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エンジェルスを去った10日後にエンジェルスへ戻る。ウェーバー移籍とウェーバー移籍

宇根夏樹ベースボール・ライター
左から、M.デュボン、L.ソト、B.ドゥルーリー Jun 3, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 2月18日、ロサンゼルス・エンジェルスは、内野手のリバン・ソトをボルティモア・オリオールズから獲得した。

 オリオールズは、2日前にソトを40人ロースターから外した。DFAだ。ウェーバー公示されたソトに対し、エンジェルスが獲得の名乗りを上げ、手に入れた。

 ソトは、今月8日にエンジェルスからオリオールズへ移籍したばかりだ。この時も、方向が違うだけで、経緯は同じだった。

 エンジェルスは、リリーフ投手のホゼ・シスナレオと1年175万ドルの契約を交わし、シスナレオを40人ロースターに入れるため、ソトを外して枠を空けた。

 オリオールズは、フィラデルフィア・フィリーズがウェーバーにかけていたユーティリティのディエゴ・キャスティーヨを手に入れ、ソトを40人ロースターから外し、そこにキャスティーヨを加えた。

 一方、ソトのエンジェルス復帰に伴い、40人ロースターから外された選手はいない。エンジェルスは、リリーフ投手のホゼ・キハーダを60日間の故障者リストに入れた。60日間の故障者リストに入っている選手は、40人ロースターの人数にはカウントされない。

 キハーダは、昨年5月にトミー・ジョン手術を受け、オフに入るまで、60日間の故障者リストに入っていた。キハーダをそのままにしておけば、シスネロシスナレオに代えてソトを外す必要はなかった――オリオールズにソトを獲得されずに済んだ――ようにも見えるが、そうはいかない。60日間の故障者リストに入れることができるのは、スプリング・トレーニングが始まってからだ。

 ソトは、2022~23年にメジャーリーグでプレーし、打率.375と出塁率.414を記録しているが、サンプル数は少なく、71打席に過ぎない。出場は、2022年が18試合、2023年は4試合。ホームランは1本だ。

 2023年は、AAとAAAの計110試合で、打率.237と出塁率.342。マイナーリーグ通算もあまり変わらず、シーズン本塁打は、メジャーリーグで打った1本を含めても、二桁に達したことがない。

 エンジェルスとオリオールズが、どちらも、他の選手を加えた際に、ソトを40人ロースターから外したのは、頷ける。

 ただ、ソトは、遊撃と二塁と三塁を守る。6月下旬に誕生日を迎えても、まだ24歳だ。

 オリオールズとエンジェルスが、どちらも、他球団によってウェーバーにかけられていたソトを獲得したのも、頷ける。

 なお、ソトと入れ替わり、オリオールズの40人ロースターに入ったキャスティーヨは、ソトがエンジェルスへ戻ったのと同じ日に、40人ロースターから外された。この日、オリオールズは、金銭と交換に、ニューヨーク・ヤンキースから左投手のマット・クルックを獲得した。

 キャスティーヨは、今オフ5度目の移籍となるかもしれない。ここまでの4度については、こちらで書いた。

「26歳の野手が2ヵ月に4度移籍。昨年のメジャーリーグ出場は1打席だが、たらい回しではなく大人気!?」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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