんや)

東京ヴェルディ

1999年7月1日生

175cm/67kg

東京ヴェルディユース出身

スキルフルなレフティーはビルドアップに絡みながら、フィニッシュワークにも関与していくセントラルMF。この代表チームでは右サイドMFとしてプレーすることも多い。「相手は日本対策を立ててくると思う」というアジアの戦いでは、この男が加える変化が一つのポイントとなりそうだ。

No.6

齊藤 未月(さいとう・みつき)

湘南ベルマーレ

1999年1月10日生

165cm/64kg

湘南ベルマーレU-18出身

小柄ながら球際の強さと激しさ、そして切り替えの素早さを活かしてボールを奪い取る能力に長じるMFで、アジアでの戦いにも「Jリーグのほうが球際は強いと思っている」とプロの舞台で培った自信を見せる。日本での国内合宿の中で、正式にキャプテンへの指名を受けた。

【ボランチ2】

左から伊藤洋輝、山田康太。チームの舵取り役を担う
左から伊藤洋輝、山田康太。チームの舵取り役を担う

No.7

伊藤 洋輝(いとう・ひろき)

ジュビロ磐田

1999年5月12日生

188cm/80kg

ジュビロ磐田U-18出身

U-21日本代表に飛び級招集されるなど、この世代でトップクラスのタレントと評価される大型MF。左足からの正確なシュートとフィードを備え、中盤の軸と見込まれる。「相手は日本を潰しに来ると思うけど、上手さだけじゃなく、球際でもハードワークでも負けずにやる」と意気込む。

No.19

山田 康太(やまだ・こうた)

横浜F・マリノス

1999年7月10日生

175cm/60kg

横浜F・マリノスユース出身

招集されるたびに少しずつ序列を高めて本大会メンバーに食い込んできた。横浜FMユース出身者らしい高い技術を武器に中盤で攻撃を構成する。今年は右サイドバックも経験し、守備面でも力を付けた。直前の練習試合では頭を強打して交代となって影響も心配されたが、問題はなさそうだ。

【右サイドハーフ】

左から郷家友太、滝裕太。二人とも色々な位置ができるので、このポジション分けは余り意味がなかったりする
左から郷家友太、滝裕太。二人とも色々な位置ができるので、このポジション分けは余り意味がなかったりする

No.14

郷家 友太(ごうけ・ゆうた)

ヴィッセル神戸

1999年6月10日生

183cm/74kg

青森山田高出身

高校サッカーで全国2冠を達成したMFは、高卒ルーキーとして加入した神戸でも早々に出番を掴み、イニエスタとも共演する中で技を磨いてきた。足元のテクニックに加えて183cmの長身に加えて筋力もあり、ヘディングでも強さを見せる。雪のモンゴルでも驚異的な足腰の強さを見せた。

No.16

滝 裕太(たき・ゆうた)

清水エスパルス

1999年8月29日生

167cm/56kg

清水エスパルスユース出身

走って抜いて点も取れてアシストもできる攻撃的MF。左右のMFに加えて3バックシステムにおけるウイングバックをこなせる走力・戦術理解力も備える。清水ユースで「れんたろう」と呼ばれていたときは何のことだか分からなかったが、高名な作曲家に由来する愛称だった。

【左サイドハーフ】

左から安部裕葵と斉藤光毅。チーム最年長組と最年少組である。やはりポジション分けにそこまで意味はない
左から安部裕葵と斉藤光毅。チーム最年長組と最年少組である。やはりポジション分けにそこまで意味はない

No.10

安部 裕葵(あべ・ひろき)

鹿島アントラーズ

1999年1月28日生

171cm/65kg

広島県瀬戸内高出身

鹿島が誇る走れるファンタジスタ。無名に近い存在だったが、鹿島の慧眼スカウトによって見出され、高卒1年目の昨季から頭角を現した。年代別日本代表への初招集もプロ入り後である。鹿島での連戦で肉体的なダメージがあり、国内合宿では別メニュー調整。コンディションにはやや不安も。

No.18

斉藤 光毅(さいとう・こうき)

横浜FCユース

2001年8月10日生

170cm/61kg

横浜FCジュニアユース出身

昨年はU-17W杯の切り札と期待されるも、無念の負傷離脱。飛び級招集となったU-19代表で世界への再チャレンジに挑む。キレのあるドリブルから流れるように繋がるシュートが武器で、攻守の切り替えやルーズボールへの反応にも優れる。FW登録だが、サイドMFでの起用がありそうだ。

【ストライカー1】

左から田川亨介と宮代大聖。得点源と期待される
左から田川亨介と宮代大聖。得点源と期待される

No.11

田川 亨介(たがわ・きょうすけ)

サガン鳥栖

1999年2月11日生

181cm/70kg

サガン鳥栖U-18出身

U-19日本代表の「兄貴」的な存在で、前線の柱となる。昨年のU-20W杯へも飛び級招集されたが、不満足な出来に終わっており、今大会から世界へ再挑戦する思いは非常に強い。長身だが、ポストプレーよりも裏抜けに優れるスピード系のストライカーで、豪快な左足シュートが武器。

No.20

宮代 大聖(みやしろ・たいせい)

川崎フロンターレ

2000年5月26日生

178cm/73kg

川崎フロンターレU-18出身

相手DFを背中で抑えてボールを持てるセンターFWで、動き出しの上手さ、足元の柔らかさも光る。どんなタイプとでも問題なく組める部分を含め、元日本代表FW柳沢敦を彷彿とさせるところもある。右足から繰り出すシュートも特長で、直接FKからゴールを狙う力も備える。

【ストライカー2】

左から久保建英と原大智。共にFC東京の育成組織出身
左から久保建英と原大智。共にFC東京の育成組織出身

No.9

久保 建英(くぼ・たけふさ)

横浜F・マリノス

2001年6月4日生

173cm/67kg

FC東京出身

今季途中にトリコロールへ新天地を求めたストライカー。ゴール前でクールになれる個性があり、ドリブル・パス・シュートのスキルを独立させず、シームレスに繋げることができる選手で、決定力に秀でる。直前の練習試合ではヘッドでのゴールも決めており、クロスに入っていくプレーも進化している。

No.13

原 大智(はら・たいち)

FC東京

1999年5月5日生

189cm/76kg

FC東京U-18出身

189cmの超大型FWだけにポストプレーや空中戦を期待したくなるが、背が急激に伸びたのが遅かったこともあり、むしろオフ・ザ・ボールの動き出しや駆け引きで勝負するタイプ。ただ、体の厚みも少しずつ増し、肉弾戦での存在感も徐々に増してきた。出発直前の練習試合では2得点の活躍を見せた。

まず目指すは来年のポーランド。そして2020年の東京五輪、2022年のカタールW杯となる
まず目指すは来年のポーランド。そして2020年の東京五輪、2022年のカタールW杯となる

AFC U-19選手権大会日程(時間は日本時間)

【グループステージ】

10月19日 21時〜 第1戦「vs北朝鮮」

10月22日 21時〜 第2戦「vsタイ」

10月25日 18時〜 第3戦「vsイラク」

【ノックアウトステージ】

10月28日 準々決勝

11月1日 準決勝

11月4日 決勝

【世界大会】

2019年5月23日〜 U-20ワールドカップ(ポーランド)

サッカーライター/編集者

1979年8月7日生まれ。大分県中津市出身。2002年から育成年代を中心とした取材活動を始め、2004年10月に創刊したサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊事業に参画。2010年からは3年にわたって編集長を務めた。2013年8月をもって野に下り、フリーランスとしての活動を再開。古巣の『エル・ゴラッソ』を始め、『スポーツナビ』『サッカーキング』『サッカークリニック』『Footballista』『サッカー批評』『サッカーマガジン』『ゲキサカ』など各種媒体にライターとして寄稿するほか、フリーの編集者としての活動も行っている。著書『2050年W杯日本代表優勝プラン』(ソルメディア)ほか。

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