ミシュランガイド東京2015はどうして話題となっているのか?
注目されているミシュランガイド東京2015
2014年12月5日に発売された「ミシュランガイド東京2015」が話題となっている理由は何でしょうか?
近年、以前よりも注目度が落ちていると言われていただけに、今年は盛り返し、再び大きく注目されていることは気になるところです。
掲載店の増加とビブグルマンの拡充
オーサーコメントで以下の通り書かせていただきました。
上記で述べさせていただいたように、ビブグルマンの拡充が今回話題となっている主因であり、さらに紐解くと、ビブグルマンにラーメンが加わったことが賛否両論を巻き起こしています。
ラーメン層の取り込み
ラーメンは日本の国民食たるもので、メディアへの露出も多くてファンも非常に多いです。しかし、これまでミシュランガイドはフランス料理、イタリア料理、日本料理、寿司、鉄板焼といったカテゴリの高級店が対象だったので、ラーメンに関心のある方が興味を持つことは難しかったと言えます。それが、ラーメンをカテゴリに加えたことで、これまでミシュランに興味のなかった層が興味を持つようになったのです。
ミシュランガイドにラーメンが加わったことの反響は「ミシュラン ラーメン」のYahoo!検索のヒット数の多さからも分かることでしょう。日本において最も数が多いラーメンファンを取り込んだのは戦略的であると思います。
フランス料理の注目店
他にも話題となっている原因があります。フランス料理に焦点を当て、新たに星を獲得したり、星の数が増えたりした店を挙げると以下の通りです。
- レフェルヴェソンス
2つ星 ← 1つ星
- シャントレル
1つ星 ← ビブグルマン
- ルカンケ
1つ星 ← ビブグルマン
- クラウン
1つ星 ← なし
- シック プッテートル
1つ星 ← なし
- ジャン ジョルジュ
1つ星 ← なし
- ラ フィネス
1つ星 ← なし
これらを見ると特に、「【クッキングコンテストの今】独学者 杉本敬三氏が優勝した「RED U-35」は何が新しいのか?」でご紹介した杉本氏がオーナーシェフを務めるラ フィネス、ルカンケ、クラウン、レフェルヴェソンスなど、実力はもちろん、それに加えて常に賑わっている人気の高いレストランが星を増やしていることが分かります。
ミシュランガイドが発行された当初、いくつかの老舗フランス料理店が掲載されず、多くの人が疑問に思っていたこともありましたが、後にこういった店も星を獲得していきました。
これまでの経緯も鑑みると、今回は日本における一般的な感覚により近付けた言えるのではないでしょうか。
ミシュランガイドのこの先
上記オーサーコメントの通り、書籍では掲載店の数をどんどん増やしていくことはできません。ぐるなびと提携してWebに広げていくのもよいですが、増加の一途を辿っていけば単なるカタログサイトなってしまい、それこそ、ぐるなびと差別化できなくなってしまいます。
個人的には上記オーサーコメントのように考えており、料理人のやる気を喚起させると同時に、多くの人に食が注目されるということで、ミシュランガイドに対して大きな期待を寄せています。
来年のミシュランガイドがどうなるのか、気になっている人は多いと思いますが、これは非常によいことだと感じています。というのも、<どういった店が星を獲得するのか>は非常に興味深いことですが、ミシュランガイドが引き続き影響力をもつには<ミシュランガイドがどうなっていくのか>ということでも興味を引く必要があるからです。
読者のみなさんも、ミシュランガイドの掲載店だけではなくミシュランガイド自体にも興味を持ってみると、より楽しめるのではないでしょうか。
情報
詳しくは公式サイトをご確認ください。
参考
レストラン図鑑にも「ミシュランガイド3つ星」、「ミシュランガイド2つ星」、「ミシュランガイド1つ星」、「ビブグルマン」をご紹介していますので、ご参考にどうぞ。