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イランとロシア

高橋和夫国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

ロシアとウクライナの大規模な軍事衝突にイランは困惑させられた。というのはイランは、この両国と良好な関係にあったからだ。経済制裁で欧米の航空機が輸入できなくなったイランはロシア製の航空機を輸入し、ウクライナ人のパイロットを雇い入れて国内線を運航した。またロシアは、イランの核問題をめぐる交渉で同国寄りの政策をとってくれた。

2022年にロシアのウクライナに対する軍事侵攻が起こると、イラン外務省はバランスを取ろうとして苦渋した。イランはウクライナの主権と領土の保全を訴える一方で、他方ではNATOの拡大を批判した。しかしながら、おそらくイラン国内でのロシアとの軍事関係の強化を求める声が強まったのだろう。2022年秋あたりからイラン製のドローンがロシア軍によって使われるようになった。

そして2024年9月には、今度はイランがミサイルをロシアに輸出しているとの報道が流れ始めた。イランは、この事実を否定しているのだが。さらにロシアはイランに対して最新鋭のジェット戦闘機や地対空ミサイルの輸出を始めたようた。両者間の軍事関係が深まっているのは明らかだ。

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イラン革命、イラン・イラク戦争、湾岸危機・戦争、アメリカ同時多発テロ、アフガン戦争、パレスチナ問題、イラク戦争、アラブの春と続発する事件に関して30年以上にわたり発言を続けてきました。またオフレコでメディア、官庁、政党、企業などに対し、そして名前を公表できない人々を含め日本の指導層のために助言とブリーフィングを行ってきました。高橋和夫の情報への感性に共鳴する方々のために分析を提供します。

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国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

国際情勢をわかる言葉で、まず自分自身に語りたいと思っています。北九州で生まれ育ち、大阪とニューヨークで勉強し、クウェートでの滞在経験もあります。アメリカで中東を研究した日本人という三つの視点を大切にしています。映像メディアに深い不信感を抱きながらも、放送大学ではテレビで講義をするという矛盾した存在です。及ばないながらも努力を続け、その過程を読者の皆様と共有できればと希求しています。

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