ヨーロッパ気象史に残る異常高温 8か国で国内記録を更新
明けましておめでとうございます。
早速ですが、元日にヨーロッパ各国で1月の国内最高気温の記録が塗り替えられました。
1. リヒテンシュタイン 20.0度 (1月の平均は5度)
2. チェコ 19.6度 (1月の平均は3度)
3. ポーランド 19.0度 (1月の平均は1度)
4. オランダ 16.9度
5. ベラルーシ 16.4度
6. リトアニア 14.6度
7. デンマーク 12.6度
8. ラトビア 11.1度
いずれもこの時期の平均気温を15度以上も上回る高温で、夏に現れてもおかしくないような陽気でした。またワシントンポストによれば、12月31日からの3日間で、ヨーロッパ全土で数千の高温記録が塗り替えられたそうです。
この記録に関して気候学者のMaximiliano Herreraさんは、「完全に狂っている」「こんな事態はヨーロッパの記録の中で見たことがない」と強烈な驚きを露わにしています。
暑くなるヨーロッパ
さて高温の原因は何だったのでしょうか。
それはヨーロッパ広範に、季節外れなほど勢力が強く、大きな高気圧が覆ったためです。このためアフリカ西部から、南西の風に乗って暖かな空気が流れ込みました。
これが温暖化とどう関係があるのかは、これからの分析が待たれるところですが、ヨーロッパでは昨夏も、学者が目を白黒させるような異常高温が起こりました。
たとえば夏でも涼しいはずのイギリスでも40度を超えて、国内最高気温が塗り替えられたほどです。イギリスの冷房普及率はわずか3%です。
ヨーロッパ全体では20,000人以上が命を落としたと推測されています。温暖化の影響がなければ“ありえない”事態であると、専門家は分析しています。
そうして結局2022年は、イギリス、アイルランド、フランス、ドイツ、スイス、スペインなどヨーロッパの多くの国々で、観測史上もっとも暑い1年となったのです。
日本にも春のような陽気
ヨーロッパほどではありませんが、日本でも同じような状況が起きています。
昨年6月には、観測史上もっとも早い時期に40度に達するなど、危険な暑さとなりました。気象庁は先日、昨年2022年は記録的に暑い年となる見込みだとも発表しています。
そんな日本は、来週、初春のような暖かさに包まれるようです。この時期の平均を5度以上も上回るような暖かな日も予想されています。雪の積もっている地域では雪解けが一気に進み、災害への警戒が必要になります。
新年早々、世界の空模様は、驚きと変化に富んでいます。