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勝てば防衛の藤井聡太竜王(20)わずかにリードを奪ったか? 竜王戦七番勝負第6局、2日目始まる

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 12月3日、鹿児島県指宿市・指宿白水館において第35期竜王戦七番勝負第6局▲藤井聡太竜王(20歳)-△広瀬章人挑戦者(35歳)戦、2日目の対局が始まりました。棋譜は公式ページをご覧ください。

 戦型は角換わり腰掛銀。1日目にして戦いが激しい始まり、広瀬挑戦者が70手目を封じました。

 本局の立会人は藤井猛九段。過去に竜王位を3連覇した名棋士です。

 藤井竜王と広瀬挑戦者は現在竜王1期。今期七番勝負を制した側が2期目となります。

 2日目朝。藤井九段が封じ手を開きます。

「封じ手は△3八銀です」

 広瀬挑戦者は持駒の銀を飛車取りに打ちました。予想では本命とされていた一手です。

 71手目。藤井竜王の飛車は横に逃げるのではないかと見られていました。しかし10分の消費で縦の筋、上へと逃げます。これは驚きの一手。飛車が狭い位置なので、なかなか浮かびづらいところでしょう。

 広瀬八段は18分でもう1枚の銀を打ちます。これで飛車は取れる形。当然の一手に見え、わるくなさそうですがしかし。コンピュータ将棋ソフトが示す評価値は、藤井竜王よしとなりました。

 藤井竜王が銀、広瀬挑戦者が飛車と取り合ったあと、75手目、藤井竜王は角を打ちます。これが攻防の好位置。現在は藤井竜王がわずかにペースをにぎったかもしれません。

 竜王戦七番勝負2日目は昼食休憩をはさんだあと、夕食休憩はなく、通例では夕方から夜にかけて終局となります。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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